”空手革命家” 塚本徳臣⑤ ~世界大会決勝唯一無二の奇跡の大逆転一本勝ち

2020年7月21日

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そして迎えた決勝戦。

松井派、そして支部長協議派に分かれた、初の世界大会。
それは半分は、優勝者があらかじめ決められていたような大会だった。

それは反対側から上がってきた、鈴木国博。
圧倒的なパンチ力、そして強烈なローキックを持つ、質実剛健として、まさしく極真空手家の典型とも呼べる男だった。

対する塚本徳臣は、まさしく強敵との激闘により、満身創痍だった。
特に両足はボロボロで、ローキックによるダメージが蓄積されて、始まる前から倒れる寸前、さらには新型のつま先を使った前蹴りによる弊害で、利き足の親指は爪がパックリと割れて、骨折していた。

それを知った郷土である長崎の支部長山田政彦は、嫌がる塚本徳臣を無理矢理ねじ伏せて、つま先にばかでかい麻酔注射を打たせたという。
爪と肉の間に差し込むそれは喉から叫び声が抑えられないほどの激痛だったという話だ。

そして迎えた決勝戦、塚本徳臣はステップを使った。
最初から、距離をとり、右に左に動きまわり、鈴木に的を絞らせない。

そして動きながら、かかと落としや変則上段廻し蹴りマッハ蹴りなどを見せながら、シャープな下突きを積み重ねていった。

中盤過ぎほどでさすがに捕まり、ローキックを聞かされ、崩れ落ちそうになりながらも、彼は諦めなかった。
受けに終わったら終わる。
倒されずとも、勝つことができない。

それを悟っていたのだろうか、塚本徳臣はローキックを捌く事はせずに、下突きのカウンターを積み重ねていった。
途中放った胴廻し回転蹴りで足までつり、いよいよ動けなくなりながらも見せ蹴りの中で下突きに賭けて、いよいよの下段廻し蹴りを唯一脛で受けて、そこから充分にタメを利かせた下突きをカウンターで打ち込み、その後下突きの2連発からの超至近距離からの前蹴りで、奇跡の逆転勝利を収めた。



史上初にして、そして唯一の、世界大会決勝での逆転一本勝ちである。

その光景を見ていた長渕剛が、送った詩がある。



それこそが、その時の彼の孤独な戦いを表していると言えるだろう。

彼の空手革命の、鮮烈すぎる幕開けだ。

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