ガゼルパンチ! フロイドパターソンが十字ブロックのアーチムーアに爆発させたリアル幕之内一歩の必殺パンチ!
ガゼルパンチ
デンプシーロールが生まれるより以前、A級ボクサー決定トーナメント決勝にてぶつかるホワイトファング、元世界チャンピオンであるヴォルグザンギエフと戦う際に、鴨川会長が授けたボクシング漫画はじめの一歩の主人公幕之内一歩の必殺技。
膝から伸び上がり、飛び上がるようにして全身に叩きつけるその一撃で、相手はマットに沈み、その躍動感、破壊力に、読者は沸き立った。
その生みの親であり使い手である、フロイドパターソン。
ヘビー級としては小柄な183センチのその体格でにして、マイクタイソンも扱うピーカブースタイルから沈み込め、ステップインして伸び上がるようなそのガゼルパンチでKOの山を気づいたといわれる拳豪。
そんな伝説的なボクサーであるフロイドパターソン、その戦歴の中で必殺のガゼルパンチが火を吹いた壮絶なる戦い。
それこそが今回ご紹介させていただく、1916年11月30日に行われた、はじめの一歩の中でもクロスアームドブロックの使い手として紹介されたライトヘビー級の名王者アーチームーアとの世界ヘビー級タイトルマッチである。
マイクタイソンを育てた名伯楽カスダマトに見出され、ヘルシンキオリンピックボクシングミドル級で金メダルを獲得したというフロイドパターソンはプロに転向し、30勝1敗という凄まじい戦績で迎えたその戦い。
対するアーチムーアも前王者のロッキーマルシアノに大変な惜敗を消した後、11連勝し、さらにはライトヘビー級の世界タイトルを防衛しての満を持しての再挑戦という両者とも脂が乗り切った上での対決。
その当時フロイドパターソンは21歳、そしてアーチムーアは42歳といわれる、実に年齢差2倍の戦い。
1ラウンド。
開始直後、ジャブの挨拶から、いきなり放たれるその獣の一撃。
ガゼルパンチ。
挨拶がわりに話されるは正直驚いたが、それにムーアも面食らったようで、警戒を強くしたように思われる。
さらに両方体を下げたところにもう一撃。
それはムーアが低い体をさらに下げて危うく躱す。
ここまでポンポンポンポンと、当たり前のように放つ技なのか、ガゼルパンチというのは――
ピーカブースタイル
ピーカブースタイルの低い構えと相性がバッチリのようで、その一瞬頭を下げるのがそのままガゼルパンチのモーションになっている。
逆にムーアは後ろ足体重になり、やや防御変調型。
そこからジャブの交換、ガゼルパンチのモーションでのフェイント、接近戦と続き、2度のガゼルパンチが顔面をぐらつかせたりしながら、フロイドパターソンが優勢気味に試合を進める。
第二ラウンドからは獣のようなフロイドパターソンのガゼルパンチ、アーチームーアが老獪なクロスアームドブロックでしのぐ展開。
しかしこのガゼルパンチ、起点が同じことから、その幕之内一歩の得意技リバーブロードの相性が非常に良いようだ。
徐々に接近戦が多くなり、ガゼルパンチの出番が少なくなり、そしてアーチムーアが自らの持ち味を発揮する。
獣と狩人のような展開の中、アーチムアはそのガゼルパンチのモーションを見切ったかと思った4ランド、そこから放たれたボディーへの強烈な一撃がその体をくの字に曲げる。
今度は顔面へ、一気に風向きがフロイドパターソンへと傾く。
リバーブロー、これも強烈、そして下がったところにガゼルパンチ。
止めようのない鮮やかなコンビネーション。
そして5ラウンド、そんな凶悪なパンチにさらされながらも、老獪なテクニックで五分近くに盛り返したアーチームーア。
その彼が逆に前に出て、フロイドパターソンが少しずつ下がる。
ここからどのように展開するのかと刮目する中、ここでフロイドパターソンがジャブを多用。
そこから接近しての細かいフックに繋げる。
アウトボクシング。
と思ったのを使うのは、頭をつける接近戦での振りかぶってのものすごいボディー4連打からのアッパーというかフックというかスマッシュというか。
さらに離れ際にアッパーを放ち、再び距離をとり、アッパーフックアッパーリバーブローフック、そこで勢いを待って、再開後。
果たして一瞬の気の緩みがあったのだろうか。
警戒してきちんと右手は上げているつもりだったのだろうアーチームーアとジャブの交換、ここからそのジャブを避けて、避けたと思わせて思いっきり体をかがませて、そこからシフトウェイとして前足を踏み込んでの、両手を思いっきり広げてのガゼルパンチ一閃!
見事に顎を捉え、その巨大は一瞬中に浮き、そしてマットに叩きつけられる。
衝撃。
しばらく全く動かないその様は、その後その時のことを果たして記憶されているのか非常に疑わしいものがあった。
何とか立ち上がるも、細かい左右の連打で再びアーチームーアは崩れ落ち、そのままフロイドパターソンのノックアウト勝利となった。
ガゼルパンチ。
今まではその破壊力、その派手さにばかり目がいっていたが、それが今回同階級のライトヘビー級の名王者、クロスアームドブロックのアーチームーアと戦った試合を見るにつけて、それがピーカブスタイル、リバーブロー、ダッキング、それらと組み合わさった時、これほどの恐ろしさ、合理性をあらわにするものだとは、想像だにしていなかった。
それらを踏まえて、またはじめの一歩を読んでみれば、違った発見があるのかもしれない。
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