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ⅩⅨ/決別②

2020年10月9日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

「はい、みなさん本当に良い人たちです。わたしみなさんにお会いできて、本当に幸せでした」

「そうか……」

 そして二人は、国軍にと向かい合った。

 相手方は、24。

 みなプレートメイルに槍、剣を帯び、馬に乗っている。
 対してこちらは軽装もいいところの、歩兵だ。
 アレに至っては戦力外と言っていい。

 まったく、これでただの用件だとは笑わせてくれる。

「なんか用か?」

「アレ・クロア、という少女はお前か?」

「かっ、こっちは無視かよ。おい」

「答えよ娘、お前の名前はアレ・クロアか?」

「はい、そうです」

 チンピラよろしく軽い感じで声をかけるベトを黙殺して声を荒げる先頭の男に、アレは優しい微笑みを向ける。

 相手が目的の人物だと確認した男は口元を歪め、

「ほう……貴様が話に聞く、魔女か」

 一瞬だった。
 隣にいたのがベトでなかったのなら危なかったかもしれない。

 男がまったくのノーモーションで繰り出した槍を、ベトもまたノーモーションの抜刀で繰り出した剣で、弾き飛ばした。

 狙いは真っ直ぐ、アレだった。

 ベトの瞳が、変わる。
 ギラリ、と野生じみて。
 そして低く、剣を背中に構え、

「――おい、どういうつもりだ? てめぇ、なんでアレに槍を向けた?」

「笑止、魔女などを生かしておく通りなどそも、あるのか?」

「……あん?」

 そういうことか。
 ベトは一瞬で理解した。

 甘かった。
 戦争で使うなどと、これだから傭兵やってる頭の偏り具合はよろしくない。


「……ンだよ。別に魔女ぐらい、いたっていいんじゃねぇの? ほれ、魔法だぜ? 便利だぜ、大概のことは出来ちまうみたいだぜ? 聞いたろあんたらも、矢を空中で停止しちまうって話。使えば、便利だぜ?」

「笑止ッ! 魔女など悪魔と契約した外道、人外魔境! そんな者の力など使おうものなら国は荒廃し、滅びの道を辿るのみであろう!
 魔女はただ、滅すのみ!」

 振り下ろされる槍を、ベトは大剣を振り回し弾く。

 オレアンの言葉が蘇る。
 魔女裁判という狂気の一端を、これで見た気がした。
 なるほど、そうなるか。

 ならば自分たちが関わったこともしれているだろうし、もう知らない顔も出来ないだろう。
 だからこその、この軍勢か。

 運命の賽は、投げられた。

「……ってか?」

 嘯き、ベトは飛んだ。
 大剣を背に負ったまま、ゆうに2メートルは。

 それに敵方の大将は、一瞬呆気にとられた。
 このように飛ぶ兵を、見たことがなかったから。

 それが勝負の明暗を、分けた。

「サヨナラ」

 笑顔すら向けて、ベトは大将を大剣で脳天から、押しつぶした。

 馬上のまま、鉄兜の上から、頭がい骨は陥没し、首の骨はひしゃげ、背骨は雪崩れ、身長は三分の一ほどになり関節のあちこちから血しぶきが大量に噴き出した。

『ひ、ひぃ!?』
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