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2020年10月7日

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目次
この記事を書いた人
青貴空羽

小説家にして極真空手家。
更に2年間の英国留学不治の病うつ病になった経験、オタク文化を発信する為ブログTwitterYouTubeを始める。

Twitter:@aokikuunovel

本編

 考察が始まる。
 周りが意見をかわし、それにとうさんが答えを挟みつつ進められる。

 僕と正治は道場を出て右手の部屋の水飲み場で、僕は頭突きをもらった鼻と、正治は眉間と口を水道水で冷やした。
 目が合い、楽しそうに笑った。
 いや、愉しそうにか。

 こんな空手を自分ですすんでやっているのだから、僕たちはちょっと狂っているのだろう。
 とうさんが、自分で作った煉仁会(れんじんかい)を他の人に譲ってこちらを始めたのも、今なら少し、わかる。


 週末。
 六月十五日、日曜日。
 照ヶ崎海岸探索当日。

 その日の天気も、相変わらず嫌になるほどの快晴だった。
 家のドアを開け、すぐに手庇(てひさし)を作って殺人的な光線を回避する。
 まぁ、海に行くぶんにはいいか……と頭を切り替え、手ぶらで待ち合わせ場所への道のりを急いだ。
 庭に咲いていた向日葵が目に入った。

 場所は、大学前のバス停。
 着いたのは、正午の十二時になる、三十分ほど前。
 約束は正午に大学前のバス停だったはずなのに、着いた時には既に三人とも揃っていた。

 神龍は手を頭の後ろに回して、バス停に寄りかかっていた。
 いつもの、黒のロンTに白いズボン。
 足元は茶の革靴で固め、まるで恋人にそうするかのように想いを馳せた目を空に向けている。

 様になってるな……と思った。
 そもそも背も高くてスタイルもよくて顔も整ってるから、そういう格好されると本気でファッション雑誌の一面に見えてくる。

 隼人は神龍とバス停を隔てた反対側で、真っ直ぐに立っていた。
 白い長袖のシャツのボタンを全部留めており、濃い青のジーンズにバッシュを履き、やたら大きいリュックを背負っている。
 いつものように、にこにこ笑って、こちらに気づき手を振っている。

 その傍ら。
 神龍から離れて、隼人の影に隠れるように佇んでいる彼女を見つける。
 いつもの全身黒の格好にちゃんと手袋も付けていて、今日はそれに黒の日傘をプラスしていた。
 同じように僕に気づき、固い笑顔で僅かにだが、隼人と一緒に手を振って迎えてくれた。

 それに向かって僕は、"思い切り引き攣った"笑顔で答える。
 集まって早々だが、頭痛くなってきた……。

 何でみんな、海に行く格好をしてないんだろう?
 どれ見ても長袖長ズボン、長袖長ズボン、長袖ワンピース。
 しかも革靴、バッシュに、ローブーツ。
 ……なんか、間違ってるのは僕の方な気がしてきた。

 ちなみに今日の僕の格好。
 青のアロハシャツを白のタンクトップの上に羽織り、下は薄い水色のデニム生地の半ズボンで、足にはビーチサンダルを履いている。
 ……これで、合ってるよな?

「おはよー、しんや」

 考えていると、隼人が楽しそうに挨拶をしてきた。
 つまらない考えは悩みはやめて、僕も返す。

 せっかくいい天気なのだから。
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