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第43話「作戦その2「男らしく熱く語ってけ!ww」」

2020年10月8日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

「と……とりあえず、現段階としては最後の先走り」

 睨むと、悪かった悪かったもうからかわねーよ、とにやけ面(づら)のまま手を振り、

「意外は案外うまくいってんだな」

 案外ってなんだよ、お前の作戦だろ。

「じゃあ次の段階はやっぱ――

 ケー番と、メルアドか」

 作戦会議が始まった。
 昨日の再現だった。

 それから切間は僕に様々なアイディアを出させた。
 三十分もした頃だろうか。僕としては至極普通の、まっとうなやり方を口にしていたつもりなのだが、だんだんと切間が焦れてきたのが見て取れて、頂点に達した。

 ちょ、お前、全然駄目! と叫んだかと思うと急に僕が眩暈を起こすような破天荒な作戦を次々と打ち立てていった。
 それに僕が

「こう言われたら?」

 とか、

「この場合はどうすんの?」

 とか様々なシチュエーションを想定した質問をすると、切間はそれに対しても予め用意してたようにすらすらと答えを口にした。
 それを僕はバッグの中からペンとノートを手にしてメモを取っていき、それをまとめてみると――


 まず笑顔で近づいていき、今回は座らずに立ったまま話し掛ける。

 「おー、昨日も会ったねぇ! (ここで相手呆気に取られ一時沈黙)……ぅん、まぁいいや。そこにいるの、前から気になってたんだよね! ……ぶっちゃけ(ここで控えめに、誠実さをアピールして)携帯番号教えてくれないかな~?」


 パターン1.OK

 めっちゃ嬉しそうな顔で

「マジで!?」

 教えてもらった後

「……面と向かって話すの緊張するから、メールするね! ちょっと待ってて!」

 離れながら前日から作っておいた

「いきなりメールしちゃった! ご趣味は?」

 というメールを送って話を広げて、最終的にはデートの約束まで持っていく。



 パターン2.拒否られた場合

「……だよねー面識ないもんねーしょうがないよねー……じゃ、(ここで語調を熱く変え)ちょっと話をしたいです!」

 相手がOKくれるまで粘って、話に入ったら趣味とか聞いて、合わなかった場合は自分の譲れない物について熱く語れ!(男にしか通じない物――いわゆるゲームとか漫画の話題禁止!)

 熱い話にはどんな相手でも引き込まれる。

 最後は、「また来ていい?」で別れる。



「…………マジで?」

 かっぱえびせんを食べる手を止めて訊く。
 正直、それが本当の気持ちだった。

 それくらいあまりに突飛……というか、ノリと勢いだけの痛い作戦だった。
 しかし切間は不敵な笑みさえ浮かべて、

「マジだって! ていうか、俺も結構会って速攻」ポケットからこそこそと携帯を取り出す真似をしながら、「『んじゃケータイ番号を……』ての良く使うし!」それは普通じゃないと思うぞ……「それで入学式が終わったあととかに五人くらいゲットしたし!」

 ピシ、と音を立てて意識が歪む。

「……五人、くらい……ゲットした?」

「おう。ゲットしたぜ?」

 切間は誇らしげな笑顔とともに親指を立てる。
 やり遂げた男の余裕がそこには満ちていた。

 ――そうか。
 五人くらい、ゲットしたのか……。

「……なら」

 手にある紙の容器を傾け、

「……やってみるか!」

 最後の、五人ゲットした、にやる気を出して、持っていたココアを一気飲みして叫ぶ。

「やってみれって!」

 切間も持っていたペットボトルを傾け、

「……ダメでも話のネタになるし!」

 同じく三ツ矢サイダーを空にして切間も叫ぶ。
 最後に気になるセリフがあった気がするが、聞こえなかったフリをして切間とがっちり握手する。

 その日はそんなノリのまま、菓子とジュースをつまみながら夜中まで騒いだ。
 その時の僕はその娘(こ)を彼女にしたいとか、そんなつもりじゃなく、ただ変わったものに変わった行動をぶつけてみようという、ただそれだけの好奇心で動いていた。
 前提として、自分に構おうとする女の子なんていない、と頭から信じきっていたから。

 これから何かが起こるなんて、想像もしてなかったから。
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