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現代格闘技ブーム礎を築た鉄人アンディフグの実像を解明し魂を追悼す

2021年4月15日

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今日はアンディフグの命日という事で、彼について少し語ろうと思う。

この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

アンディフグの真価

アンディフグと言えばかかと落としと思われているが、その真価は右のローキックにある。

実際彼が注目を浴びた最初である極真空手の第4回世界大会においても、その右ローキックで相手に深刻なダメージを与え、技あり、一本勝ちを築いている。

ではかかと落としはどういう立ち位置か。

踵落としの実像

それまでかかと落としは、実戦で使われることがなかった。あくまでテコンドーで、ポイントのために使われる見せ技という立ち位置だった。

それを初めて実際に投入した。対戦相手はかつてない角度から飛んでくるその蹴りの軌道を見切ることが出来ないので、自然体と重心が浮く。

そうやって足の力が抜けたところを、右ローキックを叩き込んで、へし折る。そういったスタイルだったのだ。

彼は極真空手の第4回世界大会において準優勝に輝いている。

しかし正直これに関しては私は想うところがある。

あれはトーナメントが酷かった。当時ブラジルの、アデミールダコスタという選手が圧倒的な優勝候補であった。

彼は後にK-1で活躍する、フランシスコフィリオの師匠にあたる。ブラジリアンキックを初めて実戦の場で使用した名選手だ。余談ではあるが私の先生の弟子にあたり、ブラジリアンキックとマッハ蹴りは先生が開発したものだ。

話を戻そう。そのアデミールを潰し、日本を勝たせるために、後の世界チャンピオンである八巻建弐、ヨーロッパチャンピオンのミッシェルウェーデルを当てた後に、アンディフグをぶつけている。

アデミールダコスタはブラジルところか南米の星の二つ名で呼ばれ、南米最強の男として絶対的な強者であった。史上五人しかいない100人組手達成者でもある。

その当時ヨーロッパ大会はミッシェルウェーデルが圧倒的な強さ、 2位が後にK-1に行ったマイケル・トンプソン、そして3位がアンディフグだった。

しかしアンディフグの強さが花開いたのは、K-1に行ってからとも言える。

K-1で磨いた右ストレート

そこで彼はそれほど強くなかったパンチを磨き、右ストレートによるKOの山を築いた。
見事なまでのビルドアップも功を奏し、見違えるほどに精悍になった。

これほど的確にルールの違いに適応したファイターもいないのではないか?
間違いなく、その後の極真空手家などの他ジャンルのファイターが移ってくるための見本になったと思われる。

しかしそれも、上位になるとだんだんと通用しなくなっていった。
彼は当時のK-1ヘビー級戦線において、基本的に骨格が小さかったのだ。

そして最終的に、K-1で磨いた右ストレートと、極真で培ったかかと落としから右のローキックにつなげる戦い方を連動させ――迎えたK-1、決勝戦。

相手は剛腕と名高いマイクベルナルド。

彼をパンチで牽制しつつ、右ローキックで足を完全に効かせ、最後はフグトルネードと呼ばれる下段後ろ回し蹴りで仕留めた。

基本的に一発技、隙が大きい技、見せ技と思われていた回転技を下段に叩き込み、一本を、それも決勝で、リベンジという形で決めたのはこの後破られることのない快挙といえるだろう。

魂の戦いがつないだ格闘技ブーム

だが彼は踵落としを捨てたわけではなかった。

序盤では戦いの中で一撃必殺を狙っていたが、後年は遠距離から一気に飛び込む際など多用していた。

遠間から攻め込む際に使える技は限られるので、これは非常に有効だった。
事実として何人もの猛者がその勢いを殺しきれず、そして捌ききれず倒されている。

そしてなにより、象徴としての使われ方だ。

彼は勝利後、他の者が自らの胸を叩くドラミングしたり、コーナーポストに上って雄たけびをあげたり、ガッツポーズをしてリング内を走り回る中、極真空手の残心で相手に敬意を表し、そのあとリングの中央までいき――

高々と足を掲げての踵落としを、四方に向けて放った。

どんなにリングでグローブをつけて戦おうとも、その魂は武道家であり、その在り方は極真空手だったのだ。

彼はK-1に行ってからも、魂で戦っていた。

さらに自国開催の大会においては無敗と言う金字塔も打ち立てていた。
きっと彼は自分の為よりも、誰かのために戦うということに他の人間では理解しえないような使命感と責任と誇りを持って戦っていたのではないかと思う。

そういった努力と覚悟と実績によって、彼が空手とグローブ競技、そして現在の格闘ブームの橋渡しになったことを間違いない。

K-1ファイターであり、武道家であり、極真空手家であった踵落としのアンディ・フグのことは、我々は忘れることはないだろう。

彼の魂が、どうかこれからは安らかにいられるように、心の底から祈らせてもらう。

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