【空の境界】”赤の魔術師”蒼崎橙子 禁忌犯したアルバを残虐使い魔で完全破壊!

2024年4月9日

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TYPE-MOON

現在スマホアプリを完全に席巻していると言っても過言ではない、Fate/Grand Order。

それを作っている、TYPE-MOON。

何を隠そう、私はTYPE-MOONが大好きだ。

TYPE-MOONが出している作品はすべてプレイしており、そのどれも共通している深い世界観と、独特な表現、魅力的なキャラクターたち、それに魅了されている。

そんなTYPE-MOONが、ひいてはそのシナリオライターである奈須きのこの、原点ともいえる作品、空の境界。

他の作品と比べても、また1歩深いというか、ディープというか、商業的なものを狙っていないというか、そういったところも古くからのファンに支持されていると捉えている。

そんな空の境界の中でも、個人的にトップクラスに気にいっているキャラクター、蒼崎橙子。

蒼崎橙子

この世界観において5人しか存在しない魔法使いの1人である、蒼崎青子の姉であり、建築デザイン事務所「伽藍の堂」社長、封印指定を受けた「冠位」の魔術師。

常にタバコを口にしており、眼鏡の装着の有無によって性格を入れ替え、眼鏡をつけているときの丁寧さと、外したときの冷酷さのギャップがたまらない。

本来継承するはずの魔法、「青」の称号をその妹に奪われ、継承争いに敗れた末に祖父をぶち殺して渡英、ロンドンの魔術教会で名を馳せ、その功績として教会から「赤」の称号を贈与されるが、本来望んでいた「青」とは真逆の「赤」を不服とし、その実情を知っているものに指摘されること、そしてそれを皮肉とした言葉にされることを自身の禁忌としていた。

今回取り上げたいのは、その近況を犯してしまった人間の末路を取り上げた1場面だ。

コルネリウス・アルバ。

彼女と同じ時間を過ごし、しかし彼女と同じ高みには登れず、評価を得られなかったがために、その現実、才能妬み、その存在そのものを簒奪、それによって越えようとしていた人間だった。

それを協力関係を結んだ荒耶宗蓮のおかげで彼女の肉体の生命活動を停止すると言う形で達成し、その頭部を受け取り、弟子の前で破壊すると言うことでカタルシス、達成感を得て、彼は満足していた。

しかしその直後、彼は信じられないものを目の当たりにする。

死んだはず、殺したはず、そのはずの蒼崎橙子が、目の前に現れた。

それを糾弾し、ここにいるお前はなんだと問うアルバに対して、蒼崎橙子はどうでも良いようにタバコを取り出し、火をつける。

決まっているじゃないか。

蒼崎橙子の香りだよ。

愕然とするアルバに対して、蒼崎橙子は不敵に笑う。

以前の私もこの私も、同じ作り物さ。

私はねぇ、アルバ。

私自身でさえ、いつ本物とすり変わったかわからないんだ。

蒼崎橙子は、人形師として、完全に自分と寸分違わぬ人形をつくりあげることができるようになり、それゆえに今の自分の必要性が感じられなくなり、だからこそ、今の自分が本物か否か、そこには全く頓着しないのだと言う。

そんな自己と言うものを全く他と区別しない、まるで機械のような何の感情もしない眼差しを見て、アルバは思わずつぶやいていた。

お前は――本物か?

それに蒼崎橙子は、玲瓏すぎる美貌で答える。

お前さぁ、この私に対してその質問に何の意味があるんだい?

そして蒼崎橙子は語る。

アルバに暴行された自分の弟子が、手遅れになる前に決着をつけようと。

そしてアルバは、蒼崎橙子は自らが殺されたその復讐、そして弟子を助けるために現れたのだと。

しかし蒼崎橙子はそうではないと一蹴する。

それに対してその大元である協力関係にある荒耶宗蓮を止めるために来たのかと尋ねる。

しかしそれも違うと、蒼崎橙子はそこで初めてまっすぐ、アルバムをにらみつけた。

”傷んだ赤色”

私はね、アルバ。

本当にお前にだけ用があるんだ。

アルバは戸惑う。

……なぜだ。

私が、君に何かしたか?

蒼崎橙子は地面に置いたトランクを蹴る。

別に何も。

学院時代からのお前の憎しみも悪くはなかった。

それは蒼崎橙子という私が優れている証だから。

ならば、なぜ

簡単だ

蒼崎橙子の足元のカバンが開く。

そこから闇が、顔――

”瞳”を見せる。

お前は、私はあの名で呼んだ。

その闇が、茨のように触手を伸ばし、コルネリウス・アルバの足をとらえる。

つかまえた。

や、やめろ……!

ほとんど反射のように言葉を紡ぎながら、コルネリウス・アルバは諦めていた。

そのまま触手は凄まじい勢いでアルバを引きずり、箱に引き込み、その箱から現れた何千と言う小さな口に、咀嚼される。

あああああああああああああああああ

それを見下ろし、蒼崎橙子は語る。

何の感情も見せずに、超然と見下ろし

学院時代からの決まりでね。

私を傷んだ赤色と呼んだものは、

例外なく

ぶち殺している

そして薄れゆく意識、消えゆく存在の中、コルネリウス・アルバは思った。

後悔した。

その、こんなおぞましい私を迎える自分を見てなお、嗤う彼女の瞳を見て。

……自分は失敗した。

こんな怪物どもと、関わるべきではなかったのだ……。

この戦いは、蒼崎橙子、その人間性、抱えているもの、その生き様、それを濃密に凝縮している、そんなシーンだと私は思っている。

やりとりは実に少ないが、交わされた言葉がものは重く、超然としている彼女が、何を許せないとしているか、何を何よりも大事と思っているか。

それが受け取れて、彼女の、その魅力が、こちらの心臓にダイレクトに打ち込まれるような心地だった。

まさにTYPE-MOON、那須きのこの、その真骨頂とも言える、鮮烈すぎる戦いとも言えない一方的な虐殺と言えるだろう。

劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)

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