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スレイヤーズ ラノベとファンタジー文化創造の原点して聖典

2021年4月15日

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この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

ライトノベル黎明期の創造主

私が生まれて初めて手に取った小説。

それこそライトノベル黎明期を支えたといっても過言ではない作品、スレイヤーズだ。

正直なところ、私はそれまで小説や、文字が苦手だった。

国語の現代文は軒並み満点が当たり前だったが、子供の頃から漫画やアニメやゲームに触れて育ってきたので、文字を読むのが億劫だと言うのもあった。

後は国語の授業。

小難しくて、だるくて、正直好きになれないそれらの文章を読んでいたこと、読書感想文のために指定図書を読んで、何の感想も抱けなかったことが大きいかもしれない。

こうして小説を書き、ブログで書評等を書くようになった今となっては皮肉な言葉に聞こえるかも知れないが、昔は本当に読書感想文が苦手で、何とも思わない本から感想をひねり出すために、たった400字の文章を書くのに3時間以上かかったのは苦い思い出だ。

そんな学校の図書館に、スレイヤーズがあった。

表紙が漫画だったので手に取ったら、しかし中身は文章というギャップ、戸惑いながら手を取ったように覚えている。

衝撃だった。

たった一冊のその中に、漫画で言えば5,6巻分もの濃密な物語が詰め込まれていた。

それから貪るように読んだ、あまりハマりすぎて、授業中教科書の陰に隠して読み込んだりまでした、何度も何度も繰り返し読んで、貸し出し票は私の名前で埋め尽くされたほどだった。

そして今回紹介するのは、そのアニメ版だ。

茶番回が評価を分けるアニメ版

これに関しては、私ははっきり言って評価が分かれるところだと思う。

スレイヤーズの無印、続編のネクストに関しては、かなり評価ができる。

なぜならば、原作の小説をベースにかなり忠実に作られているからだ。

しかしそれでも、途中で明らかに茶番とも言える回が挟まれている。

だがこれは、その頃の時代背景として仕方のないところもあるとは考えている。

だから正直言って、その回ごとに、クオリティーの差が激しい。

しかしそれを差し引いても、序盤と、話が大きく動く回、そして終盤は、神懸っていると言っても差し支えない。

スレイヤーズは、原作の小説の設定が、恐ろしくしっかりしている。

独自の――世界は混沌の海に刺さった杖の上に乗っている玉であると言う独自の解釈で、さらに魔法は魔族から力を借りて解放するとされ、それゆえに借りている魔族には効果を為さないなど、単純に爆裂や火炎や冷凍等といった単純なものとは一線を画す高度な駆け引きが実にしびれる。

魔法を放つための詠唱も、その独自解釈や引用によって威力が変わるなど、実に考察のしがいがある。

さらに特筆すべき点として、この世界観の中では人間は、最弱の存在として描かれている。

人間、その上にモンスター、ドラゴン、そこに絶対に超えられない壁があって、魔族という風になっている。

現在の俺TUEEE系に見られるように、レベルなどの概念を当たり前に持ち出している小説に見られるように、努力すればどうこうなると言うものでは決してない。

だからこそ、その元来は敵対すべき魔族に力を借りなければ、あっさり霧散してしまうようなはかない存在。

そこでどうするかと言う謀略策略戦術が、実に緊張感のあるしびれる雰囲気を醸し出している。

そういうシビアな世界観の中に身を置きながらも、代名詞ともいえる最強の黒魔術、竜破斬(ドラグ・スレイブ)を武器に趣味は盗賊いびり、ドラゴンを跨いで通るという二つ名で傍若無人に振舞う自称美少女天才魔導士リナ・インバースの生き方に読者、視聴者はひかれてしまうのだろう二重の意味で(笑

圧倒的強者との魔術戦略バトル!

特に無印の初っ端に相対するのが、この世界を統べる赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥと言うのが胸熱だ。

出し惜しみなしの全力の少年漫画的展開、そこに伝説である光の剣が登場し、そこに乗せる、とっておきの裏技的な究極呪文、重破斬(ギガ・スレイブ)。

そして呼び掛ける、乗っ取られた赤法師レゾの心。

ありとあらゆる力、武器、魔法、戦術を惜しみなくつぎ込んだその一撃に痺れない男の子はいなかっただろう。

そして無印の終盤で、その魔王の寄り代としてなっていた赤法師レゾのコピーとの激突。

1つの都市を消滅させるほどのド派手な展開からの決着は、まさかの飛翔呪文であるレイ・ウィングを活用した聖なる剣ブレスグレードでを構えたの特攻による刺突!

