新着記事

究極連打 長谷川穂積の引退試合 実写はじめの一歩デンプシーロール!

3階級制覇を賭けたウーゴ・ルイスとの戦い 長谷川穂積。 日本が誇る世界3階級チャ ...

アントニオ猪木vsモハメドアリ 世紀凡戦は13R究極ジャブが閃いた!

世界初の異種格闘技戦 アントニオ猪木VSモハメドアリ。 新日本プロレスの企画した ...

死に至る病―うつ病闘病記㉗「雇用保険と三カ月の待期期間とブラック企業」

 最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む_______________ ...

腸よ鼻よ 不治の病を扱うノンフィクノンストップギャグ日常漫画家マンガ!!

安倍首相で流行った潰瘍性大腸炎 私は潰瘍性大腸炎を患っている。 昨年首相である安 ...

記事ジャンル一覧

三十九話「喧嘩」

2020年10月7日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング

最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________

目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

本編

 何でもありの喧嘩において上着は、掴まれたり首を絞められたりと不利に働くことの方が多い。

 そのためあらかじめ脱いでおいた方がいいというのは、定説になっている。
 それにボクシングのファインティングポーズのようにしっかりと顔を包み込んだ両腕は、顔面へのパンチを警戒してのことだろう。
 体勢が低いのは、タックルなどで倒されないため。

 ――まったく、さすがに喧嘩をやり慣れてるだけある、と天寺は感心のため息を吐いた。

 対してこちらは、特にこれといった構えを取っていない。
 両手をだらりと下げ、中途半端に足を開いているのみ。

 というより、図りかねていた。

 実は天寺、喧嘩の経験はあまりなかったのだ。
 元来のんびりマイペースの彼は、人と衝突することが少ない。
 大島の時は理由があったからやったが、その際先手必勝と言ったのはそれ以外考えつかなかったからなのだ。

 その時はうまくいったからよかったが、今回はそうはいかないだろう。

 相手はしっかりと構えている上に、同じ煉仁会空手の道場生だ。
 こちらの技は知り尽くされている。

 対してこちらは、喧嘩の技などまるで知らない。
 空手では負ける気はしないし事実負けたこともないがこれはどうなるだろう……と天寺が考えていたところ。

 慎二はおもむろに、手近の机に手を伸ばし――





 筆箱を半開きにして、投げつけてきた。

「げ」

 思わず天寺は、声を上げた。

 半開きになった筆箱は空中で全開きになり、中身をぶちまける。
 消しゴム、分度器、定規から始まり、シャーペン、カッター、コンパスまで。
 ありとあらゆる危険なものが、様々な角度で天寺を襲う。

「――なろっ!」

 とっさに上着を脱いで、それを思い切り振り回す。

 その一振りで全体の七割は床に叩き落されたが、残り――よりにもよってカッター、コンパスが、天寺の体に飛来する。

「くっ――!」

 体を捻り、頭を下げる。

 カッターが二の腕を掠め、コンパスの針が頭の真上を通ったが、なんとかやり過ごした。
 ホッ、と息をついていると――

 上から、拳が降ってきた。

「!」

 慌てて両手で十字ブロックを作り、防ぐ。
 硬い感触。
 顔面へのパンチはほとんど未経験だったから、それゆえ過剰な恐怖が体を包むのを感じた。

 そしてその拳の上に、慎二のニヤけ顔が覗いていた。

「てめ、慎二!」

「お前を沈めるには、この拳で充分よ!」

 続いて左の拳が落ちてくる。天寺は固めたガードのまま、それを受けた。
 空手の組み手なら捌くなりカウンターをつくところなのだが、未だに顔面パンチありという状況に、体が慣れてくれなかった。

 いきなり、両手で後ろの襟を掴まれた。
 落としてきた両拳とも引かず、残していたのだろう。

 そのまま一気に、今度は体ごと上半身を引き下げられ――強烈な膝が、腹に食い込んだ。

 慎二はその手応えに、笑みを作った。
 周りの生徒が、息を呑む気配が伝わる。

 だが、天寺を襲ったのは痛みではなく、ある疑問だった。
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