”碧眼の王女” ローマミクサイト 18才で心技体備え欧州に世界大会を制圧したその威光!

2024年4月9日

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極真空手女子大会の歴史

第6回世界大会に同時開催となった世界女子公開競技から始まったと言えるかもしれない、極真空手女子大会の歴史。

最初は実験的にというか、両手両足にサポーターをつけて、さらにはヘッドギアをつけて行われたが、そこからヘッドギア、そして両拳のサポーターをはずしてのより実践的な戦いへと移行していく。

そしてその重量級の部で、"女帝"ヴェロニカ・ソゾベドス、そのあまりにも完璧にして絶対無敵の力により大会を連覇、完全制覇を成し遂げるのだが、彼女が台頭する第二回体重別の世界大会であるカラテワールドカップ、その4年前に行われた記念すべき第一回大会。

世界女子公開競技では優勝した米沢知佐を始めとして日本人選手がベスト4を独占し、さらには第1回全日本女子の重量級では同じく米沢知佐が優勝しさらに準優勝、第一回ワールドカップ開催の前月に行われた第2回全日本女子ではフルコンタクト部門4位までの入賞者全てを日本人が占めていた。

その重量級の日本代表は、世界女子公開競技及び第1回全日本女子重量級優勝の米沢知佐、第二回全日本女子フルコンタクト部門優勝の野口歩、第一回全日本女子重量級準優勝の林須美礼と、まさに盤石とも言える体制で迎えたと言えるかもしれない。

しかしその第一回空手ワールドカップ、主役というか、旋風を巻き起こしたというか、席巻してしまったのは、残念ながら日本勢ではなかった。

本大会ではヘッドギアを外しているが、両手両足のサポーターをつけていた。

そんな中、身長170センチ、体重65キロという日本人で最も恵まれた体格を誇り、第二回全日本女子優勝、さらには最新の、現時点での女子最強である野口歩が、初戦。

リトアニアのオナ・ジョマイテと対戦し、中段廻し蹴りで攻め立てるが通用せず、逆に下突きのラッシュを食らい腹を効かされ、ほとんど良いところなく敗れてしまうと言う非常事態に陥ってしまう。

自分から見てもジョナマイテのパワー、そしてパンチの打ち方は男子顔負けなところがあり、これはすごい選手、このまま優勝するかと思わせる地力があるようだった。

事実として準決勝では世界女子公開競技優勝、第一回全日本女子優勝の絶対王者、米沢知佐とあたり、間合いを詰める素早さ、的確にして強烈無比の下突き、左のへ胸の突きでほとんど一方的とも言える勝利を収めてしまった。

しかし、本名は反対ブロックにいた。

恐るべき、そんな言葉では足りないほどの、逸材が。

それこそが今回紹介させていただきたい、リトアニアのローマ・ミクサイトだ。

強豪国リトアニア

リトアニアは極真空手の世界でも大変な強豪国と知られ、あらゆる国際大会で上位進出を果たしており、その力の高さは女子の世界でも猛威を振るうと言うことを証明したと言える。

そしてまず驚くべきは、その彼女の身体データであると言えるだろ。

わずか18歳、さらには段位というか、緑帯の四級。

そして身長176センチ、体重76キロ。

日本人代表のデータが、米沢知佐が25歳159センチ65キロ初段、野口歩が17歳170センチ65キロ初段、林須美礼が23歳168センチ62キロ一級と言うところから、その異質さが浮き彫りになると言えるだろう。

そしてその戦い、2回戦で当たったオーストラリアのジャネット・トゥバコバクス。

体格的にはそこまで差があるとも言えない相手に、開始と同時に相手の上段蹴りをさばきながら間合いに入り、下段廻し蹴りと下突きを連打。

女子の、サポーターをつけている状態で、ここまで強烈に相手に効かせる下段廻し蹴りを放つ選手がいるのか…。

さらに下段廻し蹴り、相手の体がくの字に曲がる。

わ、技アリ、だと…!?

さらに最後には上段回し蹴りさえ顔に当てて、貫禄さえ感じさせる勝利。

さらにその経歴を見て、背筋が凍る思いをした。

96ヨーロッパ大会準優勝。

96ハンガリーカップ準優勝。

97リトアニア大会準優勝。

97ヨーロッパ大会優勝。

若干18歳の女の子の戦歴とは思えない。

さらにそのインタビューを見て気づく。

よく外人のことを青い目の、と言う言い回しをすることがあるが、実際のところそこまで青いわけではないが、彼女の瞳は、その向こう側まで見えてしまいそうなほどの、透き通ったサファイアブルーだった。

そしてその発言。

特に得意としている技は無いわね。

状況によってすべての技が武器になるわ。

…まぁそりゃそうなんだろうけど、だけどまぁやりやすいとか打ちやすいとか効きやすいとか、普通そういうのあると思うけど…。

18歳…これでか…。

そして準決勝。

第1回全日本女子準優勝の林須美礼。

日本女子を粉砕

前蹴りをもらいながら、パンチが届く、足の長さと手の長さが同等と言う、恐るべきリーチ差!

さらには押し込んで押し込んで、蹴りも打ってからの、そこから変化する上段廻し蹴り。

正拳突きからの膝蹴り、そこから奥足へ下段廻し蹴り、強烈無比の下突き、さらに前蹴り一発で吹き飛ばし、ひっくり返し、場外へたたき出す。

…おいおいマジかよ、何でもできるし、何やってもすごいんだけど。

正拳突きと下突きで追い込んで追い込んで、腹を効かせての左上段回し蹴りでのけぞらせて、重厚にして華麗なる組み手。

試合の後に、5歳も年上の林須美礼の肩を叩くその貫禄よ。

決勝は、ほぼ同じ体格、さらには同じリトアニア出身の、あの巧みな間合いの詰めかたと圧倒的なパンチ力を見せつけた、ジョマナイテとの戦い。

開始と同時に接近戦、お互い強烈な下突き、そして胸への正拳突きを見せる。

しかしミクサイトは止まらず、まるでロボットのように突きを放ち続け、その間に男子顔負けのものすごい下段廻し蹴りを挟む。

さらにはジョナマイテの突きに膝蹴りをカウンターでぶちこみ、左中段廻し蹴りを叩き込み、パンチも胸への正拳突き、脇腹への鉤突き、どてっ腹への下突きと打ち分ける。

さらに離れれば前蹴り、上段回し蹴りを飛ばし、正しく付け入る隙がない。

全試合、完全完璧なる圧勝。

この大会、正しくローマミクサイトのための大会、彼女の強さを際立たせるための大会と言っても過言ではなかったかもしれない。

試合終了後もそれほど感動した様子はなく、笑顔で仲間と立ち会い、そしてカメラが向かっているというのにチークキス。

18歳らしく天真爛漫に笑い、今の気持ちと言う質問に、アイムベリーベリーハッピー。

とても疲れたけど、それ以上に嬉しい。

そして最後に日本語でありがとう、と言い残し、仲間たちと抱き合い、その喜びを分かち合う。

つーかその相手も決勝で戦ったジョマナイテなのだから、まさしく彼女たちにとっては、完全完璧なる勝利と、世界制圧と言えるかもしれないだろう。

正しく若干18歳の王女として、その美しい青い瞳の輝きとともに、世界にその威光を示した戦いだったと例えることができるかもしれない。

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