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ⅩⅩⅧ/死の在り方②

2020年10月8日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikukose

本編

 その目の前に、今まで高みの見物を決め込んでいた兵たちが、殺到する。
 その顔には、笑みが張り付いていた。

「……まさかルベラータ隊長を倒せる奴がこの世の中にいるとはな。驚いたが、その賊を我らが仕留めたとなれば、名も上がること請け合い。ルベラータ隊長には我らが兵団の名を高めるための礎となってもらいましょう」

「……どけよ」

 ニヤリと笑って、青い顔でベトは笑った。

 その様子に、目の前に立つ兵士は気圧される。
 半死半生、どう考えても放っておいても死ぬだろう男のこの表情は、なんだ?
 そこから発される威圧感は、なんなんだ? といった感じに。

 兵はそこで踏みとどまり、剣に手をかけた。

「お、お前もここで終わりだ、首斬り公。最後になにか、言い残すことはあるか?」

 ベトは笑みを湛えたままの表情で、

「死なねぇよ、オレは……ンな、見栄ばっかの城でよ」

「それが最期の言葉か、冴えなかったな!」

 兵の剣が、振り下ろされる。
 それを躱す手立ても防ぐ手段も、いまのベトにはない。
 それをベトはただうすら笑いで見上げ――

「このアホがっ!」

 代わりのように。

 長い間連れ添ってきた激情家のレックスの剣が、防いでいた。

 突然の登場にも、ベトは驚いた様子は見えなかった。
 というか、気づいていた。

 アジトを出てからこっち、ずっとついてくる気配に。
 向けられる視線に。

 気づかないわけがなかった。
 相手は傭兵団で一番、それはそういう真似が苦手な相手だった。

「……おいおい、どうしたんだよお前?」

 うすら笑いで言ってやると、レックスはバツの悪そうに剣を止めたまま首だけで振り返った。

「……っせぇな、このアホ。だいたい何やってんだよてめえ大勢に策もなく特攻するわ左腕は持っていかれるわ敵の目の前でぼうっとしてるわ。てめえらしくもねえ」

「そうか?」

 笑い飛ばすとレックスは、はあ? といった感じで突っかかりそうになったが――相手からの剣に交戦中なのを思い出し、

「っ……てめゴラァ!」

 瞬間沸騰し、気合いで相手の剣を殴り飛ばした。
 それに兵は、目を丸くする。

 レックスの剣は、勢いの剣だ。
 ベトのようにタメや、破壊力を求めていない。
 ただただ振りまわすが、それゆえモーションがなく、相手の虚を突くことが出来る。

 そして、連打が効く。

「オラオラオラオラオラオラオラ――――っ!!」

 上下左右に、滅多斬りにする。
 テクには乏しいが、それを帳消しにするだけの若さが、スタミナが、勢いがレックスにはあった。
 実は旅立つ日、50の敵のうち10を倒したのはベトだったが、4を倒したのはレックスだった。

「くっ、ぐお、ぉ……!?」

 その勢いに、前線に出ていた男たちは大きく後ずさる。
 もちろんそんな無茶打ちで倒れてくれるような敵はいないが、しかし時間は稼いだ。

 声をかける。

「今だいけやてめぇベトォ!」

 その熱い男の熱い言葉に、ベトは苦笑いで応えて王の元へ向かう。
 その先で立ち塞がろうとした兵を、レックスが打ち払う。

 便利な奴だ、とは言わないでおこう。
 助かったのは、事実だ。

 だけど最後に、ベトは尋ねておいた。

「で。お前、なんできた?」

「……見届けたかったんだよ、彼女を」

 振り返らないその言葉に、ベトはニヤニヤ笑いを止められなかった。

「っへぇ? 惚れたか、お前?」

「バカ言ってんじゃねぇよ、とっとといっちまえってんだ!」

 思わず振り返り、そして後ろに怒り任せの突きを放ち――

「ば、かな……?」

 先ほどベトを斬り、出世を夢見ていた男の脇の隙間から入り胸の奥へと、突き刺さった。

「お、れがこ、んな……ところ、で……?」

「ハッ? 死ぬやつは、死ぬんだよ。身分とか、関係ねぇわ」

 ぬぽ、と剣を引き抜く。

 既にベトは、遠くに向かっていた。
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