君の知らない物語 切なさと歯痒さが同居するNo.1青春アニソン
大ヒットアニメ「化物語」の主題歌、ニコニコ動画人気歌い手とコラボ
『君の知らない物語』は西尾維新原作の小説、化物語のアニメのエンディング主題歌です。
その頃私は、マックでバイトしてました。
そこの年下の後輩たちに慕われて、たまに彼らの家でゲームしたりとかしてました。
そんな時、化物語がフィーバーしてました。
その流れに乗って、私も君の知らない物語を知りました。
知らない物語を知った、というのがなんか奇妙ですね(笑
Supercell、と言うニコニコ動画発信の歌手が放つ、西尾維新と言う新進気鋭で尖った作家のアニメ化されたものの主題歌。
当時のバズりぶりは、凄まじいものがありました。ちなみに私はTYPE-MOONがとても好きなんですが、それが出したゲーム「魔法使いの夜」と言うものの主題歌にもSupercellが選ばれています。
君の知らない物語は、当然のようにまず音楽がとてもいいです。
青春の苦しさ、無力さ、熱さを余すことなく謳っている
いつだって青春は苦しい思いをしてきました。
想いが先行して、憧れに胸を焼かれて、だけど自己肯定感もなくて、自信もなくて、勇気もなくて、憧れは憧れのまま伝えられることもなくはかなく散っていきました。
そういった思い出を美しいと思わなくもないですし、そういう風に青春の只中にいる学生たちが眩しく感じないこともありません。
だけどそのただ中で青春と言う名の炎に焼かれている当人は、ただただ自らの無力さに、運命の儚さに、絶望しています。
だけどそんな時、奇跡が訪れたりもします。
ある日突然、憧れのあの人が星を見に行こうと誘う。
たまには良いこと言うんだなと、みんなで歩き出す。
みんなで星を見ながら、1つ隣で座る、肌に対する届かない思いを持っている。
結局言いたいことを言わなくて、言えなくて、だけど覚えているのは憧れだった君が指差した星。
そして教えてくれた、星の名前。
君は知らない、だけど私だけが知っている、君の知らない物語。
そんな青春の灼熱の苦しみ憧れや悲しみは、そういったものをここまで見事に表した歌は個人的にないんじゃないかとさえ思っている。
心当たりがありすぎるシーンばかりで、思わず自分の胸をつかみたくなる。
あの頃に、もう取れもしないし戻りたいと思っていないくせに、戻りたいと思ってしまう。
この歌は、そんな歌だと私は思います。
作品とも重なり合う小説のようなストーリー性
ポップで、明るくて、でもそれはどこかから元気のような切なさがあって、それが登場人物たちの学生特有の不安定さを表しているようで、そしてその物語性がまるで一冊の小説を聴いているかのようで。
どうしてか隣にいてくれない憧れのあの人のことを想っていても近づけなくて、悲しくて、辛くて、でもどこかにじみ出るような嬉しさがあって、
そんな一言では表せないような青春時計の切なさ歯がゆさ仲間意識居場所のなさ、それら全てを表したような歌詞に、ベタベタに感情移入をさせてもらっていました。
特に2番の歌詞の冒頭、
「あれが、デネブ・アルタイル・ベガ」
君は指差す 夏の大三角
覚えて 空を見る
実際の劇中では幼少期に詐欺師によって家庭崩壊させられたヒロインが、さらに高校生の時に自らの身に起こった怪異から救ってくれた主人公阿良々木暦と付き合い、星が好きということでプラネタリウムから食事やショッピングなどの定番デートメニューの最後に連れてきた森の奥で、横になったそこに広がる満点の星空を指さして呟かれるセリフです。
人を信用できなかったヒロイン戦場ヶ原ひたぎが、ようやく見つけた信用できる阿良々木暦という人物を連れてきた、自身のお気に入りの場所。
視線を交え、夏の大三角を指さし、また視線を交える。
ただそれだけのことが、しかし実際のところ二人の絆を表すのに、繋ぐのに、唯一にして最大の行為でした。
瞳を閉じて、この歌詞を聞くだけでその光景が脳裏によみがえり、そのあと私は自信が経験した、そして経験していない、過去の、ありえない、大切なあの人を想って、だけど伝えきれずに切ない想いを抱えるその瞬間に飛ぶことが出来ます。
そして一曲聞き終わった後、その胸の切なさは、いつしか大切ななにかへと姿を変えています。
いろんな素晴らしいアニメソングがたくさん出てきましたが、個人的にはやはり筆頭に挙げられるのはこれです。
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