カエルパンチ輪島功一!青木勝のよそ見や脅かしウサギパンチまで見せて掴んだ重量級チャンプの栄光!

2024年4月9日

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ユニークスキル

ユニークスキルという言葉がある。

固有技能と言われているもので、まぁぶっちゃけMMO RPGとかそれを題材にした実際に自分で動いているかのごとく体験できるファンタジー作品とかで見受けられるというか、それ以外は正直聞いたことがないのだが(笑

厳密にはエキストラスキルとか、色々と区分があるようだが、要は最初から誰でもできるもの、練習すれば身に付くもの、練習してもしても一握りの人間しかできないもの、それを超えた技術、技能だと思ってくれていいと思う。

まさしく天から授けられたというか、才能と言うギフトを承ったごく1部の神に愛された人間にしかたどり着くことができない領域。

それこそが固有技能、ユニークスキルと呼ばれるものだと解釈している。

そしてボクシングの世界において、それを承った人間というのがいる。

輪島功一。

炎の男

WBA世界スーパーウェルター級王座を3度獲得、そのうちの2回はWBCも合わせた統一王座であり、現在はタレント、ボクシングジムの会長しており、一時期団子屋の経営も行っていた、炎の男の異名を持ち、具志堅用高、ガッツ石松とともにボクシング界を牽引していた重鎮である。

25歳でプロボクシングデビューをし、その後7連続KO、1969年9月4日に日本スーパーウェルター級王座を獲得、しかしそのわずか1ヵ月後12戦全勝11KOの勢いに乗って2階級下のスーパーライト級世界王者ペドロ・アディグとのノンタイトル戦に挑み、しかし期待とは裏腹に1ラウンド2分21秒でKO負けを喫す。

その当時の見出しで、無理だと思ったよ、世界を甘く見るな!と痛烈に叩かれ、再起を志してもロートル扱いを受け、もう充分だよ。潮時だ、とデビューしてまだ1年半にもかかわらず散々の評価を受けたが、本人はまぐれ当たりを食ってしまった、食った自分が悪いとはっきりと違った感触をつかむ。

その後約3カ月後の1970年2月5日に一度は日本王座までも奪われるが、その2ヶ月後に奪還。

そしてその1年半後、1971年10月31日、東京両国の日大講堂で、当社の言い方で世界ジュニアミドル級タイトルマッチ、WBA WBC Jr.ミドル級統一王者カルメロ・ボッシとのタイトルマッチを迎えることになる。

輪島功一は当時世界Jrミドル級3位、アナウンスでは、果たして重量級に日本の力が通じるかと語られた、この1戦。

ローマオリンピックの金メダリストであると言うボッシは、もぐり込もう潜り込もうとするその輪島功一の顔面めがけて、鋭いジャブを差し込み撃ち落としていく。

輪島功一はウィービングを繰り返し、構えをピーカーブーにしたり、左手をだらりと下げて右手で顔を被ったり、変則的な動きで翻弄しようとしているようだった。

それが功を奏したのか、ボディーの左ジャブ二発からの右が、ボッシの顎をとらえる。

しかしそれにしても同階級とは思えないほどの体格差がある――と思っていたら輪島功一が身長171センチに対してボッシが172.3センチと言うから、ほぼ一緒だから不思議な感じがする。

ボッシはほとんどカードを上げずに、重心を上げ、ステップワークを使うアウトボクシングスタイル。

輪島功一がウィービング、ピーカブーで突進する、ファイタースタイル、まるではじめの一歩のよく見る対決のようだった。

必殺カエルパンチ

中盤に鋭い左フック、派手な音が会場に響き渡り、一気に緊張感が高まる。

輪島功一のパンチが届かない、さすがにボッシは制空権の作り方が巧みだ。

それリーチ差がある、リーチはボッシが71センチに対して輪島功一が73センチだから、少し違うと言うところか――

ボッシのキャリアはアマ含めて150戦以上、そこはさすがと言わざるを得ないだろう。

輪島功一はフックから飛び込んでいくのだが、そこまで近づいてしまうとどうしてもクリンチで逃げられてしまう。

なかなか活路が見出せない、このままだとボッシのジャブでポイントがとられてしまう。

いかにしてこの局面を打破するのか?

