ウマ娘 プリティーダービー 真っ直ぐ疾り、挑み続ける純粋さに涙が止まらない!
革新的競走馬美少女化ライブアニメ
このアニメは自分にしては珍しくある程度前情報を持った状態で見始めた。
さすがにあまりにもスマホゲームで有名で、どういう感じなのかを聞いていたし、YouTubeなどでもいろんなところで話を聞いていたので、そういう意味ではその設定にはそこまで驚かなかったと言える。
まぁでも実際、競走馬の美少女が――しかも昔競馬をテーマにした漫画である「みどりのマキバオー」で言われている、所謂ジョッキーと馬のコンビネーションとかも大事だったりするのに、ただ女の子が普通に走るだけと言うのも、なかなか振り切っていると言うのは実際だと思う(笑
だけどまぁそういうものだと思ってみれば、ある意味では徒競走だから、女の子に尻尾が生えたり耳が上のほうについているというのも、萌えの要素として昔からあるからまぁありと言えばありかと。
しかしレース後に、ウイニングランならぬウィニングライブというのでトップスリーに入ったウマ娘たちがライブで歌って踊って跳ねるというのが、ぶっちゃけうまいなと思ってしまった(笑
いわゆるそういう会社がスポンサーになっているだけあって、最初からアイドルマスター的な展開を考えているということだろうそういうのはホント頭いい。
だけど今回話したのは、そこがメインではない。
この話が、めちゃくちゃ泣けるということを言いたい。
正直、これは予想外だった。
おそらくだが、私が見たアニメの中で、最も泣けたかもしれない。
自分でも涙腺弱い方だと思っていたが、それにしてもひどいと思った(笑
基本的にはこのアニメは、日常風景も十分に描かれてはいるものの、その半分以上がレースに割かれている。
普通に負けるリアルレース
ありがちなのだがあんまりにも試合試合が続くと、その緊迫感、非日常感が薄れて、その面白みがあまり伝わらないというのがある。
しかしこのアニメでは、現実に存在する競走馬の名前をそのまま使って、そしてそれがかなりチャレンジャブルだと思うのだが、結果的に成功していて、だからこそあまり当て馬というかやられキャラみたいな存在が少なく、絶対王者的な立ち位置がなく、つまりはどんな登場人物であっても普通に、負ける。
しかもレースだから負けても当然死んだりしないし、だからいつでも勝ちたいと思っていても、負けることも当然あり得る。
だからこそ、1戦1戦ワクワクする。
この戦い、本当に勝てるのか、勝つことができるのか?
それまでの想い、練習、そしてライバルの必死さ、そちらの想い、それがぶつかり、リアルで、本当に没頭できるレース展開になっている。
そしてなんといってもすごいのは、その競技性の単純さ、わかりやすさと言えるかもしれない。
ぶっちゃけ、駆けっこだ。
それは本当の競馬のような乗り手もいないので、スパートかけるタイミングや、ペース配分も、全てウマ娘自身が行う。
だからこそシンプルな駆け引きで、それを終えた後は気持ちでぶつかる。
だからこそ観ているこちらがまるでウマ娘自身に鳴ったかのように感情移入し、没入し、その一喜一憂に、共感することができるのだ。
2連勝からの敗戦、そこから勝利するための坂道の特訓、ピッチ走法の習得、そしてリベンジ戦にて敗れたセイウンスカイと、4戦無敗のエルコンドルパサーとの戦いにおける、ラストスパートでの競り合いの末の同着の時の、その達成感。
こんなに早い段階で1つのカタルシスを迎えると思わなかった。
そして憧れであり、一緒に走ることを誓った、同じチームのサイレンススズカの故障。
奇跡の復活、そして想いに応えて…
それから2人で傷を舐め合うような関係となってしまったために失速するが、トレーナーの檄により目を覚まし、必死にリハビリして、恐怖を乗り越えて、迎えた復帰戦。
誰もがサイレンススズカに望むのは、ただ完走しててくれれば、それで充分。
芝の上で立つその姿を観られた、それだけで良かったと。
誰もが彼女の元の走りなど望まない中での、皆の期待を超えた、予想を遥かに超えた、サイレンススズカの圧勝。
自分も空手をやっているので、怪我の恐ろしさ、リハビリの大変さ、復帰戦の難しさ、それを十分に知っているのだが、なかなかその辺をしっかりと描くことのない13話しかないと言うアニメの枠の中で、ここまで見事に描き切り、そしてその復活の素晴らしさを伝えてくれたものはなかったのではないかと思える。
何度見ても、そのシーンは涙で溢れて画面が見えなくなる。
そして自分の番だと、絶対王者であるヨーロッパ最強のブロワイエを迎えての天皇賞杯での、主人公スペシャルウィークの、ただただ前を向いての雄叫びをあげても、がむしゃらで必死の、サイレンススズカに報いようとする、その走り。
ただ走り、1番を決める、あるいは子供の時から行われるかけっことも言えるその競技性。
それは突き詰め、極めたと言っていいかもしれない、本当に胸に響く、そんなアニメだった。
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