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“格闘マシーン”黒澤浩樹 初出場優勝最年少 松井章圭と死闘,下段で一本勝ちの山を築き上げた軌跡!

2021年8月18日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

魂の下段廻し蹴り

それに命をかけた選手というのが私の知る限り、四人存在している。

厳密には下段廻し蹴りが強烈だった人間と言うのは数多く存在してはいたが、それに賭けて、その1点に集中して、そこに存在意義を見出し、その有用性、圧倒的な破壊力満天のもとに示したたと言う意味では、この4人という言い方をしても間違いでは無いのかもしれない。

古くは東孝、そして数見肇、野本尚裕、彼らの下段廻し蹴りの破壊力、そしてそこにつなげるまでの巧みさ、迫力、そして強烈な試合、それはそれを見届けた慣習たちの脳裏に焼き付いて未だ離れる事はないだろう。

そしてそんな彼らの中でも、ある種原点ともいえる、その下段廻し蹴りにより日本統一を成し遂げ、極真カラテに一大下段回し蹴りブームを巻き起こした人物こそが、今回取り上げる黒澤浩樹である。

黒澤浩樹は、第16回全日本大会に出場。

そこで初出場初優勝、最年少記録と言う以後破られる事は無いであろうとてつもない金字塔を打ち立てた。

それまでの三誠時代と言う、三瓶啓二、中村誠と言う2人の偉大なる選手による、正拳突きを中心とした組み手が主流となっていた大会の中で、黒澤浩樹は新たなスタイルを見せつけることになる。

その序盤は意外にも思われる方もいるかもしれませんが、右の上段回し蹴りで1本で勝ち上がり、4回戦をまさかの体落としで勝利し、準々決勝3連覇を果たしていた絶対王者三瓶啓二を破った長崎の新鋭敷島知章を相手に、長い延長の末にボロボロになっていたその足に容赦なく叩き込んだ下段廻し蹴りによりわずか1分11秒による1本勝ち奪う。

決まり手が少なく、延長による延長が多い中で、黒澤浩樹の勝ち方ははっきりと際立っていた。

しかし逆に言えば、周りが延長に次ぐ延長で消耗戦を強いられ、どうしてもダメージが残りやすい足、そこを狙った下段廻し蹴りを中心としていたことも、その金字塔を打ち立てる1つの要因となったのかもしれない。

準決勝の闘将木元正資も、その強烈な奥脚を狙った高等技術と言える下段廻し蹴りのその破壊力に耐えることができず、マットの上に崩れ落ちてしまう。

それは衝撃的ともいえるシーンだった。

これがわずか21歳の快進撃とは信じられない心地だ。

そして決勝は、往年の雄竹山晴友。

あの南アの巨魁ケニーウーテンボガードと死闘を繰り広げ、準決勝ではあの極真史上最強の1人であるアデミールダコスタと再延長にも及ぶ指導を繰り広げた水口敏男と再延長まで戦い抜き勝利をつかんだ、強豪だった。

しかし、やはりそこまでの激闘の代償は大きかったのもあるだろう。

そして、黒澤浩樹の組み手は際立っていた。

基本的には、下段回し蹴りしか狙っておらず、その他の攻撃はつなぎの役割を果たしている。

右下段右下段右下段。

そこに狙いを集中し、徹底し、それに途中から左の下段も追加し、相手に捌いたり避けたりする隙を与えない。

だい部分を本戦で、そして技あり、1本を大量に奪っての、まさに衝撃の全日本デビュー戦と言えるだろう。

そして続く第17回全日本大会、優勝候補として選手宣誓を行い、序盤は上段回し蹴り、そして下段廻し蹴りを脛受けに砕いての連続1本勝ちで快調に勝ち進み、さらに4回戦を親泊選手を相手に、左の奥脚下段からの、右のカウンター気味の下段回し蹴りが炸裂し、1本勝ちを追加。

