【食戟のソーマ】 許せない…田所恵を傷つけた四宮小次郎へ幸平創真の挑戦!
前情報と評判の乖離
これほど前情報と、中身が乖離している作品もないと言われていた。
いや、前情報というか、もちろん評判が悪かったと言うわけでは決してない。
この作品を語るときに言われていたのは、お色気がメインじゃないからね、と言うことだった(笑
この漫画、作画がとてつもなく凄まじく良い。
とんでもなく緻密で、かつ華やかで、ばれて、そして男はイケメンで、女の子は凄まじくかわいい。
そしてかわいいのに、色っぽい。
そんな女の子たちが、試食して、そのおいしさに負けたときに、はだけるのが、特徴だ。
そして、それがとんでもなく色っぽいというかセクシーというか男心をくすぐるというか… (笑
だからどうしても、宣伝とか、そういうところでそういうシーンが使われがちで、そういうのメインのお色気漫画みたいな扱いを受けるんじゃないかみたいなことが言われたり言われてなかったりというかまぁ言われていた(笑
だけど、評判というか、よく言われていたのが、この漫画、中身が半端じゃないと言うことだった。
実際触れて、まさにその通りで、文句のつけようもなかった。
主人公、幸平創真。
彼は、私の知る限りでもありとあらゆる漫画アニメゲームの中でも、まさに男の中の男。
へらへらとしていて、ありとあらゆる事態に動じることなく、飄々と受け流し、しかしその胸の中には灼熱のような熱いものを持っていて、そしてそれを支えるような高い高い崇高な目標を掲げ、それに対する努力を決して惜しむ事は無い。
まじでかっこいい、憧れる、男が惚れる、そんな男の中の男だった。
そしてそんな彼の男振りが、まさにメーター振りきったシーンがあった。
田所恵を襲った理不尽――涙
幸平創真が下町の定食屋を一旦閉店し、入学した料理学校と遠月学園にて、その頭角を現し、物事が転がり始め、いよいよその仲間たちとともに渦中に入るか否かと言う、そんな最中で行われた講師の裁量次第で一発退場、つまりは退学もあり得ると言う過酷な宿泊研修での、その2日目。
初日に組んだ落ちこぼれと言われていた田所恵と見事なコンビネーション見せて関門を突破し、それにより田所恵も幸平創真のサポートができたと言うことでほんのちょっとだけ自信がついたような気がして、
もっとみんなと一緒にいたい、もっと料理が上手になりたいよ、私、がんばるね
といじらしい決意を、その小さな胸に秘めた、その2日目。
フランス料理の巨匠である四宮小次郎の課題である、指示されたレシピによる9種の野菜のテリーヌの際に、食材争奪戦に敗れ、状態の悪いカリフラワーしかない中、漂白作用及びカリフラワーの甘みを引き立てるために使用したワインビネガーでの見事な創意工夫を見せたが――
誰がレシピ、つまりは
「ルセットを変えていいと言った?」
の一言で、彼女はクビ――つまりは退学になってしまう。
それに創真は、納得いかないすね、それは不可抗力ってやつでしょ、それをカバーするために創意工夫して対応を、と噛み付く。
それ西宮は、
「シェフは俺だ、俺が作ったルセットに手を加えることが下っ端に許されるわけねーだろう!」
さらには、シェフの権限でお前もクビにしてやろうか、とすごむ。
逆上しそうになる創真に田所恵は、創真くん、もういいの、もう大丈夫だから、と止める。
「そ、創真くんまで退学になっちゃうべさ…ね? だからもうやめて…」
「ああ!? んなこと言ってる場合かよ!」
地元の普段は隠している方言まで出している田所恵に振り返ると、
「えへへ…いいの!
わ…私の…」
彼女は、おびえて、気の弱い彼女が、おびえて、震えて、そしてこれからの自分に絶望して、打ちのめされて、それでもなお弱さを包み隠して、笑っていた。
「私の事はもういいからっ
エヘヘ…」
自分よりも、幸平創真のことを思って。
それに、幸平創真の瞳が変わる。
ゆるせない――絶対不利な食戟の挑戦
無色透明なものから、怒り、滾り、彼女の手を振り切って――
「四宮先輩すんません!
最後にもういっこだけ…
遠月のあのルールって卒業生にも適用されるんすかね?」
「…何の話だ?」
ありえない言葉に、四宮もさすがに目を丸くする。
だけど創真は、既に臨戦態勢だった。
「――食戟。
食戟であんたを負かしたら田所の退学、取り消してくんないすか?」
まじかっこよすぎる。
そうとしか言いようがない。
田所恵、天使。
こんな激アツな場面、長くそういうのに触れてきても、そうそうあるものじゃない。
食戟の数もまだ少なく、食戟というものはあくまで生徒同士の自分の言い分を通すものであり、そしてまだ入学直後であり、そんな彼が、初めて出会った世界でもトップクラスの料理人に勝負を、しかも退学をかけて挑むなど、無謀通り越して、まさに驚天動地。
だけどそれでも、幸平創真は許せなかった。
田所恵と言う少女の、その一途さ、優しさ、その技術を、努力を踏みにじった、彼の行動を。
漢の中の漢。
少年漫画の主人公と言うのはこういうのを言うのだろう。
何度見ても、このシーンは、田所恵の優しさ、天使さ、そして幸平創真のかっこよさに涙を禁じえない。
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