”南米の星” アデミール・ダ・コスタ~極真史上最強の五人

2024年4月11日

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私は個人的に三段論法というものがあまり好きでは無い。

しかし最強、つまりどちらが強いということを決めるにあたって比較と言うのは避けては通れない。

さしあたって今回は三段論法を存分に使わせていただきたいと思っている。

群雄割拠、数見肇・フランシスコフィリオ・八巻建志を上回ったその力関係

まず、最強の一角に入れるかどうか最後まで悩んだのが八巻建弐である。

彼が城南支部に所属していたときの話を聞いたことがある。

曰く、あれは人間ではなく、一種のハリケーン。

近づいたものはことごとく巻き込まれ、木っ端微塵になってしまう。

彼は松井派の第6回世界大会で、世界王者に輝いている。その決勝で、数見肇に圧倒的な右フックと、強烈無比な右下段回し蹴りで完膚無きまでに効かせて、勝利している。

そしてその前の世界大会代表決定戦である第26回全日本大会でも、その決勝で両者は相まみえ、同じ結果に至っている。

松井派では永らく数見肇が最強と言うことで、看板として戦ってきた。

結論を言う。

数見では、八巻には勝てない。

そして数見は同時代、第6回世界大会準決勝で相まみえ、僅差ではあるが確実に足を効かしてその時は勝利したが、第7回世界大会の決勝では、お互いがお互いの技を警戒して、探り合いの末、最終延長でも決定的なダメージを与え合うことができず、試し割り判定で辛くも勝ちを拾ったと言う、まさにほとんど実力が拮抗している選手がいる。

松井派では史上最強の外国人と謳われた、K-1でも活躍したフランシスコフィリオである。

まずここで、図式が完成する。

数見肇、フランシスコフィリオはほとんど実力が同等であり、そして数見が勝てない八巻に、フィリオは勝つことができないだろう。

事実として第5回世界大会で両者は激突し、八巻が延長で押し切っている。

では八巻建弐は極真史上最強の一角に入るのか?

残念ながら、はっきりと実力負けした相手がいる。それも、本人が全盛期と認め、そして体重も110キロまで増やし、自他ともに認める最強だった時期である。

ちなみに八巻建弐は優勝した第21回全日本大会、その後の第4回世界大会の後、身内の不幸があり、長らく精神的にも肉体的にも正常は言い辛い時期が続いていた。実際痩せたり、まともじゃない戦闘スタイルに乱れたり、熱心なファンの方はご存じのことだろう。

戦国時代、三瓶啓二・中村誠・アンディフグ・マイケルトンプソンを上回ったその事実


ここで一旦話は変わる。
以前の第12回世界大会総括でも述べたが、極真史上最強の大会は第9回世界大会と、第4回世界大会であるとの見解を述べさせていただいている。

外国人最強と謳われた4人が出て、日本の危機が叫ばれていた。

第4回世界大会では、そのうちの3人までが、ヨーロッパの選手だった。

1人はK-1でチャンピオンになったことでも有名な、アンディフグ。彼は、実はこの時に初めて脚光を浴びた。それまでは伏兵と呼ばれ、ヨーロッパ大会でも第3位の男だった。

もう1人は、イギリスの黒豹と呼ばれたヨーロッパNo.2の男、マイケル・トンプソン。

ここでもう一度話の視点を変える。
極真最強論を語る上で欠かせないのが、第2回、第3回世界大会を連続優勝した、中村誠の存在がある。2連覇しているのだから、当然彼もその一角を占めるのではないかと思われる。

しかし、彼には致命的な攻略法がある。
受けが雑なのである。

前回史上最強のひとりに挙げさせていただいた塚越孝行と、二つ名は同じ重戦車でありながら、まさかの逆方向の戦いぶり。
その大きな腕を、両足を振り回して前に出て、その圧倒的な突進力で相手を木っ端微塵にできれば良いが、うまくいなされてしまうと、脇がガラガラの腹に――もし相手が強烈なパンチを持っていれば、簡単に打ち込まれてしまう。

同じくライバルとされた三瓶啓二が、その戦法を得意としていた。事実として、第11回以降の、12回、13回全日本大会では、それで決勝で敗れている。

そして第3回世界大会では、先程のヨーロッパNo.2の男、マイケル・トンプソンに、5回の延長を戦っている。最終的には確かに勝ちになったが、それはその時の裁判長である大山倍達の、正直身内びいきの判定上。

通常であれば2回の延長で決着がつかなければ、体重判定になり、そこで中村誠は破れているはずである。
この2人に勝てなかった時点で、残念ながら中村誠は最強から外れる。

