新着記事

極真空手家ビターゼ・アミランとヨハン・ベプセライネンとイカロ・ナシメント

: 空手および格闘技

“身長2M越えの巨漢たち”アミランビターゼ ヨハンベプセライネン イカロナシメント 異彩を放ったその結末を見逃すな!

身長2メートル 海外、ヨーロッパやアメリカ、アフリカなどでは、身長180センチ、 ...
三日月蹴りを放つ極真空手家盧山初雄

: 空手および格闘技

“三日月蹴り”盧山初雄 カレンバッハと闘い嵐五郎でキック、澤井健一・中村日出夫に学び、第5回全日本大会で二宮城光、佐藤勝昭を破り”日大の花”山崎照朝と激突!

大山道場に入門 極真の歴史の中でも大山道場時代、極真空手時代、その両方でそして長 ...
デンプシーロールを放つヘラルド・マルチネスと闘う長谷川穂積

: 空手および格闘技

原型版デンプシーロール!長谷川穂積最初の防衛で炸裂した誇りを懸けた連打!!

長谷川穂積vsヘラルド・マルチネス 言わずもがな、WBCの世界タイトル3階級制覇 ...
極真空手家山崎照朝と盧山初雄

: 空手および格闘技

【極真の精華】日大の花vs三日月蹴り 山崎照朝と盧山初雄 天地と前羽の構え 壇上を彩った”花”と”月”の名勝負!

"日大の花"山崎照朝 極真史に燦然と輝く天才空手家。 あの、"スモールタイガー" ...

記事ジャンル一覧

#47「純化」

2020年10月7日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング

最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________

目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 沈黙がおりた。
 それも当然だった。
 こんな質問、答えようがない。

 ぼくはただ天を仰ぎ、雪を見つめ続ける。
 そこに昇っていけるのかと、考えながら。

「わかった」

「?」

 一瞬なにがわかったのか、わからなかった。
 ぼくが視線を下ろすと、彼女は真っ直ぐにぼくを見つめていた。

 それに、意味を知る。

「わたしが、連れていってあげる」

 彼女はゆっくりと、ぼくに近いづいてくる。
 それをぼくは、ただ見つめる。

 まるで最初の出会い。
 それを、思い出していた。

 なにが起こっているのか、そして起こるのか、まったくわからない。
 ぼくはそれが、不安で不安で仕方がなかった。
 だから考える余裕も、なかった。

 だけど今は、少しわかった。

「きみも……不安、だったんだね」

 ぼくに伸ばされる手が、止まる。
 雪が、降っている。
 とめどなく。

 それになにもかも、浄化されていく。
 純化、されていく。

「さみしかった……」

 手をこちらへと差し出した姿勢のまま、彼女はぽつりと、つぶやいた。
 その一言には、万語にも及ぶ意味が込められているようだった。
 それはぼくにわかる範囲だけでも何百という可能性が受け取れたことからも予想できたことだった。
 だからぼくは何も言わず、微笑んでいた。

 彼女のために。
 強制されてのものではなく、ただ彼女のために、そうしたかったから。

「そうだったんだ……気づいてあげられなくて、ごめんね?」

 サインはいくつも、いくらでもあった。
 その筈だった。

 だけどぼくは、気づけなかった。
 最初から最後までぼくは、自分のことだけで悩んでいた。
 ぼくという存在の、魂の範囲から、一歩だって抜け出していなかったんだ。

 ぼくらは既に、降り注いでは溶けていく雪で、濡れていた。
 足も、肩も、頬も。

 だから気づくのが、遅れた。





 泣いているのはぼくではなく、彼女の方だということに。
 なにもかも、手遅れだった。

「遼は……死にたいん、だよね?」

「きみに、それをどうにか出来る力が、あるの?」

 力なく、首を横に振るマヤ。
 だと思っていた。
 そうでなければ、質問が最初からすり変わっていたはずだった。

 彼女がぼくに告げたのは、ただひとつ。

「なら……殺してくれ」

 実際のところぼくは彼女の正体に、薄々ながら見当をつけていたのかもしれない。
 それを事ここに至って、思った。
 思い知った。

 だからといって、なにが変わるというわけでも、ないのだけれど。

「なに……言って?」

 空を見上げたままのぼくの言葉に、マヤは驚いたように目を白黒させた。
 それに対してぼくは、笑いかけた。

 きっと残酷な笑みを作れたと、確信できる。

「言った、よね? 最初に会った時、ぼくを殺すためにきたって。ぼくはそれに、殺してくれていいから、話し相手になってくれないかって聞いて……きみはその通りに、してくれた」

「そ、れは……」

「満足だ。ぼくは、きみになら殺されても、いい……」

 凍りつく彼女の言葉を、ぼくは遮った。

 病気に幕引きにされたくないという想いは、いつもあった。

 病気なんかに、突然降って沸いた脇役なんかに、成海遼の物語を終わりにされたくないという想いは、いつでもあった。

 ひとはいつか死ぬ。
 それは避けられない。
 だったらせめて死に方ぐらい、選びたいと。

 彼女は、瞳を揺らしていた。
 これじゃあどっちが死にそうなのかわからない。
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