妖狐蔵馬&黄泉 魔界にて再びの共闘、交した戦いの真理!

2024年4月9日

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魔界トーナメント編

鬼才、富樫義博によるその現在の地位、画風の原点ともなったとも言える、幽遊白書。

現在でもその続編とも言えるHUNTER×HUNTERが休止中なのだが、Twitterなどで連載再開と言うトレンドが現れると、皆HUNTER×HUNTERではないかとそわそわし、それが繰り返され、常態化し、もはやもさとなると連載再開=はいはいHUNTER×HUNTER以外ねと察知し、それすらも通り過ぎた人は、同時にHUNTER×HUNTERのトレンドがあると、はいはい連載再開でHUNTER×HUNTERだと思った人が、がっかりしたって打ち込みまくって同時にトレンド入りしてHUNTER×HUNTERと連載再開が同時にトレンド入りして、それがまた混乱をひき起こしているわけねーと、もはや玄人的な目で見る検証まで巻き起こしている(笑

ちなみに言うと幽遊白書とHUNTER×HUNTERの間にはレベルEと言う独特なSF作品が、と言うよりもファンタジーが入っているというか、むしろ富樫義博ワールドとも言える話が、あの週刊少年ジャンプでなぜか月いちで連載されており、これを読んでいる人が、なるほどね富樫義博って本当はこういう話好きだよねぇとわかってたりするからチェックしてみると結構面白いですけど進めば進むほど投げやりになるからそういうところちょっと気になる人は気になるかもしれないと言うことを先に断っておきますはい(笑

そしてそういった経緯を持つ富樫義博の、俗によく言われている最後の魔界編では、トーナメント以降急に投げやりになり、連載を終わらせるために全てショートカットで書いて、非常に話としては中途半端で評価できないと言う意見も聞かれるが、実際のところだからこそ、本当に描きたいものが、凝縮された、素晴らしいものが各所に散見されると私は考えている。

その中でも、屈指の名言と言えるもの。

幽遊白書の中では、わかりやすい勧善懲悪の戦いと言うものは少なく、それぞれの人間がそれぞれの立場でそれぞれの意見で自らの主張を広げており、それが絶対の正義であると言う考え方を逆に悪のような捉え方をさせると言う、少年誌にもかかわらず実に考えさせられる、多面的な捉え方をするきっかけにもなる、そして何よりかっこいい、そんなキャラクターたちで溢れている。

それゆえに胸に残る名言は多いですが、そんな中でも、戦いと言うものに特化して、その中で金言至極と思える、そんな言葉。

三すくみ「黄泉・軀・雷禅」

それは魔界編後半、3大妖怪の三すくみと呼ばれる軀 、黄泉、雷禅の3匹の妖怪の、それによる3大勢力のしのぎが激化し、その均衡を崩す音、ナンバー2の強化が表面化してきたそんな時の事。

3大勢力の中でも特に頭脳戦、狡猾さに長けると言われる、黄泉の、その古い付き合いである蔵馬。

彼が過去、黄泉と共闘していたその時、裏切りによりその瞳の光を失わせてしまい、それを知られたことによる交換条件として、しかしそれですんなり従わなかったためにさらに現在の人間界における家族を人質に取られ、黄泉の軍勢に加わることになる。

知略知慮を求められ、意見をあおがれた蔵馬は、現在の三すくみ、それが1つを形成している雷禅が死すことにより崩れ、その後の軀との一騎打ちにおいていかに有利にことを運ぶかと言うことで、今の戦力ではあまりにもナンバーワンである黄泉と軀の力が抜きんですぎていて、ナンバーツーですら右腕にすら慣れていないと言うことを指摘し、しかしそれが半年以内に全て入れ替わると予言する。

さらにその後蔵馬は黄泉に、半年以内に現在のナンバーツーである鯱の倍以上の実力を持つ妖怪を6人連れてくるって約束する。

その6人とは暗黒武術会で戦い、結果的に仲間となった頼もしい妖怪達である、鈴駒、酎、凍矢、陣、美しい魔闘家鈴木、死々若丸の6人だった。

蔵馬はその6人を浦飯幽助の師匠である幻海に預け、鍛えてもらうことで、現在の均衡を崩そうとしていた。

そこに霊界の代表ともいえる、ずっと彼らと行動を共にしその活躍をサポート、そして協力してきたコエンマに、出会い、結果的に三すくみそれぞれに蔵馬、飛影、幽助と言う、これまで仲間として戦ってきた3人がくみすることになり、相対さなければならない状況を、しかし飄々とした蔵馬の態度から、こう評する。

