第93話「ビーチバレー決戦」

2020年7月17日

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 彼女は終始無言無表情。
 いや、若干頭をひねってはいたか。

 あんま見るのもあれなので、二人が準備してるのを一緒に見て、時折ちらちらと盗み見た。
 やっぱ白くてすんげー可愛かった。
 初めて見る太腿は凶悪なしなやかさで、熱とは別のもので倒れてしまいそうになった。

 肩もすごい繊細。
 胸も主張し過ぎない大和撫子な魅力に溢れていた。
 ああっ……残念なのが、髪が長くて毛量が凄いので背中と……お尻がまったく見えないことなのだが。

 ――て僕は何を言っているのだろうか?

 そんなことを思ってるうちにコートが完成し、かくして隼人、神龍ペアVS僕、暗戸さんペアによるビーチバレーが始まった。
 じゃんけんの末、先攻は隼人チームになる。

「行っくよー」

 隼人が掛け声と共に、軽いサーブを打つ。
 緩くボールが弧を描いて、こちらの陣地に落ちてくる。
 それを彼女がレシーブで受け、僕がトスを上げる。

 太陽の位置と重なり、ボールが一瞬逆光で見えなくなり――

 それと重なるように、彼女の影が舞い上がった。

「……うぇ?」

 変な声が出る。
 それくらい、彼女は高く舞い上がっていた。
 ……一メートルくらい跳んでないか、あれ?

 彼女の影はそのまま空中で、まるで弓のように大きくしなり――

 どん、

 と重たい音を立て、前方に一回転した。
 同時にボールはレーザーのように一直線に吹き飛び、隼人の左隣の砂の上にざくっ、と深々と突き刺さる。


 隼人は一歩も動けなかった。
 神龍もぼんやりと彼女が飛んでた辺りを見つめていた。
 ボールはその半ばまで砂に埋もれ、ぎゅるぎゅると回転を続ける。
 打ったというよりも、"撃ち落とされた"って言った方が正確かもしれない。

 ……なんだあれ。
 僕は呆然と、一回転して着地した彼女を見つめる。
 隼人は困ったように笑っている。
 一方の神龍はじっ、とそのボールを見つめていたが、不意にニヤ、と闘争心剥き出しの笑みをその顔に浮かべた。

 ……とうそうしん、剥き出し?

「来い、白柳」

 気になる表情は変えないまま、神龍がボールをこちらに投げる。
 何となくヤな予感はしたが、しょうがないのでボールを受け取り後ろのラインまで下がり、ほどほどの力でサーブを打った。
 神龍がそれを拾い、隼人がトスを上げる。
 それを神龍が――って!? 

 神龍は思っくそ跳んでいた。
 それこそ顔を真っ赤にして、体全部伸ばせるところは伸ばして鳥のように羽ばたいてた。
 元々身長が高いから、ネットなんて悠々見下ろしてる。

 そして――

 力一杯打ってきやがった!
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