那須川天心vs皇治 誇りを捨てた完全防御で武尊と自らの株を上げた!?

2023年11月11日

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皇治という生き方

戦前は圧倒的な皇治不利

今回の戦いは事前情報が、かなり豊富な状態から始まっている。

皇治は過去K-1の武尊とも戦っており、その際は基本的には一方的に責め立てられたが、圧倒的KOによる連勝街道爆進中だった武尊に対して最後まで倒れることなく、打ち合いに応じることまでして、むしろ株を上げた経験がある。

今回皇治は確かに体重も普段より2.5キロ下げているし、主戦場であるシルバーウルフジムから離脱していて十分な練習が行えていないかもしれない。

しかし、これが皇治の生き方なのだ。

逆境を逆手に取る

話題性のあるカードを組むためにありとあらゆことを利用し、リスクも構わず口先で出来得る限りの挑発を繰り返し、対戦相手を団体を世間までもをかき回して、自分がその中心に至る。

皇治軍団という親衛隊がいることもうなずける。
あの生き方は、不良少年たちの頭のような立ち位置に近いものがある。

体制に抗い、劣勢を糧にし、その中で自分の存在をアピールして、それによって自分たちの居場所を得る。

結果的に絶対不利というの今回の条件も、皇治にとってはプラスに働くだろう。
巷で言われているように、対戦に持ち込めただけで結果的に成功に近い。

皇治というブランドをRIZINという新たな場で、そしてK-1では基本的にネットでしか配信していなかったからフジテレビという地上波でのアピールにも成功している。

これではあとは1ラウンドしのぐだけでも十分に株が上がると言える。

那須川天心にとっては余計なプレッシャーがかかる、やりづらいことこの上ない状況と言える。
この辺りの戦略も見事としか言いようがない。
さすがは浪速の商人か?(笑

では果たして、皇治のスペックはいくらほどのものか?

格闘家としての皇治の力

率直に極真カラテを20年以上やってきて現役空手家である私の見立てとしては、以前Twitterの格闘技好きの方とお話しさせていただいた時に一言で表したものがある。

変に打たれ強い普通の人。

はっきり言って、格闘技センスはない。
パワーもスピードもない。
技もはっきり言って持っていない。

しかしとにかく異常なほどに打たれ強い。

しかしこれもまた、皇治にとってはプラスに働く。

彼にとっては鮮烈に勝つよりも、逆境の中根性で耐え忍び、その中で鎬を削って勝ち上がるほうが漢としてのロマンがあるのだ。
それは先ほど述べた不良少年の頭論が適用される。

そして事実として同体重としてはまず間違いなく最強クラスである武尊のパンチのフルスイングの連打にも耐え抜いたキャリアもある。

しかし気にかかるのは直近の2019年11月24日に神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり~』においてパンクラス所属の川原誠也の豪快なラッシュでダウンを奪われた経験だ。

ここではほとんどダウン寸前まで追い詰められているし、目の周りも骨折した疑いがあったようだ。
確かに超強敵ではあったようだが、果たして神童・那須川天心相手にその不死身ぶりで通用するのか――

それは神と皇帝、天才とゾンビ、閃きと覚悟のぶつかり合い

開始直後から那須川天心の猛攻と、皇治の亀

右ストレート、ハイキック、ミドルキック、膝蹴りのつるべ打ち。

それに、皇治は必至で耐えていた。ハイキックも一発かなり痛烈に貰い、ミドルもしっかり喰らった。
パンチも、亀になって出来得る限り耐えていたが、その半分以上は直撃されていたようだった。

しかし皇治は耐えた。

今回の試合、皇治はほとんど――いや、まったく手を出さなかった。

ここまで手を出さない皇治を私は観たことがない。
完全防御態勢。

武尊とやった時も、前回のパンクラスチャンピオンとの試合すら打ち合いに巻き込もうとして、その中でカウンターを食らいながらも男気を魅せようとしていた男が、徹していた。

倒れない。
技術では勝てない。
パワー、スピード、もちろん全てにおいて相手が上。

だから、徹する。

耐える。
ガードする、倒れない、カウンターを喰らわない。

それで試合を成立させて、そしてそのうえで漢気を魅せる――!

まさかの最終ラウンド、そして皇治(ゾンビ)は屈しなかった

2ラウンドから、那須川天心は明らかに考え始めた。

痛烈なダメージを与えながらも、倒せないこと察して様々な手を考え始めた。
そして距離を取り、ダメージを貰わないことを第一に、技を絞っていった。

皇治は貰いながらも、少しづつ距離を詰めていった。
効かない相手が距離を詰めてくると、確実にダメージを与えられる技は限られてくる。

そこで那須川天心はストレートと、そして膝蹴りに集中した。
それでも皇治は倒れない。
ボディに貰っても、全身を止めない。

途中3度ほど胴廻し回転蹴りも放ったが――手数を増やさない、前足重心で振ってこない相手の不意を突くことは難しい。

そして皇治はゾンビのようになりながらも、倒れなかった。
最後まで、前に出続けた。
最終ラウンドは那須川天心も呆気にとられていたような印象を受けた。

私は、そんな相手にも見事な戦術を見せつけた那須川天心にも感服したが、やはり最期まで自分のやり方を貫き通したその姿にも、感銘を受けた。

高レベルな、高次元なやり取りとはまた別の、これは見事な漢同士の覚悟とのぶつかり合いだった。

那須川天心の未来

那須川天心はFUJIYAMA FIGHT CLUBという番組で、キックボクシングの試合はあと10戦もしないと断言したと言う。

そして将来の夢は、UMCチャンピオンとキックボクシングルールで戦うことだと言う。

ボクシング世界王者と総合世界王者、その間となるルールはキックボクシングだから最高だと。
それを海外で派手にぶちかましたいと。

それがキックボクシングに対しての最高の恩返しだと。
それがやれたら僕はもう、死ねると。

これを自分に都合の良い夢だと断じる事はたやすい。

しかし現実として戦ったメイウェザーが、そのようなイベントを事実として執り行い、あまつさえそれを繰り返している。

そして那須川天心自身が、その世界を股にかけるスーパースターメイウェザーと、一度は拳を交えている。

現時点で彼にキックボクサーとしての敵がいない事は間違いない。

個人的にはやはり武尊、そしてロッタンとは再戦してほしいと思うが、それも大人の事情というか団体や利権が絡んで難しいと言うのならばそれは仕方のないことなのだろう。

繰り返しているが、格闘家だって人間、食うために、稼ぐために、そういう方向に行くのは仕方のないことなのだ。

そしてキックボクシングの世界で限界があるのならば、さらに広がりを見せるボクシングの世界に行くのはそれは自然なことなのだろう。

格闘家のピークは短い。

特に彼のような軽量級は、スピードが命だ。
特に那須川天心の場合はその神風のようなスピードで相手を圧倒している。

スピードが落ちれば凋落するのは目に見えている。
時間がないと言う感覚はあながち間違ってはいないだろう。

しかしやはり個人的には極真空手仕込みの胴廻し回転蹴りやその他の素晴らしい技をみすみす捨ててしまうのはもったいないと考えるのを止める事は難しい。

ボクシングに行くことが悪いと言っているのではないが、何か他にさらに第3第4の選択肢がないものか。

コロナ禍を超えた神童のいく末に注目だ。

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