「不思議な関係だな。

望まざる戦いに思えたが、どうやらお互い合意の上らしいな」

それに蔵馬は6人のもとに向かう足求めずに、振り返りざま軽やかに答える。

「馴れ合いより刺激を。

そんな関係みたいです」

そして半年後に6人とも妖力値10万越えのハードルをクリアし、黄泉の参謀に一体どうやって、お主どんな妖術を施したのか、と言う驚きの声に対して一切表情も変えずに。

「うまい食事と適度な運動、それだけですよ」

もちろんそれに対して外野というか6人から、うまい!? あのドクみてーな薬草がか、適度!? ジゴクじゃあれは! と言う夜市が飛んでいたのはご愛嬌だが(笑

そしてそれにより黄泉の軍勢のナンバーツーである鯱は、それまでの怠慢を責められる形となり、まるっきり赤っ恥をかかされたと逆恨みをし、そして蔵馬が1人で歩いているところを待ち伏せし、襲撃をかける。

妖狐蔵馬vs鯱

その時妖力計により、蔵馬の妖力は2000ポイント足らずと示されており、頭でっかちの奸狐とシャチは完全に見くびっていた。

待ち伏せに気づき、蔵馬は声をかけて、シャチは武器を構えて姿を現す。

それに蔵馬は無表情に無感情に、声をかける。

「お咎め覚悟の上か」

「ふん、証拠など残すか。

骨ごとしゃぶってくれるわ」

「黄泉は実に辛抱強くなった。

お前が何人こんな風に幹部候補を葬ってきたか知らんが」

蔵馬のその瞳は、どこか遠いところを見るかのようだった。

「黄泉はこの数百年、お前を倒せる人材を待っていたんだ」

それに鯱は、ふざけるなとして、自分の合図で蔵馬の義理の弟である人質を殺せと指示するが、相手はもう鯱の言うことは聞けない、長い物には巻かれろってな、とその通話を切る。

それに蔵馬は、やはり何の感情も見せずに告げる。

「人質一つでこうも差が出るのだな。

黄泉なら実際には人質を取らずに脅迫する方法をとる」

そこに、遠いところからこの様子を見ていた黄泉が応える。

「ご名答」

実力行使。

「おのれくたばれ!」

武器を持ち、真っ正面からおそいかかる鯱に対して、蔵馬やはり無感情に、その姿を変える。

妖狐の、本来の姿となり、鯱の妖力値37,800の、その4倍もの152,000まで高め、得意技のローズウィップの一太刀で、真っ二つにする。

そして妖狐蔵馬は、その愚かな男に教えるように、この場にはいない友に語りかけるように、言葉を紡ぐ。

「切り札は、先に見せるな」

「見せるなら、さらに奥の手を持て、か」

胸に響く、記憶に残る。

まさにそんな一瞬の駆け引き、そして言葉のやりとりでした。

どうしてもとっておきを持っていると、早く出したくて、相手を驚かせたくて、主導権を握りたくて、そうしてしまうもの。

それは誰しもそうで、私も決して例外ではありません。

しかし切り札と言うものを、正しく取っておき、ここぞと言う時にまさにここしかないと言う虚をつくタイミングで使ってこそ、その場を制し、そして自分の望むものを得ることができる。

だからこそ、先に見せて、もし見せるとするならば、さらに奥の手を――

しかもそれを、蔵馬一人で言うのではなく、遠くにいる黄泉と、ぴたりのタイミング合わせて、全く挙動を見せずに言葉を重ねさせるとは――

子供から大人まで、もし子供の時にわからずともそのかっこよさに痺れ、大人になれば、物事を深く知れば知るほど、胸に染みて、しかしそう易々とできることではなく、そんなシーンだからこそ、いつまでもいつまでも胸に秘めて味わい尽くすことができる。

数多ある名言の中でも、群を抜いている、宝物のように持っておきたい、そんな最高のワンシーンでした。

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