身長2mの巨人!ハシムマホメッド、アンドレフィッシュ、フレデリックオルソン 規格外の体格から繰り出す戦い!

2024年4月9日

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身長2メートル越えの巨人

こう聞くとある意味では聞き慣れたような言葉のようだが実際のところ2メートルを超える人間と言うのはなかなかいない。

その巨体で有名なアメリカのウィリーウィリアムス、南アフリカのケニーウーテンボガードも、当初2メートル越えと言う触れ込みで売り出されていたが、それはおそらくは映画の宣伝効果も加味しても表現で、実際のところ196センチ前後というのが本当らしい。

その後幾度も巨体の選手は現れたが、ヨーロッパ最強の男ミッシェルウェーデルも197センチで、白鯨ジャンリヴィエールも188センチ、バルトの魔人と呼ばれたドナタス・イムブラスも196センチだ。

k-1やPRIDEで活躍していた有力選手たちも、ほとんどが190センチ前後と言うのが相場となっている。

しかし長い極真の歴史の中で、本当に2メートルの大台を超え、その活躍を期待され、しかし結果を残すことなく去っていった選手たちというのがいる。

2メートル越え、そして華々しい紹介、実際のところミーハーな私はそのたびに胸踊らせ、敗れ去ってもなおその時の興奮を忘れることができない。

そんなわけで今回はそんな彼らにスポットライトを当てたいと思う。

はじめに紹介するのは、ハシム・マホメッド

スーダンのハシム・マホメッド

スーザン出身の彼は、本部道場で修行を重ね、研鑽し、そして第13回全日本選手権大会に挑んだ。

身長2メートル1センチ、体重103キロ、そのあまりに恵まれた体格のため、当時熊殺しとして世間を馳せていたウイリーウイリアムスを超える逸材として騒がれていたようだ。

そんな彼は初戦を清水雅文選手を相手に、わずか開始14秒左上段廻し蹴りで1本勝ちを奪い、会場を大いに沸かせることになる。

2回戦を延長で退けて迎えた3回戦、相手は闘将の異名を持つ木元正資。

身長30センチの差をものともせず前に出る、そこへ帯の下あたりに膝蹴りが決まり技り――正直これは金的蹴りに見える(笑

さらに中に入ってくるところに、顔面パンチの連続。

これに木元選手の下顎が骨折、歯も3本折れたために、ドクターストップで次戦に進むと言う…いや今考えるとマジありえない判定ですね(笑

そして4回戦で対戦した前田政利選手に、接近して正拳突きの連打を食ったところで苛立ったのか、わかりやすく投げを放ち、そこから試合が大いに荒れ、つかみまくるし、やめと言われても聞かないし、審判を蹴飛ばすし、顔面を殴るし踏みつけるし、もうめちゃくちゃ。

その反則が減点となり、ここでハシムは破れることになった。

その後はプロレスに行って猪木に挑戦しようとしたり、士道館に行ったり、さらに芦原会館移籍を経て、アラビア空手を主催しているとの話もある。

当時の大山総裁の書籍で、神仏は尊ぶべし、しかし頼るべからずと言う話の一説で、1日6時間もお祈りし、稽古時間は2時間、祈りと稽古の時間を入れ替えれば世界一になれるものを…と語っている話があるが、これはどうやらハシムマホメットについて語っていたようです。

続いて紹介するのが、極真大山派として開催された第7回世界大会に出場した、オランダのアンドレ・フィッシュ。

オランダのアンドレ・フィッシュ

身長は驚きの2メートル4センチ!

自分が知る限りでも超巨体と言っても差し支えないのではないだろうか?

対戦相手にまるで中段のノリで上段回し蹴りを連発し、接近したところに膝蹴りで一撃必殺。

その圧倒的な戦いぶりに胸沸かせたものだ。

しかし次の戦いで当たった、デンマークのブライアン・ヤコブセンの後ろ蹴りを膝で受けてしまい、それでおそらくは痛めてしまい、その後の下段回し蹴りで止めを刺されて、そこで試合を終えてしまった。

この試合の台風の目と呼ばれた男だったが、しかし実際これを止めたブライアンヤコブセンはヨーロッパ大会において常に優勝戦線に食い込み、世界大会もベスト16以上の常連で、あの極真史上最強である塚越孝行にものちに勝つこともあると言うことも踏まえれば、この敗北は必然と言えば必然だったのかもしれない。

そして最後に紹介するのは、新極真会の第9回世界大会に出場した、スウェーデンのフレデリック・オルソン。

スウェーデンのフレデリック・オルソン

今知ったのだが身長は205センチ。

いや衝撃、アンドレフィッシュよりでかいですね――これは間違いなく極真史上最高クラスの身長!

あのバルトの魔神を相手に果敢な攻撃を繰り出すが、回り込まれ、追い詰められ、パンチで腹を効かされガードが下がったところに、まさかの左上段回し蹴りを食っての1本負けを喫した。

相手のドナタス・イムブラスの、身長196センチ体重108キロならではの決まり手と紹介されたがその通りで、ある意味では緑帯にしてここまでやって、派手に玉砕したために、これ以上ないほどに注目されたとも言えるかもしれない。

武道の極意は良く、柔よく剛を制す、小よく大を制すと思われがちだが、その反語も確かに存在している。

剛よく柔を断つ。

人はやはり自分にはないもの、大きいもの、強いもの、それに憧れる、そして私もそれは間違いなくその例に漏れない。

他を圧倒する状態にして、大衆の目を引きつけ、期待され、しかしそれに充分応えること必ず、壇上を降りていったその選手たち。

私はそんな彼らに、勇気を持って舞台に上がったことに喝采を送り、その勇姿を胸に焼き付けて、忘れないようにしたいと思っている。

大きければ強いわけではない。

どんな人間でも戦いは怖い。

そこに勇気を持って立ち向かう、そこにこそ、武道性、極真空手の真髄があると私は考えている。

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