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2020年11月9日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

蒼白な顔色

後出しジャンケンではあるが、嫌な予感はしていた。

あまりに命を賭けている、KOで倒すの宣言、後の那須川天心との戦い。

その発言が目立ちすぎていた。

逆に言えば、その一戦、勝負に集中していないように見受けられていた。

アナウンスで現れた武尊の顔面は、私の目には蒼白に見えた。

まるで呼吸ができないような、そんな息苦しさを覚えた。

端的に言って、武尊は今回、王者と言う名の闇に飲み込まれた形になる。

王者であるから、看板を背負っているから、後にもっと大事な戦いが控えているから。

だから絶対に、KOで勝たなければならない。

そんなプレッシャーに、彼は押し潰されたように見えた。

直線的で単調な戦い

いつもの高度な駆け引き、前蹴りで効かせて、インローで崩すと言う、極真カラテ仕込みの高度な技術が、完全に鳴りを潜めてしまった。

円を描き、柔らかく相手の攻撃を捌く、その防御テクニックはどこに行ってしまったのか。

相手の攻撃が効かないからといって、直線的に追い詰めて、全弾まともにもらって、ただ大振りのフックを降り回す。

確かに3ラウンド目にはある程度追い詰めて、ある程度のダメージを与えられるかもしれない。

だけどその戦いで、KOは狙えないだろう。

圧勝も難しいだろう。

その後に控える対戦相手に、果たしてそれが通用するのか?

王者が迎える試練

私はここまで言っているが、決して武尊を責めるつもりはない。

チャンピオンであるならば、王者であるのならば、象徴であるのならば、どんな選手も必ず1度は飲み込まれる闇だ。


新極真の、一撃必殺の体現者と言われる塚本徳臣ですら、いちどはその闇に飲み込まれ、再起できないのではないかとさえ言われた。

武尊は逆に言えば、復帰戦で、相手がこう言ってはなんだが宿命の相手でなかったたことが幸いと言える。

この1戦で彼のことを計る事は到底できない。

彗星のように現れた江川優生

そしてもう1人、今回大会で彗星のように現れた凄まじい選手がいる。

江川優生。

彼の強さは、なんといってもその強い腰にある。

その安定した強い腰から繰り出される、まるで暴風のようなパンチに相手は木の葉のように弾き飛ばされた。

そしてその軸から、まるでナタで叩き割るようなローキックで本場のムエタイ選手を葬った。

後ろ蹴りという空手技で、キックボクシングの舞台で完全なるKOを見せつけた。

彼の決勝での圧勝は、個人的にはすでに1回戦から約束されていた。

これからは、腰の時代が訪れる。

個人的な見解で言えば、今回のよこはまつりは、深い深い底が見えない闇と、まばゆいばかりの光を見せつけられた大会となった。

私は願う。

武尊がこの闇から抜け出して、そして江川優生らと共に、 誰も到達していないような光を手にすることを──

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