まさしくこの大会、破竹の勢いは見せていた。

そして5回戦、大賀選手に開始早々黒澤浩樹の左下段回し蹴りが爆発、技あり、そして追撃の右下段で合わせ一本勝ちを奪った。

そして準決勝、ぶつかったのはブラジルのアデミール・ダ・コスタに次ぐ強豪中の強豪、ジェームス北村。

開始直後から蹴って蹴って蹴りまくり、ジェームス北村はもはや棒立ちとなり、反撃すらままならない、下段回し蹴りからの前蹴りで、まさに一方的な合わせ本勝ち。

当たるべからざる勢い。

決勝で待ち構えていたのは、極真の風雲児松井章圭。

このまま黒澤浩樹が、すべてをその下段廻し蹴りで破壊して圧倒的な2連覇を決めるかと思われたが、松井はそれまでの相手と違い丁寧な脛受けで黒澤浩樹の下段をさばき、そのお返しのように内股下段を返していく。

お互いがお互いを足払いで倒す、まさに一進一退。

お互いほとんどパンチも打たず、下段廻し蹴りオンリー。

しかし延長戦で松井章圭は変則の上段回し、そして後ろ回しで顔面を脅かし、リズムを変えてきた。
その後間合いの違いに戸惑った黒澤浩樹の内股を左下段で蹴って蹴って蹴りまくり、それが効いたところでパンチで攻勢をかけて、そのまま判定勝ちを奪われてしまった。

そしてそこから、黒澤浩樹は浮かんだり沈んだりの波乱の空手人生を歩むこととなる。

苦難の上段蹴り

続く第18回全日本大会は、初戦の吉野選手をやはり左上段回し蹴りで1本勝ちで下したものの、続いて当たった豊田選手を相手に、下段回し蹴りで責め立てようと追いすがったところ、たくみなステップワークをとらえきれず、顔が前に出たところに2段の飛び膝蹴り、その連発が完全に顎をとらえ、ひっくり返り、そして足元がおぼつかなく、そのまままさかの1本負けとなってしまう。

その後第4回世界大会では1回戦を下段回し蹴り1本勝ちで快調にスタートしたものの、2回戦のデビットピックソール戦で左足の人差し指を骨折、指の中で骨が動いているのを自覚しながら戦い続けたと言う。

そして5回戦、後にキックボクシングなどでも活躍するピータースミット。

ピータースミットは高い構えで、黒澤浩樹の下段廻し蹴りを完璧に攻略し、強烈な左中段廻し蹴りを中心に肋骨を徹底的に痛めつけての、まさに凄まじい死闘となる。

最後まで激しい攻防の中、体重、試し割り判定を超えて、3度目の延長戦で、判定は黒澤浩樹に上がる。

しかし黒澤浩樹は左足と右股関節の負傷で、歩行不能となり、病院へ直行、ピータースミットは判定に納得がいかず、そのまま極真カラテを去ることとなった。

そして第20回全日本大会、3回戦、黒沢浩は吉岡選手を相手に、下段廻し蹴りで押して押して押しまくったが、一瞬の隙をついた高速の後ろ回し蹴りと、前進してくる所に合わせたカウンターの上段廻し蹴りを捌ききることができず、まともにもらい、ダメージを負い、そして合わせ1本負けてその大会を終えることとなった。

さらに第22回全日本大会では、1回戦で新星の園田直幸と対決、やはり前足での左上段回しを見きることができず、まともにもらい、マットに倒れこみ、大出血でのまさかの1回戦負けとなってしまう。

不意の上段蹴りに時折対応できないことがある。

ある種、格闘マシーンと呼ばれ弱点がない、そんな彼の唯一とも言える隙と考えることもできるかもしれない。

しかし迎えた第5回世界大会、黒澤浩樹は爆発する。

世界大会での大躍進

初戦、右内股下段回し蹴り、壱発。

その想像を絶する破壊劇は、会場を戦慄させるのは自分だのものを持っていた。

2回戦、3回戦も、強烈なパンチも交えて右の下段廻し蹴りの連発で迫力さえ見せつけて、迎えた4回戦。

ニュージーランドのケビンペッペラルを相手に、まずは会場中に鳴り響くほどの爆撃機のような左ミドルが炸裂。

詰めてくるところを捌きながら右ローキックで崩して、さらに左ミドル。

ケビンペッペラルに得意とする強烈なパンチを許さない。

さらに上段廻し蹴りで崩したところに、カウンター気味の左ミドルの一撃。

技あり!

