【ハガレン】ロイvsラストの死闘!七つの大罪色欲に炸裂させた焔の錬金術!

2024年4月9日

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鋼の錬金術師

錬金術によってありとあらゆるものを錬成し、それを武器に画面狭しと暴れまくる痛快アクションSFファンタジー超大作。

いや世間的にはダークファンタジーと呼ばれている。

私は実はこの作品はコンビニで見つけ、時系列的に兄弟が亡き母を生き返らせようとする、そのシーンから見て、1巻に戻ったので、ある意味では時系列に沿って物語を追っている一面がある。

生と死を扱い、その尊厳を問う奥深さ、伏線の巧みさ、そしてキャラクターの快活さ、胸のすくような派手なアクションシーン、全てが素晴らしい。

そしてどんどん高みに昇っていくような怒涛の展開に、胸をつかまれ、夢中になって何度も何度も読んだ記憶がある。

2度のアニメ化、2度の映画化、実写映画化、5度のゲーム化など、メディアミックスも多岐に渡り、日本を越えて世界に一大ブームメントを巻き起こしたと言える傑作だ。

そんな鋼の錬金術師の中で、私が特に気にいっていて、何度も何度も見たシーンと言うのは、錬金術師側の最大戦力の1つである、国家錬金術師の、焔の錬金術師ロイマスタングが、敵地に乗り込み、敵の最大勢力である7つの大罪の1つ、ラストとの戦いだ。

国家錬金術師である、ロイマスタング、その彼の親友であり戦友であり、妻と娘を溺愛して、いつでも彼自身を支えてくれたマース・ヒューズ。

しかし彼が賢者の石の秘密、軍の暗部、そして国の裏側のその真実に気づき、それを信頼するロイマスタングに伝えようとしたそこで、敵側である嫉妬エンヴィーに気づかれ、殺害されてしまい、その真相を暴くためロイマスタングは動いていた。

その過程で敵味方乱れる乱戦の中、ロイマスタングはホムンクルス側の実験室へと足を踏み入れ、そこで彼女が待ち構えていた。

7つの大罪 色欲のラスト

その彼女に、ロイマスタングは銃口を向けて尋ねる。

「ソラリス…といったか?」

「偽名よ」

「マースヒューズを知っているか?」

それにラストはゆっくりとまぶたを開く。

「よーく知ってるわ。

頭の回るいい男だったわね。

止めをさせなかったのが残念だったわ」

ロイマスタングの銃が、ラストの左太ももを貫く。

「跪け、洗いざらい吐くんだ」

それにラストは左手でその傷を治しながら答える。

「無理ね、あなたたちに私を跪かせることはできない」

4連射。

左、胸、腹、すべて正中線、急所を狙ったそれを受けて、後ずさり、ラストは笑う。

「ふ…ふふ…さすがイシュヴァ―ルの英雄は容赦ないわね」

そして自らがホムンクルスであることを語り、ラストはその爪の一撃でマスタングの銃を真っ二つにし、マスタング手袋をはめて、自らが得意とする焔の錬金術を放とうとする。

それにラストが素早く反応する、

「遅い!」

水道管を切り裂き、水をかぶせ、その能力を使用不能に追い込む。

そして周囲を竜巻のように切り裂きながら突っ込むラスト。

必死に振り解こうと後ろも見ずにハボックとロイは走る。

入り口の壁を背に、マスタングは手袋をつけ直す。

「むしろ好都合だろう、大量の水があると言う事は大量の水素もあると言うことだ。

可燃性ガスは錬成し放題、加えてこの密閉空間」

手のひらを水たまりにかざし、それを合図とするようにハボックが手持ちのライターを振りかぶる。

爆発。

勝利を確信し、死体を確認しようと足を踏み込む。

「バラバラに吹き飛ばされたが焼けたか…いやこれは間違いなく焼けてるな。

人が焼けると空気中に脂肪が飛散する、唇のあたりがその脂肪でベタついてくるからわかる」

その言葉に、部下であるハボックはうんざりした顔を見せて――

その爪が、背中を貫く。

まるで死体が墓から這いずり出るように、ラストが再生していく。

ハボックは血を吐きながら、皮肉を吐き出す。

「……っとに女運悪ぃ…」

しっかりしろ!と言うロイに、ラストは語りかける。

「だめね。もう助からない」

それにロイはいや、と反論。

その額を撃ち抜き、その胸に手を突っ込み、賢者の石をえぐり出した。

それにより専門外の治療系の錬金術を、石の力で底上げしてハボックに行おうとして――

その石からラストが再生されてしまった。

「淑女の胸元に手を突っ込むなんて、乱暴じゃなくて?」

驚愕するロイ、その腹をラストの爪が貫く。

「言ったはずよ、「賢者の石の方が核」だと。」

自らの勝因、マスタングの敗因を語りながら近づき、そして焔の錬金術の要である手袋を切り裂き、そしてその場を去っていく。

「目の前で部下が冷たくなっていくのを見ながらあなたも行きなさい」

マスタングが腹を抱えながら叫ぶ。

「ハボック少尉……おいハボック!

返事をしろハボック!

どいつもこいつも私より先に…くそ!

貴様、私より先に死ぬ事は許さんぞ!

ハボーック!!」

そしてラストはマスタングの部下であるホークアイ中尉のもとに訪れ、そして真実を告げる。

「どっちから逝く?

やっぱりここは中尉さんかしら?

