人類は衰退しました 終末観を想わせず軽やかに描く田中ロミオ流ラノベ

2024年4月10日

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田中ロミオという神ライター

田中ロミオという、神シナリオライターがいる。

泣きゲー、鬱ゲー、カオスゲームの神として、選択式のノベルアドベンチャーゲーム界では大変有名な人間だ。

現在TYPE-MOONの専属ライターにして、月姫、Fateシリーズ、空の境界、さらにはDDDを始めとした小説界まで、幅広く進出し、特に今この段階では、アプリゲームのFate/Grand Order、劇場公開中のFate/stay night [Heaven’s Feel]で名を馳せている、奈須きのこと同じ界隈にいると言っても過言ではない。

その那須きのこが、田中ロミオの代表作の一つともいえるCROSS†CHANNELという作品をを指して、こう語っていた。

絶対に超えられない壁として君臨する作品。

私もその作品をやったことがあるのだが、正直最初はトラウマを味わった。

あまりにも鮮烈すぎる展開、容赦のない人物描写、その自己愛、裏切り、その連続に、一時期続きをプレイことを断念して、しばらく離れていたほどだ。

しかししばらくの時間をあけて、やはりどうしても続きが気になって、プレイしたところ、私の思い出に一生残るほどの傑作となった。

さすがは奈須きのこがそこま思い入れがあるだけはある。

しかし、やはりそのえげつないほどの切れ味ゆえ、一般に進出は難しいのかと考えていた。

ノベルゲーム界から小説界への進出

そんな時に、ガガガ文庫というライトノベルの出版社で、創刊ラインナップという形でこの「人類は衰退しました」と言う作品を出版した。

私は心踊っていた。

ついに田中ロミオの作品を、小説で読める。

そして、世間に広く認知される。
そんな期待に、胸躍っていた。

その内容は、今までのあらゆる小説の概念を超えているものだった。

そしてやはりその魅力は認知されて、アニメ化にまで至った。

正直言って、アニメ化の手法は、個人的には全面的には賛同しかねるところがあるものだと考えている。

まず時系列が、逆転している。

単純に言えば、終わりから始まりに向かって進んでいる。

確かに見終わった後、その余韻は悪くはなかったが、正直最初は戸惑いしかなかった。

ちょっと見る順番間違えたのかとさえ思った。

最初から全てがある状態、こちらが知っている前提で話が進むから、正直言ってついていけない。

それに加えて、妖精さんという存在が、この物語の鍵になっていて、衰退した人類の代わりに、この妖精さんが知的生命体の主として君臨しているというのがこの世界の肝なのだが、その生態が最初から解明されていて、今回もそのパターンかと言う考察や、いや今回は違うかもしれませんよ、等とぶちまけられても、そもそもの設定とかパターンわかんねえよと言うツッコミしかない。

あらかじめ原作を読んでいてこれなのだから、アニメから入った人は混乱して、わけわかんなくて、それで離れてしまう人も多いのではないか。

とりあえずここにまうツッコミを入れておいてから、お話の内容。

諦観と幸福の表裏

正直このお話は、登場人物が限られている。

主人公、おじいさん、助手さん、妖精さん、基本的にこの辺で回っていく。

そこにゲストキャラが登場して、といったところだ。

その辺はアドベンチャーゲームのシナリオライターをしていたあたりのやり方か、もしくは本人がこういったやり方を好んでいるのだろう。

だから基本的には、予想もしなかった人間が、ありえないことを、みたいな展開はない。

この物語が提示しているのは、ありとあらゆるものに対するアンチテーゼのような気がする。

まずタイトルからして、人類は衰退しました。
なかなか喧嘩を売っている。

そしてその衰退した人類の代わりに台頭してきた妖精さんが、そもそも名前が妖精さんだし、ちっちゃいし、ふわふわしてるし、何でもできちゃうし、すぐ飽きちゃうし、勝手に増えるし、落ち込んだら減っちゃうし、とても霊長類としてやっていけそうな存在ではない。

人類はこの先絶滅することが確定していて、妖精さんもこの調子で、だけどお互いが焦ることもなく、ただゆるゆるとした日々を過ごしていく。

妖精さんはほとんどドラえもん状態で、何でもできて、だけど積み上げることができなくて、ほとんど赤ん坊に神様の力を与えられているような存在。

その中で知能はあるが力を持たない人間は、その力に振り回されたり、その力に助けられたり、その力をうまく活用しようとしたり、しかし結果的に自分の無力を思い知らされたりする。

破滅と悟りの歪さ

この世界にいる人間たちは、衰退していて、滅びるのはわかっているせいか、欲と言うものが少ない。

一時期衛星が生きているのがわかって、電気を獲得して、宇宙進出計画が再始動されようとしたりしたが、結局頓挫してからは、そういった気運もない。

最初はそのはちゃめちゃさ、ふわふわとした展開、ゆるい登場人物に癒されたり笑ったりしていたが、そのうち気づく。

これは終末感なのだと。

しかしそれを、ここまで悲壮感なく、しかしときに人の腹黒さを描きつつ、あくまで当たり前の結末として書き上げるその田中ロミオと言う才能に驚かされる。

読み味はどこまでも軽く、いつの間にか最終回を迎え、しかしどこか胸に引っかかる、その感じ。

いつかどこかで、こんなことが起きたときに、自分の心持ちは一体――

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