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”最強王者” ブアカーオ・ポー・プラムック~ムエタイ史上最強の四人

2020年9月25日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

わかりやすい強さ

この男を最初に書くことにしたのは、彼が1番強いだとか、凄いだとか、そういった意味合いではない。

これからあげる4人は、私が考える限りは、遜色がないのではないかというレベルであり、誰が上と言う事はないつもりである。

理由は、書きやすいからだ。

おそらくは日本での知名度という意味では、トップクラスなのではないだろうか。
K-1と言う社会現象が日本全土を尽くし、ゴールデンタイムのお茶の間を席巻した頃、彼は2度のチャンピオンに輝き、若い女性を中心とした人気を手にした。

しかしそういった知名度とは、また別の意味合いもある。

彼の強さが、いわゆる見た目にも分かりやすいと言うことだ。

私は考えていた。
なぜブアカーオは、他のムエタイ選手が得ることができなかった地位と名声を得ることができたのか?

そう考えた時、1つの回答が頭に浮かんできた。

倒されない超攻撃的スタイル

彼は、倒れなかった。

今までも、そして現在も、様々なムエタイの選手が、世界的にメジャーなキックボクシングと言う舞台に挑戦して、しかしその中で栄光を手にしているのは一部だ。

彼らが最も苦労するのは、苦戦するのが、そのルールの違いだ。

すでにこちらで述べているが、ムエタイは本場であるタイでは格闘技というよりもギャンブルとしての側面が強いので、勝ち負けやダウン、ノックアウトにはこだわらない。

むしろ早い段階で倒してしまっては、ギャンブルが成立せずに、プロモーターに叱られてしまうほどだ。

そういうわけで、鉄壁のディフェンスを誇るムエタイ選手たちも、接近戦での拳のやりとりはそれほど経験があるわけではない。

そうならないように肘打ちや首相撲を駆使して、まずクリーンヒット許す事は無い。

しかしK-1などを始めとした特殊ルール――肘打ちはもちろんのこと、首相撲さえ禁じられた舞台においては――さすがに奥の腕で顔全体を覆い前手を伸ばしたムエタイ独特の特殊ガードでも、捌ききることが難しい。
実際魔裟斗も、あのガードはアッパーに弱いとじっくり狙われたら弱点が露呈してしまう。あのガードは、常時しているようなものではない。

そして基本的には攻撃する方と守る方では、攻撃する方が有利ということが大きい。

ではブアカーオが違ったのは何か?


まず、対戦した皆が言っているように、左ミドルが異常に早かった。

強烈だったという印象は薄いらしい。それよりも速射砲のように、のべつまくなく打ちまくる。それにより間断をなくし、相手に付け入る隙をなくす。

もちろん当初使っていた、足の裏全体で相手を突き飛ばすような上段への前蹴りも実に有効だ。
それにより相手は重心を浮かされ、軸を崩され、受けに回る羽目になる。

強固過ぎるムエタイの下地と、ボクサーを凌ぐパンチのテクニック

そしてパンチの才能も大きいだろう。

ムエタイ出身で、あれだけパンチでなぎ倒している選手も、当時ではほとんど見受けられなかった。ハードパンチャーと知られるアヌワットーゲーオサムリットも強かったが基本的に大振りであり、ボクシング技術という点であれば個人的には及ばないと考えている。

それに、目が良かった。

肘がなくても、首相撲がなくても、相手のパンチを目で確実に把握して、紙一重で躱すテクニックが並外れ、神懸っていた。

そしてなにより、ムエタイ戦士としての地力が桁外れとだった。

後年、当人がメインだったり主催したムエタイの大会に於いて、何人もの強豪ヨーロッパ選手などを、肘打ちで葬っている。そもそもK-1の最初の出場でも、首相撲からの膝蹴りで皆何もさせられずにリングに沈められていた。

ブアカーオの強さは、秘めたるその類まれなるボクシングセンスと、ネオ・ムエタイと言っても差し支えない日本独自のキックボクシングルールに完全対応した高速左ミドルキックや突き飛ばす上段前蹴り、相手を転ばせるローキックなどの技術に加えて、確かなムエタイとしての下地が融合した、まさに時代が生んだ最強王者だったのだろう。
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