しかし少しずつ少しずつ、中間距離のその間合いが縮まり、ボッシのアッパーが炸裂したり、輪島功一の腹がわずかに顔面を捉えたりしていく。

文字通り拳1つ分の間合い、それが勝敗を分ける、絶妙な勝負になると言えるだろう。

その拳1つ分の距離が遠い。

3ラウンドからしばらくその距離を崩せない展開が続く、幕之内一歩のようにクリンチされても拳1つ分の場合で放てる零距離リバーブローがあれば…

そして6ラウンド中盤位だろうか、それは突然現れた。

大振りの右フックを外され、回りながらじっくり見ていると思ったらボッシの小さなフックに合わせて、ダッキングしたかと思ったらそのまま完全に膝を曲げるスクワットをし、そこから飛び上がって頭ごと突っ込むようにしての左フック。

一瞬見逃してしまった、それこそ刹那のようなカエルパンチだった。

しかしちょっと危なかった、左フックであわされて、危うく撃ち落とされるところだった。

それに解説の、

「とにかくジャンプして蛙のように飛び上がってパンチを送りました」

と半分笑いながら驚きを伝えている。

そしてそれがきっかけになったのが、接近してというか体を預けての左フックが、ガードの上からとは言えボッシを捉え始める。

と思ったら右のガードで顔を打って、一瞬のけぞってから、突然のオーバーハンドの右。

あまりのオーバーリアクション攻撃の連続に、場内から笑い声が聞こえると言う異常事態。

会場を沸かせている、観客を楽しませていると言う意味で、間違いなくプロの仕事と言えるだろう。

7ラウンド、さらに輪島功一は乗っていき、今度はジャブを振ってからくっついていったり、またのけぞってフェイントを入れたり、足をマットに叩きつけて大きな音を立ててから突進したりと、縦横無尽の動き。

解説からは

「観客から笑いが出るようなコミックみたいな感じになりましたね」

と聞かれるが、私としては勝つためにありとあらゆることをやる、正攻法で勝てないからこその心に迫る生存戦略、そういうふうに感じられた。

ウサギパンチ炸裂!

実際それによってかはわからないが、間合いが縮まり、輪島功一の右が届く距離にいつの間にかなっている。

そしてちょん、ちょん、と後にまるでうさぎ跳びのようにバックステップしてからの、飛び上がってる左フック。

まるでカエルパンチならぬ、うさぎパンチだ!

すごいなこの人、世界初タイトル挑戦でこれができるなんて、マジで尊敬する

8ラウンド、ペースをつかんだか、タイミングをつかんだか、間合いをつかんだか、明らかに輪島功一が狙っている雰囲気を見せ始める。

9ラウンド、さらに間合いが縮まり、ガチャガチャとした展開で、輪島の小さなパンチが少しずつ当たり始める。

巧みだ――ボッシにボディーがないと言うの見切り、右手1本で顔全体を手ガードに専念させて、左に仕事をさせる。

そして10ラウンドから少しずつ輪島功一はボディーからの上下に散らすコンビネーションを見せる。

そして一回サミングをされてから、怒りからか、左ジャブに対して右のクロスカウンターを狙う。

12ラウンド、バッティングが転機になったかわからないが、いや実際少しずつ詰めてきたおかげだと思うが、ついに接近戦からの乱打戦が見られるようになる。

13ラウンドに至っては、輪島功一のワンツーが当たり始める。

まるでマジック、ここまで見事に巧みに自分のペースに誘導するとは…

猛攻、左右のフックのつるべ打ち。

14ラウンド、ボッシはほとんど手が出なくなり、ジャブがなくなり、クリンチで精一杯、さらに輪島功一は起死回生のカエルパンチを放つが、それはクリンチで防がれ不発に終わる。

無尽蔵のスタミナ、最終15ラウンドまで輪島功一は動き続けて、最後はレバーブローも何発も当てて、輪島功一の判定勝ち。

奇しくも試合前に解説が言っていた、語っていた、重量級に日本の力が通じるか、そして世間の評価である無理だと思ったよ、世界を甘く見るのは、潮時だ、それらを全てひっくり返し、自らの力を示した、正しく名勝負だと言えるだろう。

私個人的にはらしい戦いなどない、それはその時持ちうる状況、そこから鑑みて、自らがすべきことを選択した、その後に作られる轍を見て、後世の人が名付けるべきものだ。

そういった意味では、まさに固有技能、ユニークスキルのことも言える、そのカエルパンチ、もしかしたらウサギパンチ、それを見せつけて勉強させてもらった、そういった1戦だった。

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