那須川天心VS破壊神ロッタン、神々の戦いは超高等技術の応酬!

2019年11月17日

先日、ロッタンがONEと言う格闘技団体でチャンピオンになりました。

それは大変素晴らしい試合で、深夜にもかかわらず、私は胸が熱くなってしまいました。

しかしそのインタビュー、そしてTwitterの中で、気になる声をいくつか見つけました。

ロッタンはごり押し。

技術はないが、パワーはすごい。

よく那須川天心、これに勝ったな。

別に名誉を回復させようなんて、そんな大それたことを思っているわけではありません。ただ、やはり個人的にこの言い分には気になるところがありました。

そこで今回、私は那須川天心の数ある名勝負の中でも、BEST BOUTに近いと思っているこの試合をピックアップさせて頂くことにしました。

まずこの試合は、タイトルにもある通り、超一流の技術を持つ者同士の、まるで将棋でいう名人戦にも匹敵するほどの、すさまじいばかりの間合いの争いでした。

第一ラウンド。まず、ここがキーポイントでした。

ロッタン、那須川天心、双方とも、いつも通りの戦い方を始めていました。那須川天心は1歩半の距離をあけて、パンチ、蹴りを加速させて、いっぱつで倒そうとしています。ローキックから、上中のあらゆる蹴り、そして切れ味抜群のパンチ。

正直ロッタンは、ここで面食らっていたように思われます。その攻撃の多彩さ、スピードもさることながら、那須川天心のその圧倒的な防御テクニック。

ロッタンが持つ、刈り取るようならローキック、ハイキック、前蹴りは、ことごとく空を切っていました。パンチも全て避けられる。

そこでロッタンは、 2ラウンドから戦い方を変えました。

攻撃の瞬間、ほんの数センチですが頭を下げる。そして、半歩だけ踏み込む。

これより、那須川天心の攻撃は、加速する前に、腕や足を伸ばし切る前にあたり、しかも基本的に固い額に当たることになり、その威力は半減以下になります。

そしてロッタンは、やや前かがみになることにより、その攻撃を基本的に2つに絞ります。

左右のフックと、右を中心としたミドルキックです。

フックは前傾気味で相手に叩きつけるようにん打つことにより、上半身をのけぞらせることができます。そしてミドルキックの狙いは、ただ1つ。

那須川天心の腕を殺すことになります。

那須川天心のパンチ力は、その2ラウンド内だけで、完全に殺されてしまいました。見た感じで、威力は3割減。さらに伸ばしきることができず、加速もできず、完全に苦しい展開。

しかしそこで相手の戦略、ペースに付き合わないのが那須川天心の頭の良さ。





那須川天心は、基本的には下がりつづけ、そして自分が打ち込む瞬間だけ半歩詰め、攻撃を加速させると言う戦術を取ります。

それが1部の人には、ずっと下がっていて、負けていると言う印象につながったようです。

那須川天心はどんな状況でも、相手を倒しに行っていました。印象だとかそういうのではなく、その部分が私は、那須川天心が空手家であり武道家である部分だと思っています。

ちなみに4ランドで繰り出した胴廻し回転蹴りは、完全に捉えています。それが切ったり、倒したりできなかったのは、やはり前傾して頭を下げていたため、後頭部に当たったからです。基本的に相手を倒すためには、こめかみか、顎に当てる必要があります。

5ラウンド通しての展開は、私の採点では完全に5分。

そして迎えた延長ラウンド。ダメージがあるのは、那須川天心。右腕のダメージはいかんともしがたく、しかしガードしなければそれこそあばらがへし折られるかもしれない状況。

しかしそこで、逆にそのようなピンチだからこそ、訪れたチャンスがありました。

最終ラウンド、ラスト1分。

ロッタンが、単調になったんです。

もともとムエタイは、1.2ラウンドは様子を見て、3.4ラウンドで勝負を仕掛けて、5ラウンドは流すといった展開。基本的には延長もなく、そういった意味ではロッタンはよく集中力を保っていたと思います。

しかし最後の最後、明らかに自分の優位で、この戦い方で勝てると言う、その事実が、ロッタンの思考を、集中力を鈍らせたように思います。

そこを見逃す那須川天心ではない。

一気呵成。ボロボロの左腕をふるい、パンチをクリーンヒットさせ、のけ反らせたところで、左右のパンチのつるべ打ち。

のちで判明したことですが、その時点で那須川天心は左腕筋断裂、靭帯損傷、そして下げた頭を殴り続けたことによって拳を痛めていたそうです。

その状態での魂の連打に、私は胸が締め付けられるようでした。

ここにきてロッタンの、少しとはいえ確かなダメージと、そして体勢を崩し、手数で圧倒すると言う状況。

僅差ではあるが、確かに那須川天心が、ポイントをつけた瞬間でした。

それほど、両者の戦術が交錯した戦いでした。まさに神童と破壊神の、神の名の冠するにふさわしい戦い。

今回ロッタンがチャンピオンと言う栄冠を手にしたこの時、ぜひこの1戦の価値が正しくみなさんに伝わればいいと願います。
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