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数見肇vsフィリオ 武蔵vs胤舜の如き武道の駆け引きを徹底解説!

2021年7月21日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

極真史上最も難解な試合

第7回全世界空手道選手権大会決勝の数見肇vsフランシスコ・フィリオである。

私は幼少期にこれを見ていて、正直言って訳がわからなかった。

退屈、なんで攻撃しないんだ、意味不明、それで一緒に見ていた空手家である父にいろいろ尋ねたりした位だ。

その時今思えば父は答えをくれていたのだが、しかしその時の私には理解できるほどの経験も知識もなかったので、それはなんとなく言葉だけで頭の中に保管されるばかりだった。

しかし今、思い返して、ある意味武道らしいと言えば武道らしいこれは試合なのかもしれないと言える。

そもそもが言わせてもらえば、通常試合において、どちらかの先生というか関係者が主審をするというか、そもそもが副審であれ審判をすると言う事は問題がある。

その辺がK-1を含めてブラジルの磯部清次が必要以上に力を持ちすぎていたと言う弊害であろう。

数見肇は、明らかに入れ込んでいる様子だった。

世界大会の決勝、極真史上最強にあと1歩まで迫る八巻健二が引退して、自分が守らなければいけない、そういった必死さ、責任感、プレッシャーで、競走馬のような言い方をすれば入れ込みすぎの状態だった。

対するフランシスコ・フィリオは、非常に落ち着いていた。

この構図は、前回4年前の第6回世界大会準決勝と、まるで逆の立ち位置となっていた。

打ち合わない戦い

フランシスコ・フィリオは、ほとんど攻撃をしない。

時折かかと落としを出して、そして左のブラジリアンキック・前蹴りを出して、牽制するのみ。

そして、自然数見肇は前に出られない。

数見肇の戦い方は、完全に後の先だ。

じーっと待って、相手が出てくるのを待って、踏み込んで腰を落として、攻撃を振りかぶってきたところに、その膝頭に脛や足の甲をぶつけて、足を効かせる。

数見肇は、そういった戦い方しかしない。

下段を効かせなければ、効かせる事しか、考えていない。

だからこそ、打たせるからこそ、数見肇はどんどん体を壊していた。

それを知らなかったフランシスコ・フィリオは、前回どんどん前に出てパンチを振って、全部パンチを合わせられて、足を蹴られて、効かされて、バランスを崩して、リズムをなくして、敗れ去った。

今回遠距離で、カウンターを取られない上段の蹴りか、ほとんどノーモーションのインローしか蹴らない。

それだと数見肇はカウンターを取ることができない。

必然的に、手数が圧倒的にフランシス・フィリオが多くなる。

そして数見が前に出ると、必然的にパンチから叩かなければならず、そしてその隙があればローキックを蹴る前に蹴ることができ、間合いを外すことによって、危険地帯を離脱することができる。

まさにその通りの展開が、延長戦まで繰り広げられた。

知らない人たちが観たら、この試合はなんなんど? なぜ攻撃をしないんだと頭をかしげるような展開だったであろう。

再延長戦で繰り出し始めたフランシスコ・フィリオの前蹴りで、数見肇はますます前に出られなくなった。

余談だが、この戦い方をしているようだと、数見肇はまず塚本徳臣に勝てないだろう。

塚本徳臣の前蹴りはフランシスコ・フィリオの比ではない。

かといって数見肇はパンチの勝負にもっていくことはできない。

単純なパンチ力だったら、フランシスコ・フィリオの方が圧倒的に上だ。

事実として再延長戦のラスト、打ち合いに持っていかれて、数見肇は完全に押されてしまっている。

数見肇は、完全に手詰まりの状態。

この直前に行われたため試し割判定に失敗していると言う時点で、それはもう確定していたことなのだろう。

バガボンドの宮本武蔵vs宝蔵院胤舜の如き駆け引き

結局のところ数見肇最大の敗因は、リスクを取らなかったと言うその1点に尽きる。

バガボンドの宮本武蔵VS宝蔵院胤舜では、一撃必殺の技を持つ者同士の戦いで、宮本武蔵があえてリスクを取って一度飛び跳ねることで隙を作り、頬を斬らせ、そして紙一重でかわして木刀の一撃で胤舜を沈めている。

数見肇は、このままでは負けると分かっていたはずだが、結局最後まで自らを危険にさらす事はしなかった。

戦略の違い、覚悟の違い、進化したか否か、それがこの一戦に出たと言える。

しかしどうしても我慢比べだったり、押しくらまんじゅうのような試合もある中で、この1戦は、お互いの狙い、ダメージの与え合い、探り合いが交錯した、武道的な1戦だったと言える。

学ぶべきところが非常に多い、目に見えない様々なフェイントが交錯していた戦いだった。

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