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”正拳中段突きの完成形” 南原朱里 ~極真女子史上最強の二人

2021年5月14日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

絶対無敵の女性に抗し得る者

極真史上最強の女帝、ヴェロニカ・ソゾベドス。

その存在を知ってから女子では敵う者は現れないと考えていた。

実際次の世界大会で日本の王座を奪還した将口恵美にしても、既に第9回世界大会でヴェロニカと戦い、延長までは粘ったものの、その後大差の判定敗けを喫している。

その後の第12回世界大会が行われるまで、その将口恵美が女子最強であることは間違いなかったし、その後海外最強を引き継いだとも言えるマルガリータ・キウプリートにしても、やはりヴェロニカには勝てずに負けているし、総合力ではかなりの差があると言うことが否めない。

しかしそれが、まさかの揺らぐ出来事が起きた。

まさしく、それは事件に近かった。

南原朱里。

500万回再生の目代結菜とも共演

最近ではYouTube界で500万回再生を記録した高速パンチ女子高生として有名な目代結菜と共演を果たすなど、何かと話題に尽きない彼女。

彼女の事は、正直それほどそれまでは評価していたわけではなかった。

第11回世界大会で準優勝に輝いてはいるが、正直荒削りであり、手数とスピードでものを言わせて、判定勝ちを奪っていると言う印象ぐらいしかなかった。

しかし南原朱里の、その後の戦績は本人も語っているようにそれほど振ったものではないと言うことだった。

第11回世界大会で準優勝を果たした後、第49回全日本大会や、第6回の世界ウェイト制大会の中量級では優勝を果たしているが、その後の第5回フルコンタクト大会の中量級では加藤小也香に敗れ準優勝で、さらには世界大会直前の第50回全日本大会でも久保田千尋に押し切られて準優勝に終わっている。

蹴りの多彩さ、そして腰や壱発壱発の重さで負けていると言う印象がある。

だからこそ、今回の世界大会も特段注目していたわけではなかった。

しかし私は、そこで衝撃の場面を目撃することになった。

本人も語っているように、2回戦で右のふくらはぎを負傷してしまったと言うことで、正直準々決勝まではやはりそれほど目立った存在と言うわけではなかった。

本人曰く試合後は歩けないほどで、重心をかけるだけでも痛かったと言う話だが、試合を重ねるごとに自分本来の動きを取り戻していったと言うことで、準決勝の延長戦から、その兆しは現れ始めた。

そして迎えた決勝戦。

私は、正直感動していた。

そこで私は、正拳中段突きの完成形を見た。

正拳中段突きの完成形

女子によくあるのが、頭からくっついて、前傾して、それから振りかぶってハンマーのように降りますようなパンチをすることによって自分の態勢を作って、相手の攻撃を防いで、押して勝つというパターンがある。

しかし南原朱里のそれは全く違っていた。

ちゃんと相手の攻撃に対応できるように理想的なかなりまっすぐに近い姿勢の状態で、ちゃんと突きは打つものの、下段回し蹴り、前蹴り、そして隙を見て時折胴廻し回転蹴りを放ち、それも掛け逃げではなくて、適切な技の選択となっている。

そして何より、振りかぶって打つものだから、肘が曲がったまままるで野球の投球フォームに近いものになりがちなのは、背筋が伸び、肘がまっすぐ伸び、まさに美しいその突きの形なっている。

文字通り相手は全く何もできずに、ほとんど苦し紛れのローキックを切りながら下がる事しか出来なかった。

この1戦だけ、評価があまりにも違う。

もしかしたら、世界大会決勝で見せたそれは奇跡なのかもしれない。

そしてやはり総合力で言ったら、ヴェロニカ・ソゾベドスに圧倒されてしまうのかもしれない。

しかし女帝に対して、この時見せた正拳突きの完成形と、適切な蹴りを織り交ぜた、その感動的な組み手には、一縷の望みを感じないではいられなかった。

そういった様々な思いを込めて、その時の南原朱里を、極真史上最強の女子として、あげさせてもらいたいと思う。

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