新着記事

Thumbnail of new posts 145

: 空手および格闘技

“格闘マシーン”黒澤浩樹 初出場優勝最年少 松井章圭と死闘,下段で一本勝ちの山を築き上げた軌跡!

魂の下段廻し蹴り それに命をかけた選手というのが私の知る限り、四人存在している。 ...
Thumbnail of new posts 108

: 空手および格闘技

“武芸者”木村靖彦 日本連続準優勝,世界連続6位で日本を支えた大黒柱!

左中段廻し蹴り 極真空手の歴史の中で、様々な得意技を持つ選手たちを見てきたが、そ ...
Thumbnail of new posts 073

: 空手および格闘技

極真史上最強に名を連ねる五人の空手家たち

極真史上最も強い人間とは誰か? そう考えた場合に、極真空手を20年以上行ってきて ...
Thumbnail of new posts 086

: 神アニメレビュー

【かおす寒鰤屋】この程度の雨なら濡れるのも風情だ――名作漫画名言

骨董がテーマのジャンプ漫画 ジャンプ漫画の中でも極めて珍しい、骨董をテーマにした ...

記事ジャンル一覧

関連記事

  • 第83話「僕が守るよ!」

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  僕たちが指定席についたのが十二時二十分くらいで、隼人が一度死んだのが三十分頃で、蘇生するのに十五分かかったから、切 ……

  • 六十三話「決勝戦」殴り蹴りあう空手家二人

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編 『決勝戦を始めます』  会場にアナウンスが響き渡る。 この長い宴も、ついに最後の時がきたのだ。 言うならば、ファイヤ ……

  • ⅩⅩⅣ/処女検査⑤

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  ベトはただ、剣を背負って城の中を進んでいた。  愛剣を取り戻すと、随分気持ちは楽になった。 この剣を持って、負けた ……

  • 第八話「閉ざされた屋上」殴り蹴りあう空手家二人

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  そして、5分後。  なぜか身長156センチの朱鳥は、その3メートル近くに及ぶ高き壁の頂きに、迫ろうとしていた。 「 ……

#18「寂しかった」

2020年10月7日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング

最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________

目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 それからぼくは棚多さんとしばらく、会話を交わした。
 いや少し意味合いが違うか。

 お茶をともに飲み、時折言葉をやり取りした。
 それは他愛もなく、意図もなく、結果目的もないものだったが、楽しくないとも、いえないものだった。 

 そのあとはずっと、本を読んで過ごした。
 いつも通りの過ごし方。

 時折窓から吹いてくる風に、顔をあげた。
 冷たい。

 そしてまた、物語に埋没する。

 鼻で香りを楽しみ、そして耳は遠くの残響にそばだてていた。 

 本のタイトルは、『生きる意味』に変わっていた。 



 そして、夜が訪れた。
 静寂の中、裕子さんが電気を落とす。

 生の鼓動など、どこにも見つけられない領域。
 ぼくは横になり、毛布を肩までかけて、じっと今日の出来事を考えていた。 

 そして月が、陰った。

「こんばんは」 

 姿を見なくても、誰が来たかはわかる。 

 静かに近づいてくる気配。
 ぼくは天井を見て、動かなかった。

 気配はベッドの脇まで、きた。
 そのままいつもの定位置に、座り込む――と、思っていた。 

「遼」 

 ぼくの名を呼ぶのは、君だけだ。 

「なに?」 

「寂しい」 

 突然そういわれ、ぼくは戸惑った。
 彼女が助けを求めている。
 身体を起こし、振り返った。 

 彼女は、泣いていた。 

「……なにが、あったの?」 

 言葉は、震えてしまった。
 こんな場面に、出くわしたことがない。

 こんなに感情を真っ直ぐに、ぶつけられたことがない。
 ぼくはてっきり今日もぼくの一日を報告することになると思っていて、それで棚多さんとの会話を伝えようと思っていたのに。 

 それなのに。 

「遼……寂しい」 

 彼女はぼくの言葉なんて聞こえていないかのような様子で、じっとこちらを見つめていた。
 まるで、夢の中のような光景。

 現実味が、ない。



 背負っている美しい満月の逆光になり、彼女の姿は朧にしか見てとれない。 

 その筈なのに。 

 まるで、透けているように。 

「……マヤ」 

「遼、わたし寂しい……寂しいよ」 

 泣きながら、ぼくに両手を伸ばして、頬に触れる。
 わけがわからない。

 あまりにありえない常軌を逸した事態に、思考が追いつかない。 

 意図がわからない。
 そう思いかけたが、その時棚多さんとのやり取りが脳裏をよぎった。 

 ふいに理屈が、ぼくの頭からこぼれ落ちていった。 

「寂しい……のは、ぼくも同じだ」 

 それは本音だった。

 予想や思考を越えた状況に、絞りだされたというべきか?
 よく、わからなかった。 

 ただ、ぼくの口からは言葉がベラベラと零れていった。 

「寂しかった……ずっと、寂しかった。誰にも相手にされず、ただ飼われているように病院のベッドの上で生きる日々が。それでもひとりで生きていけないから、死んだように生きるしかなくて、死んだように死を待つしかなくて……それが、寂しくて」 

 彼女はぼくの頬を両手で挟んだまま、じっとぼくの瞳を間近で見つめ、言葉を聞いていた。 

 ぼくはまるで、彼女のペットのようだった。 

「マヤが来てくれて、本当に嬉しかった……最初は驚いたけど、でもぼくと話してくれて、話を聞いてくれて、それで明日も会えると思うと、生きていく意味も見えてきて……」 

「生きてく、意味?」 

「そう、生きていく意味」
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