さらにもう1人。
第14回全日本大会で、準々決勝戦で同じく第4回世界大会で出場している選手に、中村誠は判定で破れている。引き分けのせいではなく、力負けしているのである。

一応追記ではあるが、三瓶啓二は中村誠に勝つ時もあれば、うまく捌けなくて世界大会で敗れる時もあり、その戦いにムラがあること、技に幅がないこと、受けるゆえ怪我しやすい、大型選手を苦手とするなどで、やはり最強からは外させていただいている。

アデミール潰しと呼ばれた極悪トーナメント

そして事実通りの2つ名、ヨーロッパ最強の男と呼ばれた、ミッシェルウェーデル。

上中下、すべての場所への強力なと前蹴り廻し蹴りを用い、圧倒的な破壊力のパンチがありとあらゆる敵を粉砕する、まさにモンスターと称して構わない化け物。

優勝候補筆頭と呼ばれた、そんな男がいた。


そして、フィリオ、数見肇が勝つことができなかった松井派極真の最強である八巻健二。

そんな2人を――八巻建二を4回戦、ミッシェルウェーデルを5回戦で迎え、再延長2対0の末の体重判定、これはほとんど実力差といっても差し支えないだろう、そして再延長での4対0。文句なしの激闘の末、2人を退け、その時の世界大会のVTRで、誰もが彼の決勝進出を予想したと言わしめた男。

それこそがタイトルにもある、南米の星、アデミール・ダ・コスタである。

彼は前3人と違うところがある。

彼の最大の特長は、パワースピードテクニック全てが非常に高いレベルでバランスよく備えられている事、そしてなんといっても相手の技を吸収するかのように柔らかくいなし、そして殺すその体さばき及び間合いのコントロール術である。

第14回全日本大会では、世界大会に連覇したパワーをその華麗なステップで完全に躱し、そして彼の最大の特徴の1つであるブラジリアンキックを要所要所で当てて、完全にポイント勝ちした。

そして第3回、第4回世界大会。

序盤の試合は、彼の最大の武器の1つである下突きが火を吹く。対戦相手対戦相手が、全てその下突きによって腹を粉砕されて、のたうち回ることになった。後ろ回し蹴りも、後年はそれほど当たることがなかったが、相手を脅威に思わせるには充分すぎる。

そして第4回世界大会で最も変わったところの1つ。

先ほども述べた、ブラジリアンキックである。

ブラジリアンキックが猛威を振るう

アデミールダコスタは私の先生の愛弟子であり、私の先生が作ったブラジリアンキックを学んだ初期の生徒の1人である。
ちなみに余談だが、先生の前では誰もその蹴りをブラジリアンキックと呼んでいない。ちょっと身内だけの特別な呼び方があったりする(笑

それが2回戦3回戦、猛威を振るった。連続の、相手が失神するんじゃないかと言う強烈な1本勝ち。

日本、そしてヨーロッパ最強との激突

そして迎えた八巻建弐との決戦。


通常はその圧倒的なパワー、突進力で突破されてしまうところ、アデミールは先ほども言った柔らかい受け、そして間合いのコントロールで、そのパワーを完全に殺し、むしろ自分の攻撃を100%完全に当てていく。

もちろんさすが八巻健弐、それで倒れたりしない。しかし、完全に試合をコントロールしたアデミールは、その試合をものにする。

ヨーロッパ最強VS南米の星

誰もが語る、第4回世界大会ベストバウトになった。
序盤はミッシェルウェーデルの極真史上においても最強クラスのパンチにさらされ、そして猛烈なローキックをもらい、わずかにアデミールが押される展開。

しかし延長からは学習し、間合いをつぶし相手のパンチを加速させないようにして、そこからブラジリアンキックを足に叩き落とすと言う荒業の連続。

それ1本にしぼり、途中気合のためか相手の胸板に頭突きまでかまし、この史上最悪のアデミール潰し言われた連戦を制するすることになる。

さすがにそこでダメージを負いすぎて力尽きて、次のアンディフグ戦では彼特有のローキックをさばききれずに破れることになるが、それは誰がどう見ても致し方ないことであろう。

時の世界チャンピオンである松井章圭が、一番強いのはアデミール、どう攻略したらいいかわからないと述べている。

もし彼が先に述べた塚本徳臣、ウイリーウイリアムス、塚越孝行と戦ったとしても、その柔らかくバランスの取れた戦い方によって、自分の展開に持っていく可能性が高いと言わざるを得ない。

そして下突き、後ろ回し蹴りからの上下に散らすブラジリアンキックが火を吹くことだろう。

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