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#17「老い先短い命」

2020年10月7日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 湯気が立つ湯のみが、こちらに差し出される。
 それを受け取ると、熱く、そして茶のそれ以外のものも伝わるような気がした。 

 たぶん、気のせいだけど。 

「……おいしい、です」 

「でしょう?」 

 朗らかに、笑う。
 それこそ、屈託なく。

 それは彼女のそれと、同じように。 

「誰が、持ってきてくれるんですか?」 

「生き別れた、女房でしてね」 

 ドキン、とした。聞いてはいけないこと。
 そう直感した。 

「す、すいません……」 

「いえ、いいんです。なにしろ、今日はよき日ですからな」 

 そういって、煎茶を美味そうにゴクゴクと、喉に流し込む。
 その表情には、陰りの欠片も見てとれなかった。

 生き別れたという奥さんの話をしているというのに、なぜ? 

「あの、棚多さん……」 

「なんですかな?」 

「その……な、なにをぼくに、聞きたいんですか?」 

「聞きたいのではなく、わしは成海さんと話をしたかっただけなんですな」 

「話、を……なぜですか?」 

 なぜ。
 当然の疑問。

 だってぼくは今まで、棚多さんと話したことがない。
 同室だというのに、だ。 

 それがなぜ、今日になって? 

「成海さん、あなたの方こそなにかあったんではないですかな?」 

 どうして。 

「なにが、ですか?」 

「成海さん、最近色々と考えごとが多いようですな?」

「わかりますか?」

「わかりますよ」

 ひとくち、お茶で口を湿らせた。
 それに、心が安らぐ。

 良いお茶というものは、本当に――本当は違うものだと、実感する。
 今までは、興味すら持っていなかったから。

「そうですか、わかりますか」

「はい、わかりますよ」

「すごいんですね、歳を重ねるというのは」 

「そうでもありませんよ。そんなもの、人生の旨味に比べたら三つ葉みたいなものです」 

 三つ葉とは、そちらの方がよほど洒落が効いていると思った。 

  そして同時に、確信めいたものも湧いていた。 

  そうなのか。
 そういうのがわかるのは、大したことがない。

 そうかもしれないと、彼女と話してきて少しづつ、そう思うようになってきていた。 
  なら―― 

「じゃあ、人生にとってのメインディッシュって、いったいなんなんでしょうか?」 

「みいんでっす、ですか?」 

 ご老体だった。横文字は通じないか。 

「人生にとっての煮魚は、なんでしょうか?」 

「楽しむことですよ」 

 なんと単純な、難しい答えなんだろう。
 ぼくは頭を抱えたくなった。 

 だけど抱えなかった。 

 お茶が美味しくて、吹いてくる風が優しくて、花々の香りが安らかで、聞こえる小鳥のさえずりが、心地よかったから。 

「楽しめば、いいんですか?」 

「そうです」 

 棚多さんは朗らかに、ゆっくりとお茶を楽しんでいた。 

「どんな病気になっていても、外に出たことがなくても、意気地も勇気も活力もない人間でも、楽しめばいいんですか?」 

「はい」 

「本当に?」 

「老い先短い命、嘘をつくような暇はありませんなあ」 

 老い先短い命。 

 短い命。 

 嘘をつくような暇は、ない。
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