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PRIDEミドル級絶対王者 まさにPRIDEの象徴、その1人として圧倒的な活躍を ...

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

PRIDEミドル級絶対王者

まさにPRIDEの象徴、その1人として圧倒的な活躍を見せていたヴァンダレイ・シウバだ。

それまでの寝技、関節技、それらが中心だった総合格闘技界で、自身が磨いたムエタイ、それによって勝ち進み、その命通りの膝蹴りへの嵐で、KOの山を築いた。

その激しくも、美しい、そして鮮烈な戦いぶりに、魅了された人間は多いと思う。

あのPRIDEのヒーローとして黎明期を支え、絶対的な強さを誇っていたグレーシー一族を破った桜庭和志も、極真空手から殴り込みをかけた岩崎達也も、柔道からの刺客として驚異的な活躍を見せていた吉田秀彦も返り討ちにした。

あの超人ミルコクロコップとK-1とPRIDEの看板をかけて戦い、引き分けに持ち込んだ。

まさに歴戦の勇者とも言える彼だが、その数多の戦いの中でも、未だ全く色褪せることのない衝撃的な戦いと言えるのか、ライバルと認識されているであろう、クイントン”ランペイジ”ジャクソンとの、2度にわたる激突だろう。

暴れまわる、猛り狂う、その異名をミドルネームに持つ彼は、トレードマークとも言える極太のチェーンをその身にまとい、まさに暴虐ファイト、特にマットへの強烈なボディースラムを中心に、破竹の勢いで勝ち進んでいた。

正道会館から、佐竹雅昭との戦いにて、そのボディースラムで背骨を追ったり、K-1に参戦してシビル・アビディと2戦2勝と勝ち越したり、まさに向かうところ敵なしといえた。

そんな中、王者であるヴァンダレイシウバに何回もマイクアピールをしたり、挑発を繰り返し、その王座は自分のものだと主張していた。

直前でこんなやりとりがあったと言う。

「シウバ、うちに帰って俺のためにベルトでも磨いとけ」

掴みかかった。

「あの言葉を吐いたことを後悔させてやる」

そんな2人が、PRIDEグランプリ2003、その決勝戦でついに相見えることになった。

PRIDEグランプリ2003決勝

開始直後、ヴァンダレイシウバが両手をブルンブルンと振り回してやる気を上げ、それに対してジャクソンは冷静にスタスタと間合いを詰めていき、それにヴァンダレイシウバがフックの3連打をしたところをかいくぐり、その体を下から持ち上げた。

得意のボディースラム。

しかしヴァンダレイシウバはすぐにジャクソンの首に左腕を回す。

フロントスリーパー。

ぴたり、と両者の動きが止まる。

ジャクソンがロープに両手をかけて、ヴァンダレイシウバはひたすらにジャクソンの首を絞めあげる。

動かない。

40秒間そのままで、ジャクソンはうなだれ、そのまま的に前のめりに倒れてしまう。

衝撃が会場を包む。

待望の2人の対決、決勝戦は、こんな開始直後のフロントスリーパーと言う、それだけで決まってしまうのか!?

そう思われた5秒後、ジャクソンは何とかと言う感じでヴァンダレイシウバのロックを外し、そしてそのままガードポジションでボディーをこつこつと叩く。

そしてジャクソンが少しずつ体をずらし、腰を上げて、そのパンチを顔面へと移したところに、シウバは腕ひしぎ十字固めへと移行する。

しかしそれを外し、ジャクソンが鉄拳を落としすのをヴァンダレイシウバは見事な体さばきでかわしていく。

しかしジャクソンがさらに膝を落とし、ハーフガードに移行して、圧力をかける。

ヴァンダレイシウバが出血。

ここまでジャクソン有利、シウバはやや意識朦朧としているようだった。

しかしここでブレイク、スタンドからのやり直しが支持される。

シウバはここで、ある意味救われた形となった。

ジャクソンが左ジャブを出したところに、ヴァンダレイシウバのとんでもない左ハイキックが半回転してジャクソンのコメカミをかすめる。

それに驚いたジャクソンが、中途半端に腰に食いついたところに、待ってましたと言わんばかりに、ヴァンダレイシウバ左の膝蹴りが炸裂!

膝、膝、膝の、膝地獄

慌てて体を起こしたところに、さらに左右のフックが顎に炸裂!

シウバは抱えて足を引っ掛けて倒そうとするが、倒れず、ジャクソンの右のボディーの膝蹴りに抗するような、左の顔面膝蹴りが再び炸裂!

倒れたところにサッカーボールキック、立ち上がったところに右のボディーの膝!

一旦離れてまた向かいあったところに、シウバの冷静な右のローキックからの、左のハイキックが顎直撃!

そこから左の膝、右の膝、左の膝、右の膝、左の膝、右の膝!

ジャクソンはコーナーまで吹き飛ぶ。

さらに飛び込んで右の膝蹴り!

そして左の膝、右の膝、右の膝、引き込んでの左の膝、左の膝、さらに右フックからの、飛び込んでの左の膝蹴り!

さらに立ち上がらせた左の膝、倒れたところにサッカーボールキック、その2連打、立ち上がって右の膝、左の膝、それでも倒れないジャクソンに、ヴァンダレイシウバはニヤリと笑って、右フック、その2連打からの、右の膝蹴り!

ついにレフェリーが止めた。

ヴァンダレイシウバの勝利。

衝撃、それしか言いようがなかった。

数えてみて、合計20発もの膝蹴りの連打。

実質的その間にハイキックやパンチやサッカーボールキックも混ざっているから、打撃の数はそれをはるかに上回る。

だけど、膝蹴りだけで20発。

それもその全てを直撃させ、空振りだったり、ガードさせたりと言うものがない。

凄まじい、おそらくは格闘技史上においても最も数多くの膝蹴りのラッシュによって決まった試合と言えるのではないか?

どこか膝蹴りのラッシュと言うものは、個人的には格闘技そのもの、醍醐味のようなものを含んでいると考えている。

パンチの連打と言うものは、素人でもできるが、膝蹴りを、首相撲でロックしたり、飛び込んだり、そうやって当てるのは技術が必要で、そしてパンチを除けば膝蹴りほど連打がきくけると言うものはないから、カタルシスと爽快感、その両方が満足させられる気がする。

それがこの試合、これ以上ないと言うほどに爆発的に満たされた。

そして、20発もの膝上の連打、さらにはサッカーボールキック、ハイキックを浴びながらも、立ち続けたクイントン・ランページ・ジャクソンは、あっぱれとしか言いようがないだろう。

最後ニヤリと笑ったヴァンダレイシウバの気持ちもわかると言うものだ。

しかしニヤリと笑い、普通に追撃して、さらに膝でトドメを刺すヴァンダレイシウバもヴァンダレイシウバだと思うが……。

まさにクレイジー、突き抜けた、格闘技戦の、その最たるもの、象徴的な一戦だと考える。

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