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#13「意味もない蛮勇」

2020年10月7日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 願いというものは、そうそう叶うものでもなかった。
 それを期せずして体験として、知り得る羽目になった。

 それから裕子さんに自分の話をしてみようと、試みてみた。
 いつものように6時半に、カーテンが開けられた。

 起床時間。
 眩しい朝日を背にいつものように大柄な人影が、

「おはようございます成海さん、朝ですよ」

 そして去っていこうとする白衣の背にぼくは意を決し、

「――おはようございます、裕子さん。今日はぼく、気分がいいんですよ」

 結構ありったけの勇気を振り絞った言葉だったりした。
 事なかれのぼくが、意味もない蛮勇に挑もうというのだ。ちょっとした物語の中の、主人公の気持ちだった。

 結果、

「あら、それはよかったですね。棚多(たなだ)さん、朝ですよ。起きてください」

 一瞥すら、なかった。
 ぼくの勇気は、相手の心に波風ひとつ起こすことは叶わなかった。

 一瞬、打ちひしがれたような心地になった。

 だけどそも、ぼくの心の変化など誰が知るだろうとも思った。

 ぼくが選んで、そしてぼくが実行してきたのだ。
 機械的な笑みや、無難な行動を。
 それを昨日今日思い立ったから今度からは心を開くといって、誰が相手にするだろうか。

 いやハッキリとしないだろう。

 甘かった。
 そう思えた。

 だいたいぼくはいま、裕子さんに心を開いてほしいと思って行動しただろうか?
 ただ聞いてほしいという、一方的な気持ちを抱いていたに過ぎないんじゃないか?

 課題だった。
 そう思った。
 だけどこれに、課題なんているんだろうか?

 話したい。





「…………」

 お昼ごはんを夢見心地で食べながら、そう思った。
 彼女と、話したい。
 マヤと。

 気づけばぼくは、そのことばかり考えていた。
 友達が少ない。というよりいない、か。

 もう、自嘲気味な笑みも浮かばない。
 そんな余裕ない。
 ぼくは禁断の林檎を食べてしまった。

 あの関係に気づいてしまっては、もう悟ったふりなんて無理だった。

 ずっと夜でもいいとすら、思えるぐらいに。

「……成海さん」

 くらん、と世界が揺れるような感覚がとつぜん、襲ってきた。
 それはなぜか?

 まず現状、ぼくの担当の看護士である裕子さんがおらず、担当の医師である渡河辺先生がいないというのに、ぼくに話しかける声があったということ。

 そしてそれが、しわがれた男性のもので、それは完全に失念していた相手だということが原因だった。

 視線を、巡らす。
 真っ直ぐ真向かいに、彼はいた。

「え、と……」

「棚多、じゃよ。棚多、昭好(たなだ あきよし)じゃ」

 そうだった。
 この病室には、もうひとり人間がいた。

 それが彼、棚多昭好79歳だった。

 ぼくと同じ病気だった。
 だけどぼくほど末期ではなくしばらくは生きていられるらしいが、ぼくと違って高齢のためいつ病状が急変するとも知れないため、こうして同じ病室になったという。 

 だけど会話は、まったくなかった。 

 どちらがどちらというわけじゃないと、思う。
 ぼくはぼくで対人恐怖症――というより不信というか、諦めというか、交流の意味に対する疑問というか、そういったものにがんじがらめにされていたため、結局話しかける機会を逸していた。 

 彼もまた、話しかけてくることはなかった。
 正直で申し訳ないが、既にボケているか、病気にやられてそんな判断も出来ないか、体力的に厳しいとか、そういう風に思っていた。 

 だからそれは、晴天の霹靂に近い衝撃だった。 
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