さらに黒澤浩樹の勢いはとどまることを知らず、ローキックミドルキックつるべ打ち、連打、それが炸裂して打撃音が響くために、会場は興奮のるつぼと化し、歓声がこだまする。

さらには珍しい後回し蹴りさえ出して、最後は右のローキックで仕留めた!

そして5回戦、対戦相手は川本英児を膝で仕留めた、ラウルストリッカー。

飛び二段蹴りで飛び込んで、中段回し蹴りから掴んでの膝蹴りを連発するラウルストライカーに対して、黒澤浩樹はあくまで冷静に対処し、下段回し蹴りを決めて判定勝ちをもぎとり、迎えた準々決勝。

極真史上最強レベルの強豪、第21回全日本王者、八巻建二。

凄まじい膂力で迫り、かかと落とし、下段回し、右の鉤突き、それで迫ってくる八巻建二を相手に、黒澤浩樹はそれをなんとかしのぎ、ローキックを返して、耐え、互角持ち込み、そして体重判定に持ち込む。

174センチ、88キロに対して、八巻健二は187センチ105キロ、17キロもの体重差、黒澤浩樹はついに準決勝の舞台まで上がった。

そこに立ちふさがるは、身長165センチにして体重70キロ、その体格で1本勝ちを連発して勝ち上がってきた、小さな巨人緑健児。

それは極真史に残るすべきほどの凄まじい戦いとなった。

序盤は黒澤浩樹が強烈なローキックを叩き込んで緑健児の足を潰そうとするが、それに呼応するように緑健児はステップワーク、そしてその大会のキーポイントとなった強烈無比の中段回し蹴り、さらには重量級と並べて引けを取らないもの凄まじいパンチによって、反攻勢を取られる。

両者1歩もひかない激闘となったが、延長、再延長となり、やはり本戦で足が効いていたと言うことでどうしても黒澤浩樹はローキックに狙いが集中してしまい、それに対して緑健児は前蹴り、後ろ蹴り、それを加えたさまざまな方面からの多面攻撃において、そのローキックの間合いを外し、脛受けをして、どうしても緑健児よりの組み手に引き込まれてしまう。

そしてこの大会、3位決定戦も凄まじかった。

相手はこの大会の台風の目となった、カナダの白鯨ジャン・リヴィエール。

あの無冠の帝王、前年の全日本大会優勝を果たしている増田章でさえ体重判定でしか勝ち得ることができなかったその巨体、打たれ強さ、スタミナ、パワーを相手に、黒澤浩樹は下段のみならず、上段、中段、そしてパンチを炸裂させ、容赦ない連打をお見舞いして、場外に叩き出し、顔面への上段蹴りを何発もクリーンヒットさせ、一切の反撃を許さず、独壇場へと持ち込む。

まさに優勝への道を飛ばされた、その悔しさを爆発させた形となり、世界3位を証明した。

しかし翌年に行われた第24回全日本大会では、優勝候補ナンバーワンとして迎えたものの、2回戦にて杉村多一郎と対決し、再延長にて判定5対0で敗れると言う不本意な結果に終わっている。

続く25回全日本大会では6位に入賞したものの、26回全日本大会では1回戦を下突きで1本勝ちで突破したが、3回戦で軽量級史上最強の男、人間風車谷川光と激突、その常軌を逸した打たれ強さ、体感の重さ、そして異名通りのステップワークをとらえきれず、強烈なパンチと変幻自在の蹴りに翻弄され、全日本大会のキャリアはそこで終わりを迎えた。

そして空手としての最後の大会となった、第6回世界大会。

初戦を左中段廻し蹴り、そして右中段回し蹴りで合わせ一本勝ちで最高のスタートを切り、続いてハードパンチャーのステファン・タキワを相手に押して押して押しまくり、そしてアメリカのタクナカサカを相手に開始直後から左中段廻し蹴りと、右下段回し蹴りの乱れ打ち!

