“伏兵”ハグアンディ 無名のスイス王者がヨーロッパ制覇し世界を駆け上っていく奇跡!

2024年4月9日

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スイス大会から第3回世界大会

極真空手家の伏兵ハグ・アンディ

言わずと知れた極真空手とK-1、その2つで功績を残し、その名を世間に広く知らしめた偉大なる空手家と言えるだろう。

私は以前その彼の組み手の特徴、その変遷、そして功績についてそれに特化した概要を述べさせていただいた。

しかしながら彼のその詳細な歴史、戦いぶり、それについてはほとんどノータッチと言って構わないような内容だった。

そこで今回は、主に空手時代における彼の激闘譜、そこにSpotlightを当てて話を進めさせていただきたいと思う。

アンディフグはスイスに生まれ、幼少の頃より友人の誘いによって極真空手をはじめ、わずか17歳でスイスのチャンピオンになったと言う。

さらには1983年に行われた、イブツ大山カップにも出場し、左上段廻し蹴りにてわずか30秒で1本勝ちを奪い取るなどの活躍を見せて中量級の部で優勝を果たしている。

さらにはスイス大会2連覇という実績も引っ提げ、そして1984年に開催された、第3回全世界空手道選手権大会に出場するために来日。

この時はハグ・アンディーと紹介され、身長178センチ86キロ、茶帯の一級での世界の大舞台での活躍だった。

1回戦、ラッキー・ペイジ選手を相手に、ヒゲを蓄えて19歳とは思えない貫禄を持って、飛び込んでくる相手に、左の踵落とし!

第4回世界大会での衝撃と言っているが、実際のところ最初のお披露目はここがはじめてではないだろうか。

その後も後ろ回し蹴りなどを交えながらの、強烈な胸へのパンチとローキックのコンビネーション、それにペイジ選手は効いてしまい、顔をしかめる。

ゴリゴリのガチンコスタイル。

時折上段を牽制気味に放つ以外は、ほとんど胸へのパンチとローキックオンリー、それに優勢勝ちし、3回戦で今度は一転して左上段廻し蹴り3連発。

かと思えば相手と噛み合っているのか胸へのパンチとローキックの合戦となり、より激しいガチンコ勝負を今度は腹へのパンチで制して、

4回戦はイギリスの、1回戦から3回戦まではすべて1本勝ち、それも極真史上最速と言われている4秒でのそれも含めての、恐怖の1本勝ち男と言われていた、グレン・シャープ。

グレン・シャープは開始と同時に全身をバネのように使い、思い切った廻し蹴りと突きで飛び込んでくる。

並の相手ならばこれで潰されてしまうのもうなずけると言う話だろう。

グレンシャープは脇を完全に開けた、三瓶啓二が唯一していることを見たことがあるような、壮大な構えでアンディフグと相対する。

そこから一気に強烈な大きく飛び込んで、パンチの連打。

これはさすがにやりにくかろうと容易に想像できる。

しかしアンディフグもそのプレッシャーに負けず、下がることなく逆にグレイシャープを場外に下げる。

そしてパンチをもらいながらも、ものすごい後ろ回し蹴りを顎から首筋にもらって上半身を吹き飛ばされながらも、下がらず前に出て、ローキックをぶちかましていく。

壮絶な戦い。

グレンシャープの下突きで応戦して、アンディフグはローキックで応える。

その戦いは延長の末にアンディフグが粘り強く勝利したと言うから、その地力が証明されたと言える一線だろう。

そして5回戦でぶつかったのは、その大会で3位、そして次の世界大会で優勝を果たす、"風雲児"松井章圭。

この試合、アンディフグは実にやりにくそうな雰囲気を醸し出していた。

上段蹴りを出せば合わせられ、接近戦になればバランスを崩され、もたついていたら下突きで攻め込まれ、隙を見せれば高速の上段後ろ回し蹴りが飛んでくる。

とにかくすべての攻撃に対してカウンターが来て、さらに常に自分の軸がぶらされ、自分のペースにできない。

そして得意のパンチもローキックも、全然当たらない。

逆にローキックで足を効かされる場面も見受けられ、しかしそれでも前に出続け、ガードを放棄してひたすらにパンチとローキックを放ち続ける。

その闘志溢れる戦いは、見るものに熱いものを覚えさせたことだろう。

イブツ大山カップ、ヨーロッパ大会の活躍

その後アンディフグは1985年のヨーロッパ大会に出場。

巨漢のアルトゥールレンダ選手を相手に戦い、豪快なカカト落としからの下段回し蹴りと言うコンビネーションが見られ、自分よりも背が高い相手も圧倒、パンチの数が減ったのは多少気になるところだが、明らかに勢いよりもダメージ重視の組合に移行している。

