【空手vs中国拳法】極真世界大会に香港カンフー!ブルースリーな異種格闘で芦原英幸の二宮城光と岸信行の結末を目撃せよ!

2024年4月9日

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中国拳法

いわずもがな、4000年の歴史を誇るといわれる、空手やムエタイのその大元にもなったのではないかという説も聞かれることもある、中国が世界に誇るとされる武術。

非常に広い国土を誇る中国の中にあって、その流派、体系は非常に多岐にわたるといわれるが、そんな中国拳法が、直接打撃制をしく極真空手に、挑んだ戦いというものが存在する。

1975年11月1日から2日にかけて開催された、第一回全世界空手道選手権大会。

その世界大会は、極真空手の創始者である大山倍達にとって悲願でもあり、そして大変な覚悟を持って開催された大会でもあった。

長年私は夢見た

実戦空手が世界的にこれが証明される大会

内外とも多事多難であり

極真空手が地上最強の空手になるかこの結果にかかっているといっても過言じゃない

万一日本が負けるようなことがあるならば

腹を切るという思想な覚悟で出場しなくちゃいけない

事実として日本刀を出してこれで腹を切れという一場面すらあったという話もあり、大山倍達自身も俺が眼の黒いうちは日本は絶対に負けない。負けたら腹を切ると公言していたといい、その事実は新聞にも載っていたという話だ。

そんな中国拳法と対戦することになったのが、岸信行と、二宮城光だった。

岸信行

岸信行は内弟子として修行を重ね、あの大山倍達が認めた天才として知られる大山泰彦にも認められた確かな実力により、本部道場指導員として活躍し、世界各国でインストラクターとしても飛雄、我流空手家として乗り込んできた第5回全日本大会での富樫宜資との死闘は多くの方の記憶に焼きついていると思われ、回転手刀打ち、現在でいうバックハンドブローのチョップ版をこめかみに受け、倒れ、大きなダメージを負い、元来ならば反則なところはその一本気により形はどうあれ他流派の足元に屈するのを潔しとせず必死の気力を振り絞って立ち上がったため、ほとんど意識もうろうの状態で戦い抜いたために敗れたが、それまではややリードしていたという話もあり、その実力を物語るエピソードできるかもしれない。

そんな岸信行はブルースリーによってドラゴン旋風を巻き起こしていたその勢いそのままに香港で修行をし、功夫を高めてきたチュン・ミン・ヒンと対戦。

岸信行は大山倍達から

君、君の相手の香港カンフーはね、修行歴20年のベテランだよ!

倒しなさい!

やってしまいなさい!

とネジを巻かれていたという話で

開始と同時に大股で間合いを詰めていく岸信行に対して、チュンはいきなりのローキック。

この時代極真日本の秘密兵器としていた技で会場に大きな音を響かせ、ぴょんぴょんと飛び跳ね、再びの今度は中段廻し蹴り。

さらに回り込み下段を今度は岸信行が太ももの筋肉で跳ね返し、間合いを詰めて下段廻し蹴りを放つがそれをチュンが体を翻してかわす。

しかしこの戦いの最中、始まってまもなく岸信行は自らの右手の親指を骨折したという。

やはりそれだけのプレッシャー、そして間合いやタイミングの違いに戸惑い、普段以上に体に力が入ってしまったということだろうか。

ぴょんぴょん跳ねてローキック、前蹴りを狙ってくるチュンに対して、岸信行が残された左の突きで対抗。

それが腹、胸をえぐり、肩の辺りを掠めて吹き飛ばし、さらに傷ついた右の拳も飛ばす。

チュンも右の鉤突きを返すが当たらず、もつれて倒れて再開後、ローキックを躱しての左の突き、そこからつかんでの膝蹴りがボディーをえぐり、チュンはたおれ、そしてその顔にはぐったりとしたものが見られ、続いて放たれた左の前蹴り、そこからの腰の入った正拳突きを受け、右手を掲げ、ついに戦意喪失。

苦しそうな顔を審判が認め、岸信行がこの歴史的な対決を制することとなった。

続いて対戦することになった、二宮城光。

二宮城光

サバキの技術で知られる、空手バカ一代の中でも大山倍達の次に活躍したといっても過言では無いかもしれない芦原英幸の秘蔵っことして、大山倍達からも最大限の寵愛を受けたその華麗なる組み手により第8回全日本大会準優勝、そして第10回全日本大会で優勝に輝き、その後はアメリカのデンバーで日本の武道を伝え広めている極真空手を代表するともいえる名選手の1人。

先に述べた岸信行を武道家として1番尊敬していると語っている話もあり、同じく二宮城光も大山倍達から

君、カンフーを絶対にやれ!

とにかく倒せ。

マットから歩いて帰しちゃだめだよ、

とハッパをかけられていたといい、それを聞いた二宮城光自身も

どんなに強いのがくるんだろう

カンフーなんてイメージでしか知らないから

いきなり飛びまわって、目つきなんかで目玉でもつぶしに来るのかな

と本人曰く勝手に考えたりもしたという中行われた、正中線を取り合うという独特な稽古をこなして訪れたウォン・チュン・ミンとの闘い。

今度は逆に開始と同時にウォンが直突きのようなステップインと左の上突きで踏み込んできて、さらに接近戦での細かい左右下突き、鍵付きのウォン文字通り乱打。

20発ほどにも及ぶその連打の中、会場に

大丈夫二宮そんなのほら!

という声と、アナウンスの効いておりません、という解説が響き渡る中、実際に当人も

試合が始まってみると、向こうは中段突きの連打で来たけれど、全然効かないし

と語っており、円を描きながら冷静に対処し、足を下げての左の膝蹴り、それでも続く連打に合わせるような右の下段廻し蹴り。

その二連打でウォンのバランスは崩れ、そこへ左の上段廻し蹴り。

それで間合いを取り、飛び込んできたところを迎え撃ち、相手の意識を上に向けておき、体を傾けたっぷりとタメを作っての、左下突き一閃!

完全にボディーを捉え、一発でウォンは突き飛ばされるようにマットに崩れ落ち、そのまま技ありとか一本どころか立ち上がることすら適わず、主審に介抱される始末。

マッサージを経て、対戦相手の二宮城光に肩を借りて、開始約20秒という短時間で、試合場を降りることになった。

双方ともに対戦相手があまりにも悪かったともいえるかもしれないその歴史的な対決は、このような形で幕を下ろすこととなった。

時代を超えて、それぞれのバックボーンを超えて、混じりあったこの歴史的な転換点、われわれは胸に刻忘れることがないようにすべきなのかもしれない。

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