“衝撃左ハイ”ゲーオフェアテックス 山本元気を返り討ち!全日本キックでの完璧なる戦いに刮目せよ!

2024年4月9日

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ゲーオ・フェアテックス

現在ではゲーオ・ウィラサクレックと呼ばれている彼の名前は格闘技界に広く知れ渡っていると言えるだろう。

初代及び第3代のK-1ワールドグランプリスーパーライト級王者にして、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者、タイ国ルンピニースタジアム認定フェザー級王者、タイ国プロムエタイ協会二階級王者。

あまりにも輝かしい実績で、圧倒的なKOの山を築き、記憶にも記録にも残る、文字通りのスーパーチャンピオン。

そんな彼を最初に目撃したのは、2005年7月24日、全日本キックの舞台で行われた、日本vsタイ5対5マッチの副将戦、山本元気と戦いだった。

当時山本元気は全日本キックフェザー級の王者であり、その4年前から無敗を誇り、右の殺し屋と呼ばれ、まさしく絶対的な強者と言えた。

そんな彼の肩にかかる期待は大きく、他団体のファイターがスパークリングパートナーを買って出るほどだったと言う。

その時点でゲーオフェアテックスはルンピニースタジアム3位。

その戦いは、まずはお互いインローキックから幕を開ける。

全日本キックフェザー級王者山本元気

そこから山本元気のワンツー、ゲーオフェアテックスのインロー。

ゲーオフェアテックスのインローキックはあまり強烈で、その連打で、膝を受けてもなお山本元気の体を揺らし、ダメージを刻み込む。

山本元気の右ミドルも完全にブロックされる。

そしてわずかずつわずかずつ後ずさりしてタイミングと間合いを測って、山本元気の左ジャブの後の間隙をついての、信じられないほどの高速にして直線的な左ハイキックが直撃!

ぬうえええええ!?

思わず変な声が漏れていた。

それぐらいあまりにもスピーディーにして、あんまりにも強烈な一撃、むしろ山本元気が平気な顔をしている方がおかしい!

それどころかむしろ自分を奮い立たせるように前に出て、パンチを振っていく。

しかしそこにインローキック、前蹴りを的確に合わせていく。

山本元気の右ミドルからのパンチ、強烈な左ミドルで会場に音を響かせる。

膝頭にストッピングキック、間合いに妥協なく、パンチを外して、さらに左ハイキック。

そしてものすごい前蹴りで山本元気を吹き飛ばす!

前蹴りが止めるタイプ、吹き飛ばすタイプ、ストッピングキックと実に多彩。

さらに強烈な左ストレート、それでも強引に山本元気が入ってきたところに、左の肘打ち一閃!

何でもできる、文字通り、本当に万能型。

さらに山本元気のインローに合わせて、パンチ3連打。

強い。

右ミドルをつかんで右ミドル、しかし山本元気も足を払ってころばせる。

しかし一進一退とは残念ながら言い難いだろう。

第二ラウンド、一転して今度はゲーオフェアテックスは右のジャブを放っていく。

さらに山本元気の右ミドルに合わせて、強烈な右フック、硬い音が場内に響き渡る。

山本元気のラッシュも、右手を伸ばして完全に封殺してしまう。

さらに踏み出した左ストレートで、一瞬に山本元気の動きが止まる。

効いたか?

見ている、見ている、ちょんちょんとジャブを出して、ストッピングキックをして、見ている。

そして入ってきたところの左フックのカウンター。

左ストレート左ストレート左ハイキック、ここまで攻撃を封じられて、山本元気は一体何を考えているだろうか?

やはり入るしかない、入っていて連打しかないと考えているだろうか?

しかし入ってきたところに、待ってましたとばかりの左ストレートのカウンター。

まるで移動要塞のようだ。

強烈無比なる肘打ち

三ラウンドはハイキックから開始。

この時点で140戦もしているというゲーオフェアテックスの試合運びは、巧みの一語。

右ローキックからの左ストレートと言う対角線の攻撃で、山本元気を吹き飛ばす。

しかし山本元気も根性で攻撃を受けながらも、徐々に徐々に自分の間合いにしようとしていく。

そんな強引に来る山本元気に、今度はゲーオフェアテックスは左ストレート左ハイキックと言う強い攻撃で応戦。

間合いが近くなり、山本元気のパンチ、左のボディーが入り出し、ゲーオフェアテックスの温度も上がっているようだった。

左ストレート、左ミドル、左ハイキック、飛び膝蹴り。

左ミドル1本で、山本元気のパンチの軌道をずらしてしまう。

第四ラウンド、強烈な左ハイキックを放ち、山本元気の連打、アッパーを躱し、そこから猛烈な左右のフックで追い込んでいく。

躱して躱して左ストレート左ストレート、なんと言うことだ、パンチの打ち合いですら、山本元気分が悪い。

しかしそれでも距離を潰したところに、縦肘、横肘、ひじひじひじひじひじ地獄!

まったく、付け入る隙がない。

完全無欠なる戦い

疲れたらつかんで首相撲、離れたら左ミドル、入ってくるところにローキック。

そして体力が回復したら肘打ち肘打ち肘打ち左ハイキック!

それによってついに山本元気の顔面が切り裂かれる!

再開されるが、それをあざ笑うかのような強烈な左ハイキック!

前蹴りで突き話し、再びの左ハイキック左ハイキック。

ついに最終ラウンド、ゲーオフェアテックスは間合いに入れないように、その切り裂かれた右のこめかみを狙うように、左ストレート、そして左ハイキックを多用。

そして回り込みながら左ハイキックを当てて、さらに山本元気をつかんで回して、右ミドルで突き飛ばす。

そこからやや流しモードになるが、その鉄壁の前蹴りで近寄らせない。

驚くべきことに、右の前蹴り、左ハイキックだけで試合をコントロールしている。

さらにかかと落としのようなの上段前蹴りまで見せる。

かと油断していたら、右ジャブからの一回転しての左肘が山本元気の首筋を狙う!

恐ろしい…本当に恐ろしい…

試合終了。

何も、結果的に山本元気は、何もさせてはもらえなかった。

終了後に膝をついた、その胸中はいかなるものか。

3対0の判定で、ゲーオフェアテックスの勝利。

現役ムエタイ王者、その深淵、その恐ろしさ、それを存分に見せつけられる結果となった。

そしてこの程度で済んだのは、この山本元気のタフネス、捌き、強さ、それがあってのことだと言うことを、この後日本は嫌と言うほど知らされることになる。

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