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”幻の右”の真実!ガッツ石松日本初のタイトル奪取 はじめの一歩ヴォルグザンギエフのホワイトファングの如き一撃!

2021年7月20日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

幻の右

ガッツ石松と言えばOK牧場を中心とした、現在ではバラエティー番組に引っ張りだこのタレントと言うイメージが大きい。

かく言う私も、彼の現役時代の試合映像などを目の当たりにしたことがあるわけではなかった。

しかし彼には、格闘家として、そして漫画やアニメが好きなオタクとして、非常に惹きつけられる2つ名が備わっていた。

幻の右。

明らかに必殺技とか、隠しコマンドとか、そんな感じのスキルというか、そんな名前の異名を――

正直どういう技なのか、想像すらできない。

相当見えないのか、見えていても避けられないのか、もしくは何か特殊なのか――

そんな長年の疑問を、今回ボクシングを勉強していると言うことで、解き明かそうとした。

ガッツ石松の本名は鈴木有二。

ヨネクラボクシングジム所属で、当初のリングネームは鈴木石松と言ったらしい。

石松の由来は、死んでも治らないほどのおっちょこちょいという森の石松という人物、キャラクターから来ていると言う。

4回戦時代は勝ったり負けたりを繰り返していたというが、徐々に頭角を現していき、1972年に東洋ライト級タイトルを獲得。

しかし少しでも形成が悪くなると諦めがちだったり、ランニングが嫌いだったりと言うそういうところを改め、ガッツのあるボクサーになってくれるようにというジム側が思いを込めてリングネームをガッツ石松に改めたと言う話だ。

そして幻の右、その誕生秘話となったと言われているのが、1974年4月11日に行われた、WBC世界ライト級タイトルマッチ、ロドルフォ・ゴンザレスとの戦いだ。

やはりここでも立ちはだかるのは、メキシカンボクサーなのか……。

WBC世界ライト級タイトルマッチ

ロドルフォ・ゴンザレスは、その時点で62戦57勝47KO5敗。

しかもそれ以前過去5年間の敗北は1階級上の名王者に喫した1敗のみ、さらには直近の試合は5連続KO中という絶好調の相手。

対するガッツ石松はWBC世界ライト級7位、42戦26勝14KO11敗6分け、下馬評はガッツが99%勝てないと言われていたという。

三度笠、道中合羽で現れ、それを観客に投げるあたりが、現在とは違う雅さと言うが風流を感じるのは私だけだろうか。

開始直後、先に手を出したのはゴンザレスだったが、ガッツ石松は凄まじい集中力で鼻の先で見事にかわしていく。

そして30秒過ぎ、まるで弾丸のようなジャブ5連発で、オープニングヒットを奪った。

ゴンザレスが体を振りながら前に出て、ガッツ石松がそれを避けながら回ると言う展開。

2ラウンド開始直後のゴンサレスの右ストレートがガッツ石松の左の頬をとらえ――判断がつきづらいのだが、おそらくスリッピングアウェイで威力を殺しているのだろう、その後に何の支障もないようだった。

だとしたら、これはすごい高等技術だ――

その後、見事なライトクロスからの、返す刀のレフトクロスが炸裂!

ゴンザレスが下がる!

しかしガッツ石松は躱す、本当に躱す。

ボディはしっかりガードしているし、まさしく本人が語っている通りのモハメドアリを彷彿とさせると言ったら言い過ぎだろうか…

基本的にはアップライトで構え、ジャブを中心に、無理に前に出ることもなく、避けてかわして、そして瞬間的に合わせる、まさにきれいなアウトボクシング。

しかし3ラウンド2分で、ゴンザレスの右フックがガッツ石松の顎を捉え、その後ボディーの連打から左フックが再び顎をとらえた!

しかしそのピンチをチャンスに変え、むしろ前に出てきた無防備の顔面にジョルとの連動を叩き込む。

まさしく激戦!

そして4ラウンド、ワンツーの連打、ノーモーション左フック、そして左ジャブ7連打など、まさに多彩な攻撃で翻弄するガッツ石松。

それにゴンザレスはフック、アッパーと、逆に円形の攻撃で追い詰めてくる。

そして5ラウンド、ボディーに狙いを定めたゴンザレスが前に出てくるところに、下がってジャブ、下がってジャブ、下がってジャブから、下がってロープを使って反動を利用してのボディーが捉え、それが効いた!

ボディーを狙ったところに逆に効かせると言う憎い技!

そこでなぜか、6ラウンド直前に、レフェリーからガッツ石松に1ポイント減点が言い渡される。

ルールでは1ラウンドに2回注意があって、3度目に初めて減点で、しかもみたところどう考えても引っ掛けていたのに、これはどう考えてもおかしい判定だろう。

そして一気呵成に前に出てくるチャンピオン、下がって下がって、嫌な雰囲気が流れたところで、2分20秒、またもや見事なまでのライトフックが、チャンピオンの顎を完璧にとらえる!

第7ラウンド、ここまでで減点1があってイーブンだと言う判定基準。

歴史的な一撃

そして8ラウンド1分11秒、ゴンザレスの左アッパーに対しても左フックのカウンターが、見事に捉え、ゴンザレスの足がぐらつく

そこに左右の連打を叩き込み、ダウンをもぎ取る!

立ち上がったところにさらに連打を叩き込み、ガッツ石松は再びダウンを奪ったが、なぜかそこでスリップの判定、さらには審判がゴンザレスのグローブを引っ張って立ち上がらせると言う、信じられない暴挙。

この異常事態にセコンドらが激昂し、抗議のためにリングにあがりかける時代だったらしいが、ガッツ石松が冷静に、

大丈夫、倒すから

とセコンドを制した後に、再びの幻の右からの、怒りの左右のフック4連打!

ゴンザレスは完全に膝が砕けてのちにその名前がガッツポーズと呼ばれるよう日本に浸透したきっかけとなったと言う説がある、そのガッツポーズを突き上げ、史上初の日本人のライト級世界チャンピオンとなった!

その当時WBC、WBAの2団体しかない時代であり、当時のライト級は非常に層の厚い階級であっために、その偉業はまさに讃えられるべき快挙だった。

ガッツ石松のインタビューによると、幻の右はモハメドアリのファントムパンチをヒントとして生み出し、アリが得意としていた足を使っての素早いワンツーストレートを自分なりに見て参考にした結果だと言う。

この試合でゴンザレスから1度目、そして3度目のダウンを取ったその決め手となったパンチ。

そもそもが非常に早い左ジャブ――そこから普通はワンツーと1テンポ開けるところを、その半分以下の感覚で打ち込まれる右フック。

その緩急は凄まじく、相手にとっては左右の顎へほぼ同時に凄まじい衝撃が来たように思われるのではないだろうか?

逆に言うとあまりに凄まじい速さ、テクニックと言うものは、見ていてわかりづらいので、一般には浸透しにくいのも理解できると思う。

特に3度目のダウンのきっかけとなったそのパンチの凄まじさは、筆舌に尽くし難く、食った当人からすればその名の通り、幻の右と言って差し支えない超高等テクニックと、身体能力が生み出したスキルと言って構わないだろう。

その風貌に、そしてリングネームとは一線を画した、まさに華麗なる技術、倒しのテクニックを見せつけた、そして彼の名前、ガッツポーズ、私の右、その3つを満天の世に知らしめた、歴史的な1戦と言えるだろう。

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