そして相手が下がったところに必殺の左下段回し蹴りからの、右下段廻し蹴りを追加して、さらに相手がたまらず脛受けしようと足をを浮かせたところに強烈無比な左下廻し蹴りを叩き落とした!

技あり!

続行したところに左中段廻し蹴り、右下段からの右前蹴り、そして左中段廻し蹴りの音が会場に響き渡る!

そして右上段、右前蹴りで相手の体を浮かせたところに、またも上がるところにカウンターの左下段回し蹴りが炸裂!

タクナカサカは2回転、マットの上を転がった!

会長が興奮のるつぼに巻き込まれる、黒澤浩樹ここにありという会心の1本勝ちだった。

黒澤浩樹はこの大会、まさに今まで培った技の全ての、その集大成を見せようとしていた。

そして迎えた準々決勝戦。

対戦相手は、前回の世界大会でも同じく準々決勝でぶつかった、超巨大戦艦、八巻建志。

まさに、ここが最大の山場だった。

前回大会、八巻建志はプライベートで身内の不幸があり、そのために精神的に追い詰められており、稽古に身が入らず、まともな日常生活すら送れない状態にあり、その真価を十分に発揮できたとは言えなかった。

しかし本大会の八巻建志は、まさに本人が持ち得るパワー、そして培った確かな組み手を、存分に発揮していた。

八巻建志は序盤から、その体格差を生かし、長い足を生かし、黒澤浩樹の間合いの外側から前蹴りを連発し、そして前傾したところにうまく崩す形で前蹴りを決めて、早々に転倒を誘い出す。

さらに出会い頭の前蹴りで、再びの転倒。

これは判定の場合、印象が良くはないだろう。

さらに長距離からの前蹴り、左ミドル、インローキックで、後ろ蹴りで、黒澤浩樹は全く自分の組み手ができない。

接近して下段、膝蹴り、強烈なパンチで、常に相手のペースで試合が進む。

本戦終了、判定、旗が2本上がり、主審もそれに倣い、八巻建志の勝利、黒澤浩樹の第6回世界大会が、ここで終わった。

試合後、黒澤浩樹は語った。

「今回を最後にしようと思っていましたからね、もうちょっとやりたかったですね。

僕の試合を見ていた生徒たちは、きっと来年とか再来年とかに、僕が今度喜ぶような結果を残してくれると思いますね。

その時に今の気持ちが晴れるかもしれないし」

その後彼はK-1、さらにはPRIDE、そういったキックボクシングや総合格闘技の試合にも挑戦し、その生き様を最後まで燃焼し尽くそうとしているようだった。

特にPRIDEでは、イゴール・メインダートを相手に、相手の強烈な投げにより靭帯を断裂しながらも、それに構うことなくローキックを放ち続け、後ろ回し蹴りまで出したところで、限界を迎え、立っていることすらできない状態になり、それでも最後まで相手に立ち向かおうとしていた。

第5回世界大会の選抜戦となった第8回全日本ウェイト制大会では、重量級の準決勝で七戸康博と激突し、再延長の末の例判定の直後、黒澤浩樹の左手が薬指から開放骨折により骨が飛び出していることが判明し、そんな状態で突きを放っていると言うことが会場中に知れ渡ることになった。

ドクターの消毒により初めて苦痛の表情を歪め、道場生達の担架を拒否し、先輩の小笠原和彦の怒声に背中を押される形で、自らの足で控室へと歩いていく。

長い極真の歴史の中でも、これほどの闘争心を持った男はいなかったと言えるかもしれない。

まさしく格闘マシーン、そして最終的に超人へと至った空手家、黒澤浩樹。

その魂は、それを目撃し、伝え聞き、感動した者たちの手によって、そして何より彼が望んだ、彼が育てた生徒たちのココロによって、これから先も途絶える事はないだろう。

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