新着記事

Thumbnail of new posts 080

: 空手および格闘技

“格闘マシーン”黒澤浩樹 初出場優勝最年少 松井章圭と死闘,下段で一本勝ちの山を築き上げた軌跡!

魂の下段廻し蹴り それに命をかけた選手というのが私の知る限り、四人存在している。 ...
Thumbnail of new posts 067

: 空手および格闘技

“武芸者”木村靖彦 日本連続準優勝,世界連続6位で日本を支えた大黒柱!

左中段廻し蹴り 極真空手の歴史の中で、様々な得意技を持つ選手たちを見てきたが、そ ...
Thumbnail of new posts 040

: 空手および格闘技

極真史上最強に名を連ねる五人の空手家たち

極真史上最も強い人間とは誰か? そう考えた場合に、極真空手を20年以上行ってきて ...
Thumbnail of new posts 088

: 神アニメレビュー

【かおす寒鰤屋】この程度の雨なら濡れるのも風情だ――名作漫画名言

骨董がテーマのジャンプ漫画 ジャンプ漫画の中でも極めて珍しい、骨董をテーマにした ...

記事ジャンル一覧

関連記事

  • #20「聞き飽きた、常套句」小説月が堕ちた夜の表紙

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  朝起きると、いつものように彼女の姿はなかった。  まるで夢か、幻のように。 それがもし事実とするなら、ぼくはもう先 ……

  • 第45話「真っ黒な携帯」

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  不意打ちだった。  切間からケースとして教えられてはいたが、まさか本当にOKを貰えることがありえるとは夢にも思って ……

  • ⅩⅣ/悪魔憑き①

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  二年が経ち、ハントスは活気を取り戻していた。 いやその言い方では語弊があった。  ハントスは、前以上に栄えていた。 ……

  • #29「委ねる。心に。選択を」小説月が堕ちた夜の表紙

    最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む___________________ 本編  いつの間にか、肩に力が入っていた。 「そう……そう、ですね。その通りです。ぼくは……いや、棚多さんのいうとおりです ……

ⅩⅣ/悪魔憑き⑥

2020年10月9日

まずはブログランキングにクリックのご支援
何卒宜しくお願いします。

 にほんブログ村 にほんブログ村へ 
 にほんブログ村ランキング   人気ブログランキング

最初から読みたい方はこちらへ! → 初めから読む
___________________

目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 しかし感じている当人が言うことしか出来なくてかなしいというのもなかなかに突きぬけた感性であり、そして自分がかなしいとはいったいどういう意味なのか?

 アレは涙を零し続け視線を宙に漂わせたまま、

「……運命に逆らえナイのが、かナしい」

 ピシリ、と何かにヒビが入ったようにマテロフは感じた。

 自分がなにに、憤っていたのか。
 村を襲った野盗にか?
 対抗手段を講じなかった村にか?
 来るのが遅れた援軍にか?
 それとも何もかも最悪になるまでなにも出来なかった自分にか?

 違った。

 自分は、その運命の歯車そのものを、呪ったのだ。

「か、な……っ、あ、貴女、に……!」

 なにがわかるの?

 とは言えなかった。
 わかるのだろう、この少女には。

 詳しい事情は、最初の荷馬車で同席した時と食事の席で聞いている。
 似た様な境遇だ。

 いや自分はこうして自分の足で歩けて、剣を振ることが出来るだけマシなのかもしれない。
 なにもかもを諦めずには、済んだから。

 目の前の少女は、どんな運命をすら受け入れ、諦め、このように悲しむことしか、出来なかったのだから。

「ッ……く、ぅ……!」

 それこそ悲しみが、倍して肩にのしかかるような心地だった。
 自分を苦しみ、そして縛りつけ未来永劫決して離さないものの正体が、見えてしまった。

 その、結末が。

 決して自分は、幸福にはなれない。
 この鎖に、捕われている限りは。

 だから哀しい。
 わたしは、哀しいのだと。

 気づかずマテロフは、涙をこぼしていた。

「っ……ぅ、く……ぅう!」

「マテロフさん……」

 顔を覆い泣き崩れるマテロフに、アレが寄り添う。
 そして両肩を抱き、正面から、マテロフを覆った。

 それはまるで、吹きつける雪から彼女を守るように。
 世界の悲しさから、彼女を守るように。


「う……あ、ぅ……そんな、そんなことって……!」

「哀しいですか……哀しいですよね、哀しいですよね、哀しい、ですよね……」

「うぅ、あぅ……ううううぅもう、嫌……ッ!」

「ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい……」

 ダダをこめる子供のようになったマテロフに、アレはなぜか謝罪の言葉を吐き続けた。
 マテロフはそれに、ただ身を委ねた。

 端的に言えば、甘えた。

「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい、マテロフ……」

「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい、マテロフ……」

 心地よかった。
 その言葉の意味するところなどどうでもよく、ただ自分が欲していたのはその言葉なのだと思った。

 ただ、謝罪が欲しかった?
 誰でもいいから?

 いや違う。

 マテロフはただ――優しい言葉で、癒されたかった。
 それも誰でもいいわけではなく、自分のことを芯から理解してくれる相手に。

「う、ぅ……ふぅ」

 気持ちが落ち着き、整理され、あるべき場所に置かれ、そしてマテロフは、身体を起こした。

 その瞳は、以前のものとは違っていた。
 絶望し、沈み込み、目の前のものから眼を逸らし接触を拒んでいたものではない――少しだけだが、野盗が来る前のパン屋の看板娘と評判だった頃に、戻って。

 くるり、と軽快にマテロフはアレを見つめる。

「ありがとう」

 一文字一文字、噛みしめるように発音した。

 初めてだった。
 事件以来、この言葉を口にするのは。

 なぜしたのかは、わからなかった。
 だけどなぜか、したくてたまらなかった。

 アレは口元を柔らかく緩めて、目を線のように細めて、こちらまでつられるようなそれはそれはまるで春の日に見る太陽のような笑みを浮かべた。

「よかった」

 彼女が、魔女なわけがない。

 天使がいるとしたら、こんな娘だろうとマテロフは思ったりした。
___________________

続きはこちらへ! → 次話へ進む

クリック👍のご支援お願いします。
にほんブログ村 にほんブログ村へ 
ありがとうございますっ!🙇