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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

「大学生活の半分は休みだ。後一ヵ月ちょいでオレたちも二ヵ月の夏休みに入る。二ヵ月だぞ! そんなに間が空いたら、今まで築き上げてきた好感度もまた、一から積み上げなきゃならなくなるだろ? それに今のうちに親しくなっとけば、夏休みは……」

 にやり、と含み笑いを見せる。
 それを聞き、僕も考える。

 ……そうか。
 そう考えると、確かに今のうちに頑張ってた方が……ん?

 何か、違和感を感じる。
 なんだろうこの感じ。
 何かが引っ掛かっているような……

「お前だって早く暗戸っちと恋人同士になりたいだろ? そしたらお前の彼女いない暦も、ようやく二十年でストップ出来るしな」

 …………あ。

 そうか、そうなのだ。
 今、引っ掛かっていた違和感。

 それは……彼女に対する感情に、ハッキリとしたベクトルが向いていないことが原因だったのだ。

 恋愛感情がない、と断言するつもりはない。
 だけどそれ以上に、彼女に対しては抱いている感情が多すぎる。


 まず第一に、彼女には謎が多い。
 なぜいつも一人なのか。
 なぜ目を引きすぎる黒一色の服を着ているのか。
 なぜ一切喋らずメールのみで意志疎通するのか。
 デートの時のあの、発作のような症状の意味とは。

 そして、話し掛けたきっかけでもある、バッグからほんの僅か見え隠れしていた……今となっては記憶も曖昧で断言できないが、骨のように見えたものの意味とは。

 それらの謎が僕に、好奇心や恐怖といった感情を抱かせている。
 さらに時折見せる、妙に子供っぽい表情と行動が、僕に父性本能(?)のようなものを起こさせていていたし、この前のデートから出てきた、友達としての感情。

 それらのさまざまな感情が幾重にも複雑に絡まって、引っ張り合って、ほつれて――正直自分でも、彼女のことをどう思ってるのか、定義出来なくなっていた。

 そもそも僕は、本当の意味での恋愛というものをしたことがない。
 余り話さず一方的に好きになり、告白して、玉砕して、忘れる。
 そんな一方通行な恋慕の繰り返しで、こんなに深く女の子と関わったこともなければ、本当に相手を想うということの意味も分からない。

 だから、一言だけ。

「……よく、わからん。好きなのか、どうか……」

 語りえないことに関しては沈黙しなければならない。
 誰か昔の偉い人の言葉だったと思う。

 しかし切間は、大して気にも留めなかった様子で、

「気にすんなって。んなこと、オレもよくあったさ。とりあえずデートを重ねてくうちに、自分の気持ちがわかるって。だからあんま気にすんな。でも一言だけ。『女を舐めるな。自分がその立場になった時のことを考えろ』」

「……それって脅してないか?」

「いんにゃ、真実」

 急かされたような、それでいて脅されたような気もするけど、とりあえず好きなのかどうか。
 その気持ちを確かめるためだけにしても、今日、彼女を海に誘うことに決めた。

 そうしたら、一つの問題に気づいた。

「あ、でもさ。隼人もその場にいるのに、そいつだけ誘わないってのは微妙じゃないか?」

 そんな時でもイベント慣れしてる切間は、即座にアイデアを思いついた。

「そっか? なら……」
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