さらには背後にある瘴気を吸収するという聖樹フラグーンに自律系の回復呪文をかけることによって、瘴気そのもの存在とも言えるコピーレゾを吸収させるという仰天の決着方法!

斜め上を行く展開に、思わず唸らざるを得なかった。

そして迎えた次シリーズであるNEXT。

序盤の展開は少々だるくはあったが、正体不明にして神出鬼没の魔族ゼロス、そして魔竜王ガーヴが登場してからはまさしく怒涛の展開。

この世の全てを記録したと言われる伝説の魔道書、異界黙示録(クレアバイブル)から、究極呪文である重破斬(ギガ・スレイブ)の詠唱、その真実の意味に気づき、そこから新なる呪文、神滅斬(ラグナ・ブレード)を編み出し、絶対に敵わない力関係であるはずの魔王の四人の腹心の1人であるガーブが仲間をその圧倒的な力で蹂躙する中で、すべての力を振り絞るようなその一撃で、競り勝つ。

そこから、しかし本当の黒幕は冥王(ヘルマスター)フィブリゾであると知り、彼によって主人公リナ・インバースのパートナーであり、光の剣の所有者であるガウリイはさらわれてしまう。

そして滅ぼされたはずのサイラーグの都市が当時のそのまま再生されており、それは魂をもて遊ぶフィブリゾが作り出した死霊都市そのものだった。

まさに背筋がゾクゾクする展開、そこからフィブリゾの下へ向かうのだが、仲間たちは一矢報いるどころか、近づくことさえ許されずに次々と倒れていく。

その中で世界を滅ぼすと言われ、禁じ手にしていた重破斬(ギガ・スレイブ)の完全版を、リナ・インバースはついに放ってしまう。

しかし当然のように制御などできずに、リナ・インバースは主である金色の魔王に体を乗っ取られてしまう。

原作でも屈指と言われるこのストーリーの、映像化、その展開、まさしくファンタジーの王道を突き進んだ、その様をまざまざと見せられる心地だった。

しかし正直言って、第三部であるTRYからは、正直私個人的な評価は辛口だ。

完全オリジナルの3部以降は最終二話以外は観なくていいかも?

原作小説を下地にしていないので、展開が全体的に茶番であり、さらにはそれぞれに使える魔法や、得意な戦法や、そういった違いがほとんどなくなり、ただのレーザー光線の弾幕バトルに成り下がっている。

特に最後は単なる伝説の武器を持って振り回すだけになっていて、個人的には旨味を消していると考えている。

その後の続編である第4、5部のREVOLUTION、EVOLUTION-Rも同様で、どうしても展開に行き当たりばったり感が否めないし、個人的にそれまでに絶望的なまでの強敵を倒してきたリナ・インバース率いる主人公チームが、あまりにもあっさりと窮地に陥りすぎるし、切り札があるのがわかっているし、繰り広げられる展開も似たようなものが続くので、全く緊迫感がない。

しかしそれでも最終回、その手前の1話は、それまでの伏線を十分に回収するもので、特に最終回で放たれた、完全版の重破斬(ギガ・スレイブ)は、実はそれだけ長くにわたって物語が続いてきていながら唯一の完全版単発成功の一撃だったりするので、非常にレアなものだったりする。

ずっとそういう背景や流れを追ってきた身としては、その瞬間、リナ・インバースの声優である林原めぐみが「ギガッ・スレェェィィィイイブッッッッ!!!」と叫んだその瞬間、全身が総毛立ち、まるで天にも昇るようなカタルシスに包まれた。

すべてはこの瞬間のためにあったのか、とその2シリーズを捉えても間違いでは無いような瞬間だった。

しかしそれにしても長すぎるので、正直言ってTRY以降は見るかどうかお勧めするのはなかなか微妙なところだ。

迷っている人はぜひ無印と、ネクストまではチェックしてほしい。

これこそが、すべての原点であり、バイブルなのだから。

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