第48話「一番心許せるとも」

2020年10月7日

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目次

本編

「時間、変えてもらった方が良いかな?」

「……でもまぁ、最初のデートは早目に切り上げてしつこくない爽やかさをアピールする、っていう手もあるからまぁいいとしよう。――で、デートプランだけど。やっぱりショッピングとかが良いと思うぞ。いきなり映画、てのも重いしな。共通の物なんか買うと一気に親近感湧くぜ」

「共通の物って……ペアルックとかか?」

 切間はあからさまに顔をしかめて、

「…………お前は発想が古いな。いつの時代だ、ペアルックって……携帯ストラップとかアクセとかだな」

「ふむ、なる程」

「アクセにするなら指輪は止めとけよ? それも重いからな」

「ならネックレスとかか?」

「ま、妥当なとこかな」

 と、いうわけで、今度のデートプランは、ゲーセン → 昼食 → ショッピング、に決まった。

 その後、サークルに顔を出すという切間と別れて、色々あって疲れたからもうまっすぐ帰ろうと思って階段の方を見ると、ちょうど一階に降りていくぼっちゃん刈りの水色シャツ――隼人の姿を見つけた。
 声を掛ける。

「ちぃーっす」

「あ、しんやー」

 手を振りながら近くづく僕の姿に気づき、歩みを止めてこちらに振り返る。
 いつもの挨拶を口にする。


「今何してんの?」

「サークル室のみんなもあらかた帰ったし、僕も今から帰るとこだよ」

「そか。んじゃ一緒に帰ろうぜー」

「うん」

 横に並び、二人で帰路に着く。

 隼人と、一応僕も幽霊部員という形で入部している写真部は、部員数十一人という平均的な規模のサークルだ。
 僕の方は名前だけ貸してる訳だから出ても出なくても良いわけだが、隼人はこれでも部長をやっている。

 だから学校に来た日は顔を出さないといけないし、仕事もそれなりにあるらしい。
 だから、こうやって都合が合う日は出来るだけ一緒に帰れるよう僕の方から声を掛けるようにしている。

 隼人とはこの大学に入ってからの、最初の友達だ。
 だから今でも一緒にいる時は、一番心許せるところがある。

「――でね。新入部員の新井(あらい)くんが、古株の幹下(みきした)くんの、先月出品して賞を逃した作品にいちゃもんつけちゃって。一時殺伐とした空気になっちゃってひやひやしちゃったよ。なんとか間に入ってなだめすかして、お互い落ち着いてくれたんだけどね」
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