新着記事

Thumbnail of new posts 064

: 空手および格闘技

“武芸者”木村靖彦 日本連続準優勝,世界連続6位で日本を支えた大黒柱!

左中段廻し蹴り 極真空手の歴史の中で、様々な得意技を持つ選手たちを見てきたが、そ ...
Thumbnail of new posts 075

: 空手および格闘技

極真史上最強に名を連ねる五人の空手家たち

極真史上最も強い人間とは誰か? そう考えた場合に、極真空手を20年以上行ってきて ...
Thumbnail of new posts 086

: 神アニメレビュー

【かおす寒鰤屋】この程度の雨なら濡れるのも風情だ――名作漫画名言

骨董がテーマのジャンプ漫画 ジャンプ漫画の中でも極めて珍しい、骨董をテーマにした ...
Thumbnail of new posts 077

: 神アニメレビュー

【Dr.STONE】楔を打ち続ける!石神千空×コハク邂逅の時!

異色な科学漫画 それまで様々な漫画やアニメやゲームやライトノベルなどあらゆる媒体 ...

記事ジャンル一覧

関連記事

  • ⅩⅢ/弓兵①

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編 「…………」  アレは俯き、静かに呼吸を整える。 好意が見えないから、安心する。  それは普通の在り方からは考えれな ……

  • ⅩⅩⅢ/アレ=クロア③

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編 「い、いや、してませんよっ! それはいわゆる魔女でして、わたしは魔法使いで、その違いは――」 「なら、関係ないな。オ ……

  • 第9話「仮初の日常①」

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  桐峰筋(きりみねすじ)。  早瀬市(はやせし)の中心地に位置する繁華街のここは、市内でも一際都会然とした雰囲気を漂 ……

  • 第七話「天寺司考察②」殴り蹴りあう空手家二人

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  再び思考。  あの時大島と天寺の間には、腕を伸ばしたくらいの距離があった。しかも大島の目の前には自分がいた。 身長 ……

#34「感動」

2020年10月7日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング

最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________

目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 初めて泣いた。

 テレビや本や漫画やその他もろもろの物語の中では登場人物たちはよく泣いていたけど、実際ぼく自身が泣くのは、初めてだった。
 泣くのに近い感情――憤りや、歯がゆさを感じることはあったが、泣くまでには至らなかった。
 せいぜい歯噛みし、鼻水を垂らすくらいのもの。

 この涙は、自然に出てきた。

 これが感動というのだと、実感した。

「遼、悲しい?」

 ぼくの顔を覗き込むように、彼女が尋ねる。

 それにぼくは以前と同じように目元を拭い、笑みを浮かべる。
 それは空々しい今までのモノと違い、ニカッと。

「いや、嬉しいよ」

 正直に。
 そう、思えた。

 東京タワーではなく、こちらに来てよかったと思える。
 彼女の言葉に、ぼくは救われた形になった。

「そう、よかった」

 そして彼女も、快活に笑った。
 二人して深夜に建設途中のスカイツリーの前で、ニカニカと笑い合った。

 それは周りから見れば奇怪な光景だったに違いないが、ぼくたちにとっては、なによりの冒険だった。

「遼、中に入る?」

「うーん、そうだね」

 笑いながら、ぼくは問いかけを吟味する。
 興味が無いわけではなかった。

 だが現実問題、それは難しいと思えた。
 周囲は工事現場にありがちな壁のようなバリケードで囲われていて、入口らしきものもあったがどう考えても鍵か何かがかけられている可能性が大だった。
 加えて外見はまとおもでも中は伽藍胴の可能性も高く、エレベーターが動いていなければ上にも昇れない。

 それになにより、

「ここは、外から見るからこそ綺麗な気もするしね」

「そか」

 マヤはそれ以上、追及してこなかった。
 それにぼくは言葉を重ねる労を回避した。
 助かった、というよりは、どこか安堵したというか、安心できる心地になった。

 あぁ、そうか。
 これが、ひとから肯定されるという安心感なのか。

 そしてしばらく、ぼくたちはスカイツリーを見上げていた。
 飽きなかった。
 飽きるわけなかった。

 初めて見て、そして感動したものは、飽きるまで間が空く。
 だけどぼくと彼女には、あまり時間がなかった。

 体力という現実問題が、ぼくたちを襲っていた。

「帰ろうか」

 ぼくは特に考えなく、呟いていた。

 行くあてもない。
 お金にも限りがある。
 朝が迫っている。
 帰らなくては、いけないだろう。

 すると彼女はひらりと軽快に振り返り、

「遼は、帰りたい?」

 難しい質問だったが、こう答えるしかないのも事実だった。

「帰りたいかどうかは微妙だけど、帰らないといけないと思う」

 既に手足の感覚はなくなりつつある。
 頭もぼんやりとする。

 ただ彼女と繋いだ手だけが、ぼくを支えていた。

「じゃあ、帰ろう」

 すると彼女はどうしたことだろう空いている方の右手を、空に掲げた。
 つられて見上げたが、偶然の満月が夜空を照らしているだけだった。
 そのせいか、星が少ない。

 意図が、読めなかった。

「? どうしたの、マヤ?」

「わたし、妖精なの」

 嘘みたいな、最初の頃の言葉。

「……マヤ?」

「だから魔法が、使えるの」

 一瞬眩しい光が、ぼくの網膜を焼いたようだった。





「それで気づいたら、病室だったと?」

 棚多さんからの問いかけに、ぼくは頷く他なかった。
 まるで夢みたいな出来事だ。
 というより、実際夢を見てたのかもしれない。

 いずれにしても、出来過ぎていると言って間違いないだろう。
 深夜の2とか3とか4時とかの筈の時間帯にスカイツリーの前で二人して帰ろうかという話をしてたっていうのに。

 魔法を使えるという彼女の言葉と共に現れた光に視界を奪われて。
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