“超重圧”マラデンぺキック 塚本徳臣と真っ向勝負し鈴木国博を追い詰めた巨大な圧力が与えた衝撃が世界を駆け抜ける!
ギガントプレッシャー
私は実はというか結構漫画とかも紹介しているところからも気づいている人は気づいているかもしれませんが、けっこうなオタクだったりします笑
そんな私なので、ちょいちょい中二病的というか、漫画的な表現を使ってしまってしまっていますが、そんな今回使わせていただく事は、よりそういった傾向が強いと言えるかもしれません(笑
超重圧と書いて、ギガントプレッシャー、やりすぎな感もないといえなくもないですが、ですがそれほど間違いと言うわけでもない気がしています。
それぐらい、今回紹介させていただく選手の圧力と言うものは、目を見張るものがありました。
マラデン・ペキック。
彼のことを最初に知ったのは、第6回全世界空手道選手権大会でのこと。
94、95のビクトリア州優勝のオーストラリア出身、その時はマラディン・ペキックと表記されていました。
第6回世界大会及び第1回カラテワールドカップ
4回戦まで進出した、達人的な合わせ技をもつ坂本恵義を相手に、右ローに合わせて左右の下突きを打ち込み、廻し蹴りをもらいながらも豪快なパンチ、踵落とし、前蹴りで突進。
さらに接近しての猛烈な膝蹴りで、坂本恵義をひっくり返す!
延長3対1の判定勝ち、全日本ウェイト制三度の準優勝を始めとして、幾度もベスト4に輝き、無差別でも活躍し、体重別の世界大会であるカラテワールドカップ4位に輝く男の敗戦に、当時は衝撃を受けたものだった。
しかし続く5回戦で、"未完の大器"と言われていた日本が誇る大型選手、我孫子功二とあたり、開始から下突き、前蹴りを狙っていくが、それにごく小さい下段廻し蹴りを合わせられる。
それに、前蹴りに対する合わせ方としては下段廻し蹴りで体制を崩させたりするが、パンチで入ったところにやはり下段を合わせられ、さらに追撃の下段廻し蹴り三連打で技あり。
何とか反撃しようと入ってくるところに上段前蹴りを合わせたが、それにやはり下段廻し蹴りを逆に合わせられ、マラデンペキックの第6回世界大会はそこで終わった。
次にマラデンペキックが我々の前に姿を現したのか、第1回空手ワールドカップ重量級の準々決勝、
相対するはその時期無敵を誇っていた、"空手革命児"塚本徳臣。
最も得意とする膝蹴りを連発する塚本徳臣に対して、それに猛烈な下突き合わせ、逆に距離を取らせるマラデンペキック!
確かに塚本徳臣も左手を怪我して、使えないとは言え、これは恐るべき圧力と言えるだろう。
中間距離で前蹴りに連発を放つ塚本徳臣だったが、マラデンペキックは構わず間合いを詰める。
マッハ蹴りが顔面をかすめるが意に介さず、どんどん詰めて、逆に前蹴りを返すが、しかし最後は下突きからの膝蹴り、ステップで前後に間合いをずらしての前蹴り、下段廻し蹴りの連打で足を止められ、最後は押し込められてしまったあたりは天才の天才たる所以を見せつけられたと言えるかもしれない。
そしてマラデンペキックは第7回世界大会でその衝撃を我々に伝えることになる。
その時は読み方を変え、ムラデン・ペキックと表記されていた。
第7回世界大会での衝撃
Aブロックに割り当てられたマラデンペキックは、3回戦でその巨体、それによる凄まじいパンチ力で会場を驚愕させていたオランダのマーク・ポトゥマと対戦し、それを上回る衝撃としてそのポトゥマを逆にパンチラッシュで追い込み、相手に全く反撃を許さず、下突き下突き下突きで下がらせていき、途中から攻撃を胸と集中させ、それによりガードが上がったところへ正拳突きをみぞおちにぶちこみ、トドメの中段廻し蹴りで1本勝ちを奪った!
なんていう、何と言う破壊力、何と言う圧力か!
そして4回戦で激突したのが、全日本大会を四度制覇、さらには後の世界王者となる、その時点で"野武士"、さらには"不動王"と呼ばれる、鈴木国博。
日本が世界に誇る屈指のハードパンチャー、たとえ誰が相手であろうと崩れることがない、不動のあり方を持つ男だと思われていたが、しかしこの試合、鈴木国博の正拳突きをものともせずにずんずんと前を詰めていき、マラデンペキックの左右の下、正拳突きが炸裂!
さらに下突き好き下突き正拳突き正拳突き正拳突きで、あの鈴木国博がまともに反撃もできず、下がっていく。
信じ難い光景だった、あの鈴木国博が、明らかにパンチで打ち負けている。
追い込んで下突きした時、拳が腹にメリコミ、その破壊力を物語っているかのようだった。
会場に不穏な空気が流れる、この圧倒的なまでの圧力、このまま鈴木国博は何もできずに敗れ去ってしまうのではないか!?
そう思われていたところ、鈴木国博は下がりながら、内股の下段を返す。
そして巧みに下がったり回ったりすることによって、マラデンペキックのパンチをまともにもらわない。
そしてマラデンペキックの前足である右足に内股からの下段をもらい、動きが止まる。
再び体制を取り戻そうと、左右のパンチからの前蹴りをぶちこむ。
しかしコツコツと下段廻し蹴りをくらい、パンチに体重を乗せられなくなり、前蹴りを放つが止められず、打ち合いになれば押すことができるが、ついに右足のダメージが隠しきれなくなり、片足を上げて耐えようとし、左右の下突きを濫発して何とか逆転を試みるが、回り込みながらの下段廻し蹴りを食らい続け、最後は押し込もうとしたところに強烈な一発をもらい、ついに轟沈。
そのまま立ち上がることができず、マラデンペキックの第7回世界大会は終わった。
最後に戦った相手が世界チャンピオンクラス、さらには世界の第一線級で戦うには下段廻し蹴りのさばきに他所の難があったようだが、しかしそれにつけても大きな体、猛烈なパンチ、そのあまりにも巨大な圧力、それらによって我々に強烈なインパクトを与えた事は間違いないだろう。
超重圧――個人的にはその名を冠するにふさわしまでの力を備えていたと考えており、非常に印象に残っている選手の1人だ。
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