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【Dr.STONE】楔を打ち続ける!石神千空×コハク邂逅の時!

2021年7月20日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

異色な科学漫画

それまで様々な漫画やアニメやゲームやライトノベルなどあらゆる媒体の物語を読んできて、楽しませてもらってきた。

しかしそんな中でも、ドクターストーンはまさに異色の作品だった。

彼が主人公である石神千空が武器とするものは、剣でも、魔法でも、拳でも、そして女の子の人気でもなく、科学。

あくまで私の話なのだが、それまで、科学を武器とした主人公やキャラクターなど、ほとんどいなかったのではないだろうか。

私も小説を書いているからわかるのだが、どうしてもバトル要素が絡む話の中で、科学を入れると、いろいろな意味で難しい場面が現れる。

物語である以上、バトルである以上、緊迫感が不可欠であり、当然主人公たちのチームが絶体絶命の窮地に陥れるられる場面が何度も何度も現れる。

その度に、科学知識のもとに、手持ちのなにか、薬品で、本当にそのちゃんと地のついた裏付けのある科学で対抗しようとすると、実際のところそれはうまくいかないと言うのが本当だったりする。

だから少年漫画なので科学担当のキャラは、何か爆弾だったり、何か銃だったり、よくわからない酸だったり、そういったパターンが多い、それは科学ではなくもはや単なる武器だ。

そしてこのドクターストーンでは、本当に科学の裏付けのもと、文明が原始時代まで遡った地球を舞台に、ゼロから科学文明を作り上げていく、その壮大で果てしなく厳しい状況の中で、決して折れることなく一歩一歩積み上げる千空のその生き様が本当にかっこよく、しびれる。

その中で、そんな彼のかっこよさが序盤、まぶしいほどに際立ったシーンを今回は紹介したいと思う。

一歩一歩楔を打ち続ける

それは原因不明の光線により人類が石化して3700年後。

ずっと意識を保ち続け、秒数を数えていたおかげで結果的に石化が解けた石上千空が、そのひたむきさと科学力で衣食住を手に入れ、わずかな手がかりから石化を解くカギが硝酸であることを突き止め仲間を復活させていったが、霊長類最強の高校生である獅子王司の、

「科学力を復活させない、

既得権益を持つ大人たちにこの世界を渡さない」

と言うその目的のために仲間を分断され、それぞれの役割を胸に、自分たち以外の人間の存在の兆し――狼煙を見つけ、その可能性にかけてそちらへ歩き出したところだった。

その狼煙を上げた人物、コハクは石化からの復活者ではなく、科学もない純粋な原始の人類であり、その直前に小川杠を人質に千空を襲ったシーンを見ており、それにチェックをして、司におそいかかっていた。

その戦闘力は認めつつも、自分にはかなわない、脅威ではないと判断した司は、コハクを突き飛ばし、手近にあった大木をその石の剣で真っ二つにして、そのコハクの上に落とすことで足止めとしてその場を去る。

駆けつけた千空は、コハクが巨木の下敷きになっている場面を見て、冷静に分析、判断を下す。

「無駄口叩くな!

自己紹介は後で飽きるほど聞いてやっから体力温存しやがれ

夕方まで粘れるか?

もう限界ならちょい残しの火薬で一か八かブチ飛ばす

だが粘れるなら、死ぬほど時間かかるが100億%助けてやる!!

てめえ本人じゃなきゃわからねえ二択なんだソッコー決めろ、どっちだ!」

冷静なようで、冷徹なようで、合理的なようで――

その奥に光るものは、ただただ善い人で、熱い。

そのまっすぐで純粋で私が好きなそんな人間性だった。

それにコハクは目の色を変えて答える。

「あぁ、内臓も骨も無事だ、粘れる!」

それに千空はかすかに笑い、自らが持つ石のハンマーで手近な木をガンガン削っていく。

「倒木の重量はざっくり1トンか。

傾けるなら半分の500キロ。

俺の体重が60キロちょいとして、× 2の3乗で500キログラム、三本ありゃギリいける!」

手持ちの黒色火薬で木の幹に穴を開ける。

「竹の強度がギリだな、土パンパンに詰めるしかねえ」

瞬間的に計算して、その場であるもので必要なものを工作していき、足りないものは工夫して何とか対応していく。

さらには木の弦を捻りに捻っていき――

「こんなとこで石鹸が火ィ噴くとはな」

貝殻と昆布から作った石鹸でその滑りを良くして――

「ククク、千空大先生の発明品オールスター大集合じゃねーか!」

その弦を高い位置の枝に引っ掛けて、まさに見るも巨大な装置を完成させる。

コハクは思わずつぶやく。

「なんなのだ、これは?」

千空は手を止めずに、どこか誇らしげに答える。

「科学だよ。

発明は紀元前数百年、アルキメデスのおっさんだ。

一高校生のゴミみてぇな力を、司も大樹も真っ青な怪力変換する――」

輝かしい邂逅

最後の声は、どこか誇らしげだった。

「滑車だ……!」

飛び降りて、その体重が滑車を回転させ、1トンもの動かすには何十人もの人の力を必要とするだろう大木を、ゆっくりとゆっくりと、まるで奇跡のように持ち上げていく。

開けていく、コハクの視界。

巨大なものが、人の手に余るものが、天空に昇っていく。

その光景を、コハクは瞳を揺らしながら、微動だにせず、できずに、見上げていた。

そして全てが終わり、千空がその弦を近くの大木に縛り付けている背中に、声を投げかける。

「……すばらしい」

「あぁ?」

「いや、そのアルキなんとかの知恵がじゃない」

両手を広げ、自由になったと言うのにしかしコハクは、別の要因によって、その場から動くことが出来なかった。

「君のその…一歩一歩問題解決と楔を打ち続ける、揺るがぬ信念がだよ」

ぽかんとする千空に、コハクは笑いかける。

「私の名はコハク。

どうやら私は、君のことがめっぽう好きになってしまったようだ」

この言葉は、ある意味では読者、視聴者、そして私に限って言えば、私自身のその思いを代弁してくれていた。

ほんとにこの男はかっこいい。

成果が出るか出ないか、苦労するかしないか、恋愛のその他諸々、

彼の前では、何の意味もなさない。

ただ目的があり、揺るがの信念があり、そのためにする努力、工程は、必要なものであり、それ以上でも以下でもなく、だからこそ楔を打ち続けることに、何の迷いも躊躇もない。

失敗しても失敗しても、何も気にせず、新たな楔を打ち付ける。

そしてその楔が、人の手に余る巨大なものが、いつか動かし、そして人の心を動かす。

本当にしびれる、こうなりたいと言う気持ちさえわかない、ただただただただ、憧れだけが胸を焦がす。

まさに友情努力勝利を掲げる、週刊少年ジャンプの、その究極とも言える主人公石神千空。

それを端的に表し、これからのさらに広がっていく物語の、その幕開けにふさわしい、そんな名シーンだと私は考えている。

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