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Ⅴ/ただただ不安①

2020年10月9日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 気づけばアレは、眠っていたようだった。

「……ん、んん?」

 瞼を開け、そして上半身を起こす。

 寝ぼけ眼、霞がかった意識。

 よく、理解できない。

 どういう状況なのか、ここがどこなのか、さっぱりわからない。

 ただ脱力しきった身体を、不思議に思っていた。

「――なんだろ? どこだろ、ここ?」

 見回すと、そこは暗かった。

 あまりよく見えないが、モノの輪郭ぐらいはなんとか。

 そこには束になった細いなにかが積み上げられ、棒状の何かが立てかけられ、そして鎧がたくさん無造作に置かれていた。

 ん?

 鎧?

 それに束になってるものに、棒状の何か――

 意識覚醒。

「――こ、ここどこ!?」

 思わず叫びアンド立ち上がり――頭を天井に、ぶつける。

 目に、火花が弾けるような痛み。

「たっ! たいたいたいっ……ぐす、ここどこ?」

 ごとんごとん、とその空間は揺れていた。

 それに積み上げられているものは藁に違いなく、そして棒状のものは剣だった。

 そして移動しているという事実からも、

「……馬車、なの?」

 確認しようにも、止まる気配はない。

 叫んでみようかとも思ったが、それもそれで恐い。

 連れ去られたと見て、間違いないだろうから。

 そこまで考えて、アレは直前の出来事を思い出した。

「ベト……」

 は、どうしたのだろうか?

 ひょっとしてここに連れてきたのは、ベトなのか?

 しかし真意を知る前に寝てしまった自分は、この状況下でどうすべきかわからない。

 とりあえず、立ちあがっては危ないし杖なしではそもそも歩けないから、四つん這いで移動してみることにした。

「んしょ、んしょ……」

 人生初の四つん這いは、なんだか杖とは別のところに力が必要だった。

 胸のあたりとか、あと擦れて膝が痛む。

 でも仕方ない。そのまま真っ直ぐ進んでみた。

 すると、人がいた。

 それも、3人も。

「ん? おぉ、目が覚めたかお嬢ちゃん」

 知らないおじさんが、話しかけてきた。

 たっぷりした身体の、ひげをたっぷりたくわえた。

 丸いという印象を受ける人だった。

 服は粗末なものをつけていた。

「…………」
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