まさに鉈で叩き割るような下段。

そして衝撃は最後に来た。

このまま下段で押し切るかと思えた、その直後。

胸へのパンチからの下段で相手を押し込んで、その反動から帰ってきたところに内回しから同じ起動を描いてのかかと落としが、相手の顔面を完全にとらえる。

相手はバウンドして、マットに叩きつけられる。

衝撃映像。

ここまでの見事なまでな踵落としでの本勝ちなど、そうそう見られるものではないだろう。

そのままその大会を優勝し、さらには第二回イブツ大山カップ重量級を制し、2階級制覇を達成。

さらに1987年に行われたヨーロッパ大会重量級の部準決勝で、"イギリスの黒豹"マイケル・トンプソンと激突。

軽やかなステップワークを刻むマイケル・トンプソンと、ベタ足で追いかけるアンディフグ。

下段回し蹴りを狙うアンディフグと、後ろ回し蹴りを狙うマイケル・トンプソンといったところだろうか。

中間距離ではマイケルトンプソンの前蹴り、後ろ蹴りがきらめき、接近戦ではアンディフグの左のローキックが輝くと言う展開。

体重判定までもつれ、その結果惜しくもアンディフグはヨーロッパ大会3位と言う結果になった。

そして迎えた、第4回世界大会。

第4回世界大会での躍進

第3回戦、いきなり左上段回し蹴りを当て、かかと落としを見せて会場を沸かせる。

第3回大会とは違い、かなり重心がまっすぐとなった、蹴りが出しやすいスタイル。

そこから反動をつけて思いっきりパンチを打ち込む、そして右の下段炸裂。

たった二発、派手な音が会場に響き渡る。

さらに下段回し蹴りを連打、明らかに、第3回大会とは違うスタイルを確立している。

4回戦では日本の、"闘将"と異名を取る木元正資との戦い。

その異名通りにどんどんガンガン前に出てパンチを叩き込んでくる木元正資に対して、アンディフグはかかと落としに加えて前蹴りでその突進を阻もうとする。

しかし止め切れないことを悟ったアンディフグは、スタイルを3回世界大会のものに戻し、前傾姿勢でパンチからローキックで反撃していく。

木元正資のパンチさばきながらの、回り込んでの左のローキックがどんどん決まっていく。

延長戦、木元正資は超接近戦からの胸元へのパンチを連打。

アンディフグはそれに戸惑い、うまく攻撃を放てず、試合は再延長にもつれ込む。

するとそこで入り鼻に放たれたローキックで、ついに木元正資の体勢が崩れ始める。

動きが止まる。

振り切る形で、アンディフグは5回戦に進出。

相対するは、この翌年の第20回全日本大会で王者となる、桑島保浩。

開始と同時に桑島保浩が飛び出していき、左右のローキックを連発。

それに対してアンディフグはかかと落としを出すタイミングを計りかねているようだった。

一転して下段廻し蹴りを脛受けで捌いて、それにより距離をとってからの攻撃に移行する。

ローキックが、じわりじわり桑島保浩の足を蝕んでいく。

しかし桑島康弘もさすがに意地を見せてローキックをさばきながら今度はパンチの連打に移行する。

ハイレベルのやりとり。

五分に盛り返し、かかと落としも完全に見切り、むしろ接近戦では完全に優勢を桑島保浩が取り、これはわからないなぁと思われていたその直後、アンディフグの二発の下段回し蹴りで、桑島保浩は完全に動けなくなってしまった。

これは話によると手術後の傷あとにもらったという話もあるが、それも含めて、勝負の機微、それを表した戦いと言えるだろう。

準々決勝の相手は、極真史上最強の一角、"南米の星"アデミール・ダ・コスタ。

序盤から後ろ回し蹴りで牽制し、相手の下段回し蹴りも丁寧にさばき、そして回り込みながら、その前の2試合、"超巨大戦艦"八卷建志、"ヨーロッパ最強の男"ミッシェル・ウェーデルを相手に痛め付けられた足を狙い、的確で鋭いローキックを当てていく。

そして最後は左のかかと落としからの、体を上向かせておいての右下段回し蹴りでフィニッシュ。

非常にクレバーで、冷静な試合運び。

あの"超巨大戦艦"八卷建志、"ヨーロッパ最強の男"ミッシェルエーデルを破った、アデミールダコスタを1本勝ち。

この瞬間、アンディフグは一気に、前評判では話題にすら上がらなかったという伏兵から、海外勢最大の脅威となった。

世界が、スイスのアンディフグと言う、恐るべき極真空手家の、その名前を知った、その瞬間と言えるかもしれない。

テレビの放送でも、アンディフグ、もはや伏兵ではない、強靭なバネ、冴え渡る技、冷静な判断力、力量はそこしれないと語っていた――

そこから、アンディフグの激動の歴史が刻まれていくことになる。

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