冴えない彼女の育てかた 計算された至高の極上ハッピーエンドに酔え!

2024年4月11日

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胸を鷲掴みにする2つの魅力

『冴えない彼女の育てかた』というアニメを語るにあたって、この作品には大きく2つの魅力があると考えている。

1つがキャラデザイン。

ぶっちゃけ100人いたら97人位が振り返るほどの、秀逸すぎるキャラクターデザインだと思っている。

私が気になっていたのも、Twitterのタイムラインに流れてくるポスターやらワンカットやらキャラクターグッズに描かれていたイラストの秀麗さだ。

圧倒的なまでの華やかさ、可憐さ、透明感、可愛らしさ。

アニメである以上、そしてキャラクターアニメとして売っている以上、これは武器といえるだろう。
こういったレビューとしては問題があるかもしれないが、正直本編を見る前から軽くヒロインの加藤恵には心奪われていたところがあるかもしれない。

そしてもう一つは、コンセプトがウルトラはっきりしている上に実験的でかつ成功している、シナリオだ。

このシナリオライターを担当している、というのか小説を執筆している作者である丸戸史明は、PCなどのアドベンチャーゲームで泣きゲーの神とも崇められたりとかしているかもしれないほどの感動ゲームをいくつも書き上げてきた超大御所だ。

私もいくつかプレイしたことがあるが、本当によくできていて、正直感服するほどだ。

それほどの才能がついに一般の、ライトノベル界に進出する。
果たしてどのような作品を描くのか、そういった意味でも注目していた。

なぜヒロインが冴えないのか、なぜみんな濃いのか?

私はこの「冴えない彼女の育て方というタイトル」に、違和感を覚えていた。

それが本編を見て、見終わって、そして映画まで見終わって、理解した。

これはPCゲームの、アドベンチャーゲームの、そういった構造を、分解し、再構築し、それを各シナリオではなく唯一無二のルートで、万人に知らしめるというかなり無理ゲーな目的意識のもとに、考え出された非常に複雑な、というか逆説的な発想のもとに作り出されていることが。

この作品に出ているキャラクターは、はっきりいって厳選されている。

これはPCゲーム、アドベンチャーゲームの流れを組んでいると思われる。
モブや一度だけしか出ないキャラというのは基本的には存在しない。

そして出てくるキャラクターたちは、基本的にハッキリと、正直いって現実離れして、キャラクター付けがなされている。

それもアナログというか、わかりやすいというか、そういったものだ。

金髪ツインテールのツンデレ幼なじみに、黒髪ロングの甘やかしドエス先輩、健気で一生懸命で小さいけど巨乳な後輩、小さい頃から一緒に育った元気で男勝りで露出高めなバンドガール。

ここまで極端な味付けがされていれば――そしてここまでいけば究極ともいえるが、全員が主人公を狙っているというか好きな基本設定まで用意されていれば、人によっては選ばれてしまう作品かもしれない。
実際私のオタク仲間は、最初の二、三話でその極端さゆえ切ってしまった位だ。

しかし、これには狙いがある。

可愛い女の子とのなにげない日常を魅力的に描く

ヒロインに、逆に基本的には何の味付けもされていないのだ。
しかもメインヒロインなのに、主人公をハッキリ好きでもない。

ぶっちゃけビジュアルに関しては飛び抜けている。
しかも服装もどうかしてる位男ウケというかオタク受けが良いものを選ばれていて、最初の登場シーンだけでも心奪われた視聴者がたくさんいてもおかしくないというか俺もそうですはいすいません。

しかし、属性がない。

主人公が語っているように、綾波系の極端なシンデレラでもなければ、おとなしいわけでもなく、かといっていわゆるモブ的な地味子ですらない。

正直キャラが立っていない。

だから主人公は冴えないヒロインと呼んでいる。

しかし通常のアニメだったら埋もれてしまうような個性が、この作品の中では逆に際立つ。

唯一ハッキリとしたキャラ付けがされていないために、そして主人公にハッキリとした好意を示していないために、他との違いで、彼女の素朴さ、それがじんわりと染み渡っていく。

例えるなら濃い味付けの中華料理の中で、出汁の味を効かせた日本食が1つだけ混じっているような感じ……かもしれない。

全キャラ攻略対象な作者の愛情

かといって他のキャラがあくまで引き立て役というわけでは全くない。

この作品の凄いところは、誰1人としてキャラの使い捨てがないということだ。

あくまで素朴で何気ないヒロインの魅力を前面に押し出そうとしているが、それだけだとアニメという魅せ方ではどうしても伝わりづらいので、アドベンチャーゲームの見せ方で他のキャラたちを際立たせ、そのギャップでメインヒロイン、そしてその反作用として他のキャラたちのそれぞれの良さを引き出しているのだ。

そして主人公たちに、同じ趣旨のゲーム作りをさせることによって、何気ない日常の中にその魅力を浮き彫りにさせるためのイベントや、やりとりや、そういったものを自然に盛り込むことに成功している。

アニメが最終回を迎えた時、正直いって映画の展開は予想していなかった。

ぶっちゃけメインヒロインの加藤恵が主人公の倫也と付き合うとは思わなかった。
というか正直好きになっていると気づかなかった。

それぐらいメインヒロインの加藤恵の駆け引きというか態度は絶妙というか微妙っていうか複雑というか、ほんとにこんな子いるんじゃないかという位きわどくてこちらを惑わせてくるぐらいわからない。
映画の波島の兄貴の言葉を借りるなら、最高にめんどくさいメインヒロインだ(笑

序盤など押しが弱いので一歩間違えれば物足りなくなりそうな位だけれど、それを補って余りある位他のキャラたちが自分を前面に押し出してきてスキスキビームを送るので、それを心配する必は全くない。

その双方のギャップによって、いわゆる劇中でいってるような極端なイチャイチャイベント等がなくても、十分に全員のキャラを活かしながら物語として、そしてキャラクターたちの魅力を存分に描き出している。

特に取り上げているのがギャルゲー作りなので、実際作者のテリトリーでのことなのでそのリアリティや生々しさや迫力や豆知識は凄まじく、思わず頷いたり腕を組んだり唸ったことも一度や二度ではない。

清々しい本気の青春ドタバタラブコメディ

そして全力でぶつかり合う青春スポコンのノリがそういうオタク方面で炸裂しているところも快感だ、澤村・スペンサー・英梨々の真っ直ぐなこだわりや、霞ヶ丘詩羽の作家としての胸に抱えたものや情熱はこちらの胸に突き刺さるようだった!

その分和ませ系の波島出海やいつも笑顔で前向きに励ましてくれる氷堂美智留たちもすごくありがたく、私は好きになれた。

私はこんなに気持ちのいい作品はなかなかないと思う位に楽しめた。
正直いって1回全部テレビシリーズを見た後に、もう一回通して見直した位だ。

映画もその足で見に行った。
正直感動した、映画を通してでさえなお、作者がやりたかったのは、登場人物たち誰1人として妥協なく本当に幸せになれるハッピーエンドだということが伝わってきた。

本当にありとあらゆる感動シナリオを使いこなす魔術師な丸戸史明だからこそできた、まさに計算しつくされた至高の作品だ。

というわけで存分にこの作品の魅力を語ってから、個人的にはメインヒロインの加藤恵を推していることをここで名言させてもらう本当に絶妙な駆け引きです押し引きですドギマギですパッツンのおかっぱ最高ですそして象徴ともいえる赤と白の衣装が鮮烈であそこまでやられた事はありません本当にありがとうございました。


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