Ⅲ/ただただ不安①

2019年11月17日

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 気づけばアレは、眠っていたようだった。


「……ん、んん?」


 瞼を開け、そして上半身を起こす。

 寝ぼけ眼、霞がかった意識。

 よく、理解できない。

 どういう状況なのか、ここがどこなのか、さっぱりわからない。

 ただ脱力しきった身体を、不思議に思っていた。


「――なんだろ? どこだろ、ここ?」

 見回すと、そこは暗かった。

 あまりよく見えないが、モノの輪郭ぐらいはなんとか。

 そこには束になった細いなにかが積み上げられ、棒状の何かが立てかけられ、そして鎧がたくさん無造作に置かれていた。


 ん?

 鎧?

 それに束になってるものに、棒状の何か――


 意識覚醒。


「――こ、ここどこ!?」


 思わず叫びアンド立ち上がり――頭を天井に、ぶつける。


 目に、火花が弾けるような痛み。


「たっ! たいたいたいっ……ぐす、ここどこ?」


 ごとんごとん、とその空間は揺れていた。

 それに積み上げられているものは藁に違いなく、そして棒状のものは剣だった。

 そして移動しているという事実からも、


「……馬車、なの?」






 確認しようにも、止まる気配はない。

 叫んでみようかとも思ったが、それもそれで恐い。

 連れ去られたと見て、間違いないだろうから。


 そこまで考えて、アレは直前の出来事を思い出した。


「ベト……」

 は、どうしたのだろうか?

 ひょっとしてここに連れてきたのは、ベトなのか?

 しかし真意を知る前に寝てしまった自分は、この状況下でどうすべきかわからない。


 とりあえず、立ちあがっては危ないし杖なしではそもそも歩けないから、四つん這いで移動してみることにした。


「んしょ、んしょ……」


 人生初の四つん這いは、なんだか杖とは別のところに力が必要だった。

 胸のあたりとか、あと擦れて膝が痛む。

 でも仕方ない。そのまま真っ直ぐ進んでみた。


 すると、人がいた。


 それも、3人も。


「ん? おぉ、目が覚めたかお嬢ちゃん」


 知らないおじさんが、話しかけてきた。

 たっぷりした身体の、ひげをたっぷりたくわえた。

 丸いという印象を受ける人だった。

 服は粗末なものをつけていた。


「…………」
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