新着記事

Thumbnail of new posts 197

: 空手および格闘技

“ヒットマン”長田賢一 空道北斗旗を通算7度制し,佐竹雅昭,極真と共に最強の一角に数えられた、一撃必殺のその打撃!

大道塾草創期の絶対王者 大道塾空道を代表する選手として、その草創期に多大なる活躍 ...
Thumbnail of new posts 194

: 空手および格闘技

ミッシェルvsアデミール 欧州最強の男と南米の星で繰り広げた星の潰し合い、世界最強を決める壮絶な戦い!

極真史上最高のBEST BOUT それを考えた場合私の頭に、3つの戦いが浮かんで ...
Thumbnail of new posts 054

: 空手および格闘技

残り1秒の奇跡 塚本徳臣vsローマン 会場総立ちにした究極の一撃必殺!

格闘技史上最高の盛り上がり 極真史上いやもしかしたら格闘技史上においても、最も会 ...
Thumbnail of new posts 167

: 空手および格闘技

本物のデンプシーロール!幕之内一歩の必殺技元祖ジャックデンプシー,その勇姿!!

ジャック・デンプシー 彼ほどあの漫画の影響で有名になったボクサーもいないのではな ...

記事ジャンル一覧

関連記事

  • 第52話「真昼の幽霊」

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  体は発熱し、動悸が速くなる。 待ち合わせ場所である学校に向かう徒歩二十分の道のりの中で、僕は思う。 なぜ僕はこんな ……

  • 五十六話「ヒーロー」殴り蹴りあう空手家二人

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  知らず天寺は、遥を睨みつけていた。 それは、今までの溜まりに溜まったプレッシャーのはけ口を見つけたかのようだった。 ……

  • ⅩⅩⅧ/死の在り方②

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  その目の前に、今まで高みの見物を決め込んでいた兵たちが、殺到する。 その顔には、笑みが張り付いていた。 「……まさ ……

  • 四十一話「都大会」殴り蹴りあう空手家二人

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編

Ⅻ/ベトの離脱③

2020年10月9日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング

最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________

目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 ぼんやりお日様を眺めていたら、声をかけられた。

 でっぷりした体躯にひかる禿頭、スバルだ。
 スバルは初めて会った時から、折りを見て声をかけてきていた。

 それは笑顔を見せて、猫なで声で、親しげに。
 それがアレには、気が置きにくいものだった。

「…………はぁ」

 こっちにきて、三日。

 さすがに無視し続けるのも気が引けるので、一応おざなりに申し訳程度な返事をかえす。
 それにスバルはお決まりの苦笑いを浮かべ、

「はは……今日は、100回くらいやってたみてぇじゃねぇか? どうだ、剣の感触は?」

 くらいというか、きっかりだ。どうやら数えていたらしい。
 そういうところも、アレには気が許せない一因に他ならなかった。

 それに、剣の感触。

「――重いですね」

 それぐらいしかない。
 スバルは頬を引き攣らせ、

「そ、そうか。まぁ女子供には扱いにくい武器よなぁ。嬢ちゃんは、あれか? 今までスプーンより重いものは持ったことがないっていう口かい?」

「そうです」

 明らかな冗談めいた口調に、アレは即答した。
 もったことがない。
 事実だから。

 スバルの苦笑いは、凍りついた。
 そして――質の変わった笑みへと、変貌した。

「――嬢ちゃん、昨日の夜のことは覚えてるかい?」

 明らかにご機嫌を窺うような口調から、こちらのうちを覗き込もうとするような感じに。

 それにアレは、なんの感想も抱かない。
 抱く必要性というか、そういう条件反射をそもそも持ってはいなかった。

 だから単純に、その文章のみをくみ取る。

「覚えていません」

 ただ一言。
 わかりやすいくらい、単純な答え。

「……まったく?」

「ぜんぜん」

「ほんの少しも」

「ないです」


 ない、という言葉にスバルはしかめっ面を、笑顔に戻す。
 この子がないというのなら、それはないのだろう。
 だが一応ここまでは聞いておかなければならない。

「じゃあ昨日ベトの前で倒れたところまでは覚えてるだろ?」

 無言で首肯、スバルは続ける。

「じゃあ、そのあと起きたら……」

「今朝ですよ? それがなにか?」

 ややキツメな顔で見つめられ、スバルは再び苦笑い。

「そうか。いや悪かったなあ、邪魔して。じゃあな」

 手を振って、去っていく。
 それを無言無表情無動作で見送り、アレは人心地つく。

 苦手だった。
 理由なき、好意が。

 恐れていた。
 アレは、ひとを。

 今でも。
 それは無理もない事だった。

 ずっとベッドの上で祖母とだけ会話を交わし、そこから窓を見て暮らしてきて――ひとの無関心も、悲哀も、そして狂気と暴力も、見てきた。

 それ以外、見てきたことがない。
 一度として子供は許されることも、パンを与えられることはなく――代わりに酷い罰を、その身に刻みこまれていた。
 祖母も自分を、所有物のひとつのように見ていた。

 だから苦手だった。
 だけど生きるためモノのように振る舞い、それが正しいと信じていた。

 なのに実際は、祖母は本当に優しかった。
 自分の感覚は、何一つとして信じられるものではなかった。

 そしてそれは同時に、世界というものがより遠くに過ぎ去ったように錯覚させた。
 わからない、ということほど怖いものはなかった。

 だから一定の距離が、必要だった。
 なのにベトに対してだけは、安心できた。

 好意のようなものが、見受けられないから。
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