あなた忠義が厚そうだものね。

すぐに上司の後を追わせてあげるわよ」

「待って…人柱を一晩に2人と言ったわね。まさか…まさか…」

ラストは残忍に笑う。

ホークアイ中尉は全てを悟り、叫ぶ。

「きっ……さまああああああああああああああああ!!」

撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃って、撃ちまくり、

再装填して、再装填して、さらには手持ちのリボルバーに変え、撃って、撃って撃って撃って撃って、そして最後にその額を撃ち抜き、後はひたすらに撃鉄を落とす音が虚しく鳴り響く。

ラストは一言だけ。

「終わり?」

何の意味もなく、すぐにダメージは消えて、元通りになるその現実に、ロイが殺されたという現実に、ホークアイ中尉は興奮から覚め、受け入れ、打ちのめされ、無力を悟り、泣き崩れ、そして武器を手放した。

「本当に愚かで弱い悲しい生き物ね」

その目の前に、アルフォンス・エルリックが立ちふさがる。

武器として槍を作るも、すぐに切り裂かれ、鋼の鎧の体も貫かれ、それでもその爪をつかんで離さず、ホークアイ中尉を守ろうとする。

絶望したホークアイ中尉は、アルフォンスに命令する。

「アルフォンス君、私を置いて逃げなさい」

「いやだ」

「逃げなさい、あなただけでも!!」

アルフォンスは叫ぶ。

「いやだ!

いやなんだよ、僕のせいで、自分の非力のせいで人が死ぬなんてもうたくさんだ!

守れたはずの人が目の前で死んでいくのを見るのは我慢できない!!」

そしてその叫びに呼応するように、聞こえるはずのない人の声が届く。

それにアルフォンスは即座に対応し、ホークアイ中尉と自分の目の前に巨大な壁を錬成する。

タイムラグはほぼゼロに等しかった。

強烈な焔が、ラストの足を焼き払う。

「なんですって!!」

驚くラストに、その背中から彼は声をかける。

反撃の燃え盛る焔

「戦の主導権を握るにはまず敵の機動力を削ぐ…

奇襲も有効的だ。覚えておけ。

ようやく跪いたな、ホムンクルス」

ライターの打ち石を火種にして…素手に血の錬成陣!」

追撃の焔。

その最中、ホムンクルスはどうしても疑問が頭から離れなかった。

「あの傷と出血ってどうやって!」

それにロイは、自らの軍服をはだけ、その傷跡を見せる。

「焼いて塞いだ!

二 三度気絶しかけたがな…!」

その傷をおもんぱかって、ホークアイ中尉が飛び出そうとするが、それをアルフォンスが止めたその瞬間、3度目の焔の錬金術。

もはやラストは、息すらもおぼつかない状態だった。

そこに、さらに、さらに、さらに連続の焔を投げかけながら、ロイは語る。

「貴様はこう言ったな。まだまだ死なないと」

そしてその焔は、瞳にすら宿っていた。

「ならば、死ぬまで殺すだけだ」

連撃、連撃、連撃、連撃――

もはや焔の嵐の最中、まともな回復すらおぼつかない中、ラストは力を振り絞り、その爪をロイへと伸ばす。

しかしそれを見てもなお、ロイは一切怯むことなく、躊躇せず、その指を、ラストへと向ける。

その爪が、ピタリと止まり、焔もまた、ようやくやんだ。

静寂。

命を賭した戦い、そこに身を投じている2人は、その終焉を誰よりもはっきりと悟っていた。

崩れ逝く体を認めながら、ラストを最後に優しく語りかける。

「完敗よ。

悔しいけど、貴方みたいな男にやられるのも悪くない。

その迷いのないまっすぐな瞳、好きよ」

その崩壊は顔にまで至り、それを受け入れるかのようにまぶたを閉じて、彼女は最後の言葉をロイに残す。

「楽しみね、その目が苦痛に歪む日は…

すぐ…そこ…」

それを見届け、ロイは一気にその顔を疲労と痛みに染め上げ、倒れ落ちた。

周囲が一気に駆け寄り、声をかける。

「しっかりしてください!」

「ああ中尉、無事だったか」

それにホークアイは怒りの非難をあげる。

「ご自分の心配をなさってください!」

そしてロイはさらにアルフォンスに声をかける。

「アルフォンス…私の部下を守ってくれて礼を言う」

アルフォンスも、

「そんなことより早く医者を!」

そしてマスタングは最後に、こう声をかけた。

「そうだ…早くハボックに医者を呼んでやってくれ、頼む…」

覚悟、矜持、その最たるものだと私は考える。

傷つけられれば傷つき、手足を失えば終わり、内臓にダメージを負えば勝負が決してしまう。

そんな中で、傷口を焼き、手のひらに直に錬成陣を描き、まさにその身を削って、迫りくる脅威にもひるむことなく立ち向かい、勝てるはずのない強敵を倒した。

その生き様、まさに男、そのあり方そのものと言える。

だが戦いが終われば、瀕死とも言える自分よりも、案じていた部下のことを思い、最後の最後に望むのは、やはり自分ではなく同じように傷ついた部下のこと。

理想の上司、理想の指導者、統率者、そして戦士。

その圧倒的な焔の錬金術の魅力もさることながら、彼のその戦いぶり、あり方、人間味、人間性、その素晴らしさが存分に現れているシーンだと、1戦だと言えるだろう。

大好きですロイマスタング、ほんとかっこいいです、今でもほんと大好きです憧れます!

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