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具志堅用高が魅せた鮮烈なクロスカウンター!防衛3戦vsモンシャム・マハチャイ戦

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

“カンムリワシ"具志堅用高

日本ボクシング界に燦然と輝く偉大なるチャンピオン。

元WBA世界ライトフライ級王者にして、世界王座防衛13度、これは日本人男子世界王者の最多記録であり、まさしく故郷である沖縄を越えて、日本の誇りとも言える名ボクサーである。

引退後は解説とともにタレント活動にも力を入れており、惚けた言動と「ちょっちゅねぇ」と言うキラーフレーズとともに、お茶の間でも大変な人気を博している。

様々な功績が認められ、2014年に国際ボクシング名誉の殿堂オールドタイマー部門に選出されたりもしている。

しかしそんな彼だが、実際彼がどんな風に強く、どんな試合を繰り広げてきたか、ぱっと思い浮かぶ人はもしかしたら少ないのかもしれない。

実は私も具志堅用高の特集などで、その猛烈なアッパーなどで対戦相手をリングの外に弾き飛ばすシーンなどを目の当たりにしてはきていたのだが、実際のところ彼のその強みは、スタイル、その本質を捉えてはいなかったように思われる。

そこで今回、彼の試合を、その本質を、今まで磨いてきたその感覚で、解き明かしていきたいと考えている。

今回取り上げさせていただくのは、WBA世界ライトフライ級3度目の防衛戦である、タイのモンシャム・マハチャイを相手にした戦いだ。

屈強なるムエタイ戦士

タイ国の選手は幼少の頃よりムエタイによって腕の3倍の力を持つ足の形を普段から受けているので、そこからタイでは国際式と呼ばれるボクシングに転校しても、そこまでで培ったタフネスで勝ち上がる選手が多いと言う。

事実としてその時点で、モンシャム・マハチャイにはダウンの経験こそあるけれど、ノックアウトの経験がないと言うことだった。

さらにら、世界ジュニアフライ10位、25戦23勝13K.O2敗と、11戦11勝6K.Oだった具志堅用高の2.5倍もの成績を持ち、勝率、そしてKO率ともに素晴らしいものがあった。

さらにそれまでの具志堅用高は防衛戦を全て15ラウンドの、それも2対1とスプリットの判定勝ちで勝利しており、おそらくは決して楽な下馬評と言うわけではなかったのではないか。

モンシャムというのは、魅力たっぷりのタイ、という意味のリングネームという話だ。

もしかしたらタイという国そのものを背負って戦っていたのかもしれない。

お互いサウスポーで、ジャブ、そしてフックを中心に組み立てる。

3ラウンドの序盤までお互い様子を見る感じで、むしろモンシャムが具志堅用高の攻撃を避けまくって、空振りさせまくり、モンシャムペースではないかと言う雰囲気が流れだした

1分過ぎ

突然の右ボディからのフック、そこからの左右のフックが、モンシャムの顎を的確に捉える。

膝が落ちる。

効いた。

そこからガードを固めたモンシャムに対して、具志堅用高はボディーに狙いを定め、左右のアッパーをボディーに集中させる。

そこからジャブ、フック、そしてアッパーを的確に顔面に集めだす。

終了間際ボディーからワンツーを綺麗に決めて、ラウンドを終える。

4ラウンド、振り回してくるモンシャムの攻撃をさばきながら、今度は徹底してボディーへの攻撃。

モンシャム・マハチャイも効かされながらも、下がらない。

まだ若干23歳ながらも、この試合で引退するかもしれない、そんなことを語っており、さらにはこの試合はタイ放送局の関係者が訪れており、衛星中継でタイ本国にも流れており、それだけ絶対に負けられないと言う覚悟が秘められていた。

それに対しても具志堅用高は、ボディーから顔面への連続のアッパー、ボディーアッパーからの左のストレートと、見事なまでのしびれるほどが的確な打ち分けを見せる。

そして2分を回った、ちょうどその時。

完璧なる伏線からのクロス

鋭い前の手を使った右ストレートが、モンシャムの顎をとらえる。

腰が落ちる。

さらに連打からの、左ストレートが直撃!

顎にまっすぐの3連打、それでも食らいつこうとモンシャムが前に出た、その瞬間だった。

具志堅用高が振り払うような右のジャブを放ち、それを交わしてモンシャムが前に出て、応えるかのような右のジャブを出した、その刹那。

そこにまるで影のようにかぶせ、ジャブにより充分にタメを作ったその左ストレートが、鮮やかなクロスを描き、モンシャムの右腕のその真上を通過して、その顎を完璧な形で、貫いた。

見事だった。

そのシーンを見た瞬間、私は背筋が震えた。

ぼんやりとなんとなく見ていただけではわからないかもしれないが、ここに至るまでの間その流れが、まさしく美しい一本の線のように私の目には映っていた。

序盤はジャブ、そしてフックで相手にその起動を覚えさせ、そこから急にボディーに集中させて意識を下に下ろしてからの、フックで顔面にダメージを与えて、さらにアッパーを見せたところに、横の、そして縦の動きに意識を向かわせたところで、ジャブ、そしてストレートとまっすぐに移行して、相手に無防備なジャブを誘発させ、そこにかぶせてのクロスカウンター。

そのあまり威力により、左の拳を痛めたと言うほどだ。

正直この試合を見るまでは、具志堅用高はもっと大雑把な選手なのかと考えていた。

だけど違った。

それどころか、この試合に関しての組み立て方は、まさしくまるで精密機械のようだった。

事実としてガッツ石松の勉強になると唸るほど。

金平会長も100年に1人の選手がいて20回防衛してほしいと言っているので、あながち間違っていなかったというのが恐ろしいといえる。

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