堺貞夫vs桑島保浩 25kg差を跳ね返し山崎照朝の捌き、円の動き、鉄拳での見事な戦い!

2024年4月9日

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堺貞夫

身長わずかに157センチ体重60キロと言うそれにもかかわらず、小よく大を制す、その武道の1つの到達点を、その身で体現した数少ない武道家の1人だ。

身長体重が、その差がもろに反映されてしまう、直接打撃の、顔面攻撃は蹴りのみと言うルールの中、しかし彼は自ら鍛え上げたその拳と蹴り、それによって、ダメージを与えることによる、まさに斬るか斬られるかと言う極限の勝負を展開していた。

彼の戦いはそれほど多くはなく、そのほとんどが記録にも記憶にも残る鮮烈なものがほとんどだが、その中でも特筆すべき1つとして今回挙げさせていただきたいのが、第17回全日本大会3回戦にて繰り広げられた、対桑島保浩戦である。

桑島保浩は、極真カラテの中でも強豪中の強豪として知られ、第16回全日本大会でベスト16、第18回全日本大会でベスト8、さらにその後に行われた第20回全日本大会では優勝を果たしており、翌年の第21回全日本大会では3位に甘んじたものの、その時行われた"城西の爆撃機"増田章との激闘は、これぞ極真精神を体現した試合として広く知れ渡っていると言う。

さらにはあの最高クラスの大会として知られる第4回世界大会の出場しており、そこでは5回戦であの"スイスの英雄"アンディフグと対戦し、延長にて下段回し蹴りでの1本負けを喫したものの、その直前まで強烈な下突きでむしろ追い込んでいたのは桑島保浩であり、さらには全日本大会で勝利するときは下段回し蹴りが多いと言うことから、そのラッシュ力、ローキックの破壊力には、非常に高い定評があると言える。

身長は172センチ、体重が85キロ、筋骨隆々とし、堺貞夫との身長差は15センチ、体重さは25キロにも及ぶ。

普通で考えるならば、まず勝負にもならないと思えるほどの差だろう。

果たして世界王者に輝いた城南の八卷建志曰く、命を賭けて上がっていたと言う試合上、そこで彼は、どのような覚悟を見せたのか。

試合開始と同時に、両者は両極端な構えをとる。

第20回全日本王者桑島保浩

桑島保浩はオーソドックスなアップライトの双手の構え。

対する堺貞夫は、後屈立ちにも近い、後方にどっしりと重心を落とし、両の掌をずらして前に差し出す前羽に近い構え。

序盤は一気に桑島保浩がその体力差を生かして中段廻し蹴りの連打で前に出て行く。

堺貞夫はそれに対して足を入れ替え、構えをスイッチしながら前足によるローキックで、相手の気勢を削いでいく。

そして一瞬の虚をつき、飛び込んでの鉄拳による下突きの敢行。

その展開が続き、打開しようと桑島保浩が後ろ蹴りを放つが、それもしっかりとした下地のある構えによる円運動により無効化される。

そしてその大技の隙を突いての、飛び込んでの下突き。

徐々に桑島保浩の動きが鈍くなっていく。

大技を放てばカウンターの下突きでダメージを受けて、大技でちらそうとしても下段回し蹴りで機先を制せられる。

直線的な桑島保浩に対して、堺貞夫はどこまでも果てがない通無碍な円運動を展開していく。

そして攻撃はどこまでも、懐に飛び込んでの、もし正直な堂々とした鉄拳による下突き。

桑島保浩も一気にたたみかけようとせず、相手が最大脅威であることを認め、まるで全日本の決勝のような様相を帯びていく。

そんな中、脛受けによるバランスを崩さざるを得ない下段回し蹴りに勝機を見出し、その隙のなさに使い勝手の良さを見出し、桑島保浩はそれでたたみかけていく。

そこから戦いは、下段回し蹴り対下突きのせめぎ合いに絞られていく。

相手の攻撃をくるくると交わしながら、かわす動きがそのまま振りかぶりとタメとねじれになり、そこから渾身の下突きへとつなげていく。

奇しくも山崎照朝が提唱していた、受け拳の、捌きの、その理念にまさにかなったものだった。

桑島保浩の下段は炸裂せずに、堺貞夫の鉄拳はすべてその急所を見事に捉えていた。

延長に入るとパンチに加えて、さらにシャープな前蹴りまで交えて行く。

それに桑島保浩も膝蹴りで答えようとするが、やはり円の動きでそれは華麗に捌かれてしまう。

しかしさすがは桑島保浩も後の全日本チャンピオン、徐々にその間隙をつき、下段廻し蹴りを当てて、パンチを少しずつ当てて、その体勢を盛り返そうとする。

体格差を越えた鉄拳

そこへ一瞬の左上段廻し蹴り。

相手があっけにとられたところに、左右の正拳突きの五連打。

桑島保浩の膝蹴り、前蹴り、ローキックの反撃。

再延長、今度は一変してお互いローキックの蹴り合いとなる。

しかしさすがにそれは桑島保浩に分があるようで、2度、堺貞夫は場外に叩き出される。

しかしそこで左下突きのに連打、右の前蹴りの2連打、さらに下突きの4連打に加えて、そこで桑島保浩の動きが止まる。

さらに正拳突き、前蹴りのカウンターを加えて、二発目の前蹴りのカウンターで、桑島保浩がよろめいた。

効いた。

再延長終了、判定となり、旗は日本堺貞夫に上がり、そして主審も含めて3本の旗を持って、堺貞夫は体重25キロ、身長17センチの差を跳ね返しての勝利をつかんだ。

壱発ではなく、本線ではなく、勢いではなく、再延長にて、着実に積み重ねて、ダメージによって、勝利をつかんだと言う、まさに武道的な勝利。

本人たちでしか分かり得ないかもしれない、駆け引き、技の選択、そういったものが無数に張り巡らされた、まさに将棋のような一手一手の打ち合い。

そして何よりそれだけの身長差がありながら、しのぐのではなく、自ら危険なところに飛び込み、堂々とした空手の空手家の命とも言えるその正拳突きで、鉄拳を持って、相手を制した、正しく小よく大を制した堂々たる戦いと言えるだろう。

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