板垣学覚醒!シュガーレイレナード超高速連打が木端微塵に粉砕する!
板垣学vs星洋行
あまりにも有名にしてスピーディーにしてテクニカルと言われロベルト・デュラン、マービン・ハグラー、トーマス・ハーンズとともに、黄金のミドル級時代を作り上げたと言われる名ボクサー。
そんな彼の名前を、私の愛する超本格ボクシング漫画、はじめの一歩の中で見ることができる。
それは鴨川ジムの木村達也、その彼が後輩の試合を応援しているときに、ふと漏れたセリフだった。
レナードかよ、あいつは…
板垣学。
そのあまりにも卓越したボクシングセンス、動体視力、空間把握能力、そして常軌を逸したような反応速度、それにより相手に触れさせることができないどころか、相手との時間軸がずれてしまう、その様からクロノスと呼ばれるようになった、時を操る者と呼ばれるようになった、そのきっかけとも言える試合。
初の10ラウンド、初のイベンター、初の敵地での試合となった、西日本新人王、星洋行との戦い。
奇しくも私が学んでいる空手の正拳突きを武器としている彼との戦いで、板垣学が覚醒し、結果的一発ももらうことなく、わずか1ラウンド、超高速の連打により瞬殺KOを見せてしまった。
そしてその木村達也がその戦いぶりを見て連想した、シュガー・レイ・レナードの試合の中で今回ご紹介したいものが、NABFウェルター級タイトルマッチ、VSピート・ランザニー戦である。
vsピート・ランザニー
ピート・ランザニーは1976年から1979年までNABFタイトルを所持していたとされ、その間の戦いも非常に高いノックアウト率を誇り、多くの戦いの中で2つの負けと1つの引き分けしかしていないと言う、その時点でWBA及びWBCのウェルター級6位と、大変な強豪だ。
対するシュガー・レイ・レナードはその時点でWBA及びWBCのウェルター級2位、23勝無敗と言う圧倒的な実績をひっさげての登場だった。
開始と同時にピートはジャブを放ち、それをレナードが外す。
ピートがジャブジャブジャブで攻勢を取ろうとするが、レナードは対抗するどころかガードすら上げずに、鼻先でそれを見切って行く。
そして徐々に右手だけを上げて、臨戦態勢を作っているのだろうか?
余裕、私にはそうとしか感じられない。
避けながら徐々に徐々に、自分のギアを上げていっているような。
いやむしろリズムを感じて、リズムをとっているのか?
L字カードの、デトロイトスタイル。
かと思えばオーソドックスに構えたり、型にはまっていないと言うことか。
ようやく一瞬のジャブ、そして右ボディアッパー。
レナードはショルダーブロックが得意と言う話を聞いていた気がするが、やはり肩のフェイント、肩の使い方がうまい。
左のみの試合、しかしレナードのジャブだけが当たる。
そしてレナードの特徴とも言えるのか、ボディーの打ち分けが実に巧み。
同時代のロベルトデュランとは、逆の方向性を感じる。
第二ラウンド、レナードはフィリーシェルのように、全身を覆うようなカード。
そして鼻先でジャブを躱しての、左左左。
じっくりと見ていると思ったら、1分半あたりから急に上を上げて、強いパンチを繰り出す。
かと思えば頭を下げたり、くねくね揺れたり、手をぐるぐる回したり、いろいろ試していると言う段階と言うことか。
3ラウンドは逆にピートから前に出てくる。
それに今度はレナードはショルダーやブロックのガードを多様して、足を止めて応じる。
かと思ったらいきなり振り回すような左、そして巻き込むような左フックを直撃させて、場内を沸かせる。
そこから無理に追い込むことなく、小さな小さな小さなジャブを連打、そしてロープに追い込んで、小さく緩急をつけたフックを叩き込む。
モハメド・アリの如き身のこなし
その後ロープに追い詰められるが、余裕綽綽に逃げることもなく、コーナーに追い詰められ、しかしショルダーブロックや頭を振ることだけを躱して、挑発をかます始末。
まるでモハメドアリのようだ。
ここから明らかにレナートのギアが上がってきたように感じられる。
肩でリズムをとり、強いパンチを繰り出すとしているようだ。
第4ラウンド、レナードはここにきてオーソドックスに構え、ジャブの数を減らし、何かを狙っているような雰囲気を見せる。
そこからやはりL字ガードに変更、強烈なジャブを放ち、入ってきたところに強い左右フック。
そして相手のジャブを交わして交わして回り、頭を下げてジャブを放っての、そこから振り回すような右ストレート!
がくっときたところに、さらにチョッピングライト。
効いたところに左アッパーの連打、詰めていって左ジャブからの右ボディフック、左フック左フック左フック左フック左フック左フック左フック左フック、右フック右ストレートからの、まるで火がついたような連打連打連打連打連打!
ピートはひとたまりもなくのけぞり、そのまま背中からマットにダイブ!
立ち上がるが、そこにレナードはおそいかかり、左右のフック、アッパーを叩き込ん叩き込んで、まるでピートをピンボールのような状態に追い込み、圧倒的なまでのノックアウトを手にした。
まさに衝撃的なまでの高速連打。
ずっと淡々と打ち続けるのではなく、緩急をつけて、少し待ってフラッシュのように炸裂させ、そしてまた止まって、火がついたように爆発させる。
そのパンチの種類も変幻自在にして無数で、相手にとっては身構えることを、耐えることを許されない、それこそ散弾銃のような攻撃なのかもしれない。
まさしく時を操るがごときボクサー、スーパーエクスプレス、超特急、シュガー・レイレナード、その力の片鱗を見たような心地だった。
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