新着記事

黙想する大山倍達

: 空手および格闘技

黙想 稽古前後に行われるそこに秘められた、武道空手の深奥とは――

黙想 極真空手の稽古において、それを始める前に正座してまず初めに行われるものだ。 ...
白蓮会館世界王者北島悠悠

: 空手および格闘技

“白蓮世界王者”北島悠悠 南豪宏に次ぐ絶対王者として塚本徳臣とも激闘を繰り広げた必殺の飛び膝蹴り!

白蓮会館覇者 最強の侵略者である、白蓮会館、その初期を支えた絶対的な覇者であり、 ...
ロッキー・リンにアッパーを打ち込むリカルド・ロペス

: 空手および格闘技

ホワイトファング!リカルドロペス最強伝説 はじめの一歩越え衝撃アッパーが相手を場外まで吹き飛ばす!

史上最強リカルド・マルチネス 範馬刃牙でいう範馬勇次郎、ドラゴンボール超でいう破 ...
郭雲深の半歩崩拳

: 空手および格闘技

“半歩崩拳あまねく天下を打つ”郭雲深 郭海皇のモデル,史上最強の武術家 太氣至誠拳法澤井健一の師 王郷斎を弟子に持つ!

郭雲深 私の先生は実技のみではなく、空手のみではなく、様々なジャンルや、そして武 ...

記事ジャンル一覧

関連記事

  • ⅩⅩⅦ/王との問答①

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  王の前に揃う敵の数は、正確には13。 おあつらえ向きに、不吉な数が残ってやがる。 体力も限界に近く手傷も負った現在 ……

  • ⅩⅨ/決別①

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  スバルの言葉を抑え、ベトは歩み出た。  既に建物の周りには、人垣が出来ていた。 19人の仲間たちが勢ぞろいして、こ ……

  • ⅩⅩⅣ/処女検査④

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  フィマールは呆然と呟き、裁判席から下りてきた。  それにより聴衆の注目が集まる。 隣の二人の裁判官も身を乗り出して ……

  • ⅩⅧ/哀しい笑顔③

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  ほんの一秒の逡巡すら、なかった。 その僅かなやり取りに、ベトは説得の無意味を悟った。  目を、逸らす。 睨みあい― ……

二十一話「一方的な責め」

2021年11月7日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング
最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________


 体が、熱を持っていた。

 気づいた時には、掌も、小手も、肘も、脛も、左内膝も、左頬も、右太腿も、痛みという名の蒸気を吐き出していた。
 ひりひりして、自分の体じゃないみたい。

 心臓がちっとも落ち着かない。
 早鐘を打っているように、絶え間なく鼓動している。

 息が整わない。
 いくら吸っても、肺が貪欲に酸素を求め続ける。

 汗が零れる。
 次から次にぼたぼたと落ち、道場の床に染みを作り、それが水溜りになっていく。

 そこに、自分の顔が写っていた。

 酷い顔だった。
 髪はほつれ、目はギラつき、汗にまみれている。
 いつもの余裕がある涼しい自分は、どこにもいなかった。

 格好悪いなぁ、と笑った。

 でも、こういう自分も嫌いじゃないなぁ、とも思った。

 見ると、纏がこちらに向かって間合いを詰めてきていた。

 ――迎い撃たないと、な。

 そう思い、いつものように手をだらりと垂らし、前後にリズムを刻み、天寺司はにやりと笑った。




 纏の猛攻を、遥は呆けたように見つめていた。

 天寺の舞いとは、全然違う。
 荒々しく、猛々しく、ただ何かに憑かれているようにがむしゃらに相手に襲い掛かる。

 人があんな風に獣のようになれるなんて、考えたこともなかった。

 纏の攻撃を天寺が捌く、腕で止める、脛受けする。

 そんなこと、纏には関係ないようだった。

 捌かれて体が流されようが、振り返って逆の手で殴る。
 腕で止められようが、その上から骨をぶつける。
 脛受けされようが、それごと蹴り折る。

 そんな攻撃だった。

 そんな攻撃だからこそ、サポーター越しとは思えない骨が骨を打つ、聞いている方が耳を塞ぎたくなるような痛々しい音が、鼓膜を揺らした。

 それが、無尽蔵に行われている。
 休みなど一切ない。

 速さと力強さも、一切衰えない。
 その様はまるで人間ではなく、機械のようだった。

 既にその数は、10や20どころではない。
 100発近くは打っているのではないか?

 信じられない。

 人間がこれほど連続して動き続けられるものなのか?
 それも、人を痛めつけるというただそれだけの行為のために。

 天寺の体は、徐々に前のめりになっていた。
 一歩一歩、道場の隅に追い詰められていく。

 天寺はもう、捌いていなかった。
 腕を、アゴと胸の前で十字に組み、前足である左足の膝を上げて、ただただ纏の攻撃を凌ぎ続けていた。

 その上を纏が無造作に叩き、蹴り続ける。
 そんな闘い――いや、一方的な責めだった。

 遥は、自分の喉がからからに渇いていることに気付いた。
 額に、冷たい汗が浮いている。
 ハッ、ハッ、と喘ぎ声をあげている。
 あの天寺の姿はなんだ?
 あれは、あれはまるで――

 天寺の体が、いよいよ道場の壁に迫った。
 さらに纏の攻撃が、容赦なく天寺の体を押しのけていく。

 壁際まで、あと一歩。
 一際強い纏の右拳が、天寺の鳩尾めがけて放たれた。

 やられる……!
 遥が思った、その瞬間。

 今までずっと動かずに固まっていた天寺の体が、跳ねた。
 堅牢に組まれていた両手を開放して、突進したのだ。

 それは、ほんの紙一重のところで纏の拳を――躱し、そのまま纏の右の僅かな隙間を通り抜け、反転して、立ち位置を交換した。
 標的を失った纏の拳が空振りし、一瞬相手を見失う。

 にやり、と天寺が口の端を吊り上げた